マツダ・ボンゴフレンディ
ボンゴ フレンディ(BONGO FRIENDEE)はマツダがかつて発売していたミニバンである。車名が長いので、通称「フレンディ」と呼ばれることが多い。発売当初のCMには人気タレントだった島田紳助や唐沢寿明を起用していた。
マツダ・ボンゴフレンディ フォード・フリーダ GF-SG型 | |
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中期型(1999年2月 - 2001年9月) | |
概要 | |
販売期間 | 1995年6月-2006年4月[1] |
ボディ | |
乗車定員 | 6人(RF-Vキャンパー)/ 7人 / 8人 |
ボディタイプ |
4ドア ミニバン (セミキャブオーバー型) |
駆動方式 | FR / 4WD |
プラットフォーム | SGプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
2.0L OHC水冷直4 (FE) 2.5L OHC水冷V6(J5-D) 2.5L OHC水冷直4渦流室式ディーゼル (WL) |
変速機 |
4速AT(トルクコンバータ式) 5速MT(初期型のディーゼル仕様のみ) |
車両寸法 | |
全長 | 4,620-4,655mm |
全幅 | 1,690mm |
全高 | 1,960-2,090mm |
車両重量 | 1,600-1,940kg |
系譜 | |
後継 |
マツダ・ビアンテ ※事実上。ただし、登場まで2年3ヶ月間の空白期間あり。 |
概要
前軸を前進させクラッシャブルゾーンを確保したため、外見上はセミキャブオーバーであるが、エンジン搭載位置は運転席下のため、構造的にはキャブオーバーである。
エンジンは4気筒2,000ccのガソリンエンジン、または2,500ccのディーゼルエンジンである。かつてはV型6気筒2,500ccモデルもあったが廃止された。また、ディーゼルエンジンはそのままでは自動車排出ガス規制及びNOxPM法に適合しないため、規制地域では対策を行わないと新規登録ができない。
プラットフォームはマツダ・SGプラットフォームを用いている。後輪駆動を基本とする車型であるため、前述のエンジン位置とも併せ、キャブオーバーFRとなる。
初期型には、3列目シートの部分を一部仕様変更しギャレーなどを標準装備した「RF-Vキャンパー」というグレードが存在した。このグレードは特殊用途の車両に該当するため、8ナンバーが適用された。
- 前期型、CIマーク導入前(1995年6月 - 1997年)
オートフリートップ装備車 - 前期型、CIマーク導入後(1997年 - 1999年2月)
- 前期型(1995年6月 - 1999年2月)
オートフリートップ
この車の最大の特徴は、ルーフ部分が電動で持ち上がる、ダイキョー・ベバスト(現ベバストジャパン)製の「オートフリートップ、英語表記Auto Free Top(略称:AFT) 」の採用である。
展開させるとキャンピングカーのポップアップ式テント同様、新たな「部屋」が出現する。「2階席」の広さは、身長の低い子供であれば中で立つことができ、大人二人の就寝スペースにも十分なものとなっている。床はクッション敷きで、テントの窓には虫除け網も備わる。
テント部分との昇降は、1、2列目シート間天井のアクセスホールで行う。オートフリートップ上面にはサンルーフが存在したが、安全性の面で固定式だった。AFTを開いている場合はテント内部、閉じている場合は車内の明かり取りとしても機能する。この他、就寝時など、アクセスホールが使えないときのため、飲み物などの受け渡しに使える小窓も用意されるなど、その使い勝手には抜かりがなく、その特徴から当時はアウトドア派のユーザーに高い人気があった。
5ナンバーサイズの車体であるが、AFT装備車は全高が5ナンバーサイズの上限である2mを超えるため、全長や排気量にかかわらず3ナンバーとなる。
AFTは全車に装備されていた訳ではなく、通常ルーフのグレードも設定されていた。その場合、通常のスライド式サンルーフが選べる。類似の機構を持つ他社メーカーの車の例として、ホンダ・ステップワゴン、ホンダ・オデッセイ (いずれも初代)にフィールドデッキというグレードが存在していた。
初代 GF/SG型(1995年-2006年)
- 1995年6月 - ボンゴワゴンとブローニィワゴンの後継モデルとして発売。なお、ボンゴワゴンは1998年まで継続生産され、一時期併売されていた。
- 1997年11月19日[2] - 一部改良。マツダの新CIを採用。2.0Lガソリンエンジン搭載車にオートフリートップ装着車を追加したほか、助手席エアバッグの全車標準装備など装備の充実化を図った。内外装についても改良が加えられた。
- 1998年9月9日[3] - 「RF-V」をベースに、ルーフスポイラーや UVカット機能付リアダークティンテッドガラスなどを装備した特別仕様車「RF-Vスペシャル」(1,800台限定)を発売。
- 1999年2月15日[4] - マイナーチェンジ。オートフリートップの開口角度を拡大し容量を従来比20%アップさせた。専用エアロやアルミホイールを装備した「エアロ」を追加。「ファイブポイントグリル」の採用をはじめ、内外装の一部改良。6月、ボンゴが4代目へフルモデルチェンジ。
- 1999年9月20日[5] - 一部改良。インテリアの質感および装備を向上させた。また、ディーゼル車に可変容量ターボを新たに採用し最高出力の向上を図った。なお、ディーゼル車は同年11月1日発売となる。
- 1999年12月20日[6] - エアロパーツなどを装備した特別仕様車「シティランナー」(限定1,000台)を発売。
- 2000年5月22日[7] - 特別仕様車「シティランナー ブリーザ」(限定1,000台)を発売。上記「シティランナー」と同一の仕様となる。
- 2000年9月27日[8] - カーライフ情報サービス「マツダテレマティックス」に対応したDVDナビゲーションシステムなどを装備した特別仕様車「@NAVI」(1,000台限定)を発売。
- 2001年9月 - マイナーチェンジ。
- 2005年11月[9] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
- 2006年4月 - 在庫対応分がすべて完売し販売終了。これにより、2008年7月にビアンテが登場するまでマツダからセミキャブオーバー型ミニバンのラインナップがなくなる。また、マツダ最後の5ナンバー幅ミニバンでもあった[10]。
フォード・フリーダ
フリーダ(FREDA )は、フォード・モーターがオートラマで販売していたセミキャブオーバー型ミニバンである。ボンゴフレンディと姉妹車であり、スペクトロンの後継車である(ただし、スペクトロンも1997年まで併売されていた)。
車名の由来は、スペイン語の「Fresca(爽快)」と「Eda(集まり)」を合わせた造語で、爽快な運転気分でたくさんの人が集まるクルマであってほしいという願いが込められている。
脚注
- “ボンゴフレンディ”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月27日). 2020年1月27日閲覧。
- 『「ボンゴフレンディ」を一部商品改良』(プレスリリース)マツダ株式会社、1997年11月19日 。2022年4月12日閲覧。
- 『「ボンゴフレンディ」の特別限定車「RF-Vスペシャル」を発売』(プレスリリース)マツダ株式会社、1998年9月9日 。2022年4月12日閲覧。
- 『ボンゴフレンディをマイナーチェンジ』(プレスリリース)マツダ株式会社、1999年2月15日 。2022年4月12日閲覧。
- 『ボンゴフレンディ、ディーゼルエンジンの出力アップ』(プレスリリース)マツダ株式会社、1999年9月20日 。2022年4月12日閲覧。
- 『ボンゴフレンディ、エアロ仕様の限定車「シティランナー」を発売』(プレスリリース)マツダ株式会社、1999年12月20日 。2022年4月12日閲覧。
- 『エアロパーツ装着の限定車「ブリーザ」シリーズ5車種を発売』(プレスリリース)マツダ株式会社、2000年5月22日 。2022年4月12日閲覧。
- 『カーナビ標準装備の限定車「@NAVI」シリーズ4車種を発売』(プレスリリース)マツダ株式会社、2000年9月27日 。2022年4月12日閲覧。
- “ボンゴフレンディ(マツダ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月27日). 2020年1月27日閲覧。
- 現在マツダはミニバン自体の製造・販売を中止している。ただし、7人乗りの乗用車はSUVであるCX-8が製造・販売されている。
- “フリーダ”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月29日). 2020年1月29日閲覧。
- “フリーダ(フォード)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月29日). 2020年1月29日閲覧。