ファミリーと永遠の命

ファミリーと永遠の命」(ファミリーとえいえんのいのち、原題: "The Family of Blood")は、2007年6月2日に BBC One で初めて放送された、イギリスのSFドラマドクター・フー』第3シリーズ第9話[1]ポール・コーネルが自身とケイト・オーマンで構想を練って執筆した『ドクター・フー』小説 Human Nature を、彼がドラマエピソード化した二部作の後編である。前編の「ジョン・スミスの恋」は5月26日に放送された。

ファミリーと永遠の命
The Family of Blood
ドクター・フー(新シリーズ)』のエピソード
ジェレミー・ベインズとルーシー・カートライトの衣装
話数シーズン3
第9話
監督チャールズ・パルマー
脚本ポール・コーネル
原案Human Nature
制作スージー・リガット
音楽マレイ・ゴールド
作品番号3.9
初放送日イギリスの旗 2007年6月2日
日本の旗 2012年2月18日
 前回
ジョン・スミスの恋
次回 
まばたきするな

本作では、ファミリーと呼ばれる異星人が1913年のイングランドのボーディングスクールとその近辺の村を襲撃し、長命の異星人のタイムトラベラーである10代目ドクターのエッセンスを封じた懐中時計を捜索する。

Doctor Who Magazine のインタビューで、エグゼクティブ・プロデューサーラッセル・T・デイヴィスは、「ジョン・スミスの恋」と「ファミリーと永遠の命」は『ドクター・フー』の視聴者には暗すぎるかもしれないと特徴づけた[2]。2008年に両作はヒューゴー賞映像部門短編部門にノミネートされた[3]

なお邦題「ファミリーと永遠の命」は2012年2月18日[4]LaLa TV で放送された際のものであり[5]Huluでは「ファミリー・オブ・ブラッド」という別邦題で配信されている[6]

制作

ジョン・スミスの結婚とリメンブランス・デーの記念碑のシーンはランダフ大聖堂で撮影された[7]。学校として使用された建物は個人住宅で、ブレコンから南に数マイルのen:Bwlch に位置する1級イギリス指定建造物である Treberfydd である[8]

クリケットボールのスタントやカートライトの家のシーンなど他のシーンは、カーディフセント・ファガンズ国立歴史ミュージアムで撮影された[9]

ドクターに植え付けられたジョン・スミスの記憶では彼の両親はシドニーとバリティであると信じられており、これは番組のオリジナルの制作者であるバリティ・ランバートとシドニー・ニューマンに由来する[10]

連続性

学校でラティマーが懐中時計を開いた際、ドクターが「消えた花嫁」でラクノスの女王と戦うクリップ映像が流れる。

時の終わり」パート2(2010年)では、10代目ドクターが再生の前に過去のコンパニオンに挨拶をして回るが、この時にジョーンの日記を収録した本の著者である彼女の孫娘の下を訪れる。ドクターのために本にサインをした際に彼女は彼が誰であるか気づき、ジョーンが幸せだったか彼に問われて幸せな生涯を送ったと答え、ドクターに同じ質問を問いかけた。

小説との違い

本作は前話「ジョン・スミスの恋」と同様に小説 Human Nature をドラマ化したものである。テレビ版エピソードと異なり、小説版のドクターは7代目で、彼の旅のコンパニオンはベニーであった。登場する異星人もファミリーではなく、テレビ版新シリーズでは滅亡した惑星ガリフレイからやって来たシェイプシフターとされた[11]

評価

「ファミリーと永遠の命」と共に、「ジョン・スミスの恋」は2008年ヒューゴー賞映像部門短編部門にノミネートされた[3]。10代目ドクター役デイヴィッド・テナントはこの二部作で2007年 Constellation Award 最高男性パフォーマンス賞を受賞した[12]

2008年にデイリー・テレグラフは両作を『ドクター・フー』の歴史の中で7番目に良いエピソードであるとした[13]。2009年の Doctor Who Magazine の読者人気投票で、「ジョン・スミスの恋」と「ファミリーと永遠の命」は全期間の『ドクター・フー』のストーリーで16位にランクインした[14]。2014年に Doctor Who Magazine の読者を対象に行われた調査では、両作は9位に位置付けられた[15]。IGNのマット・ウェールズは、この二部作がテナントがドクター役で在任した間の最高のエピソードであるとし、驚くほどの出来栄えと表現してテナントの演技を称賛した[16]

出典

  1. “Doctor Who UK airdate announced”. News (Dreamwatch). (2007年2月27日). オリジナルの2007年3月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070312164215/http://www.dwscifi.com/articles/show/227
  2. “Doctor Who Magazine”. Doctor Who Magazine (386). (August 2007).
  3. 2008 Hugo Nomination List”. Denvention 3: The 66th World Science Fiction Convention. World Science Fiction Society (2008年). 2008年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年3月21日閲覧。
  4. ドクター・フー (TV Series) The Family of Blood (2007) Release Info”. インターネット・ムービー・データベース. 2020年3月3日閲覧。
  5. エピソード紹介”. ジュピターエンタテインメント. 2013年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月21日閲覧。
  6. ドクター・フー (字) ファミリー・オブ・ブラッド”. Hulu. 2020年3月3日閲覧。
  7. Walesarts, Llandaff village, Cardiff”. BBC. 2010年5月30日閲覧。
  8. Treberfydd official website”. 2010年8月27日閲覧。
  9. St Fagans Natural History Museum, Cardiff”. BBC. 2010年5月30日閲覧。
  10. Shimpach, Shawn (2010). Television in Transition: The Life and Afterlife of the Narrative Action Hero. John Wiley and Sons. p. 204. ISBN 1-4051-8536-8. https://books.google.com/books?id=HZyYz6l1D3UC&pg=PA204&dq=%22the+family+of+blood%22+sydney+verity&hl=en&ei=wqAkTqaMJYKAhQfwuvi_Aw&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=1&ved=0CCsQ6AEwAA#v=onepage&q=%22the%20family%20of%20blood%22%20sydney%20verity&f=false
  11. Human Nature”. magnetopia. 2013年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月3日閲覧。
  12. 2008 Constellation Awards”. Constellation Awards website (2008年7月15日). 2008年7月15日閲覧。
  13. “The 10 greatest episodes of Doctor Who ever”. デイリー・テレグラフ. (2008年7月2日). https://www.telegraph.co.uk/culture/3674193/The-10-greatest-episodes-of-Doctor-Who-ever.html 2012年4月29日閲覧。
  14. Haines, Lester (2009年9月17日). Doctor Who fans name best episode ever”. The Register. 2011年8月15日閲覧。
  15. “The Top 10 Doctor Who stories of all time”. Doctor Who Magazine. (2014年6月21日). http://www.doctorwhomagazine.com/the-top-10-doctor-who-stories-of-all-time/ 2014年8月21日閲覧。
  16. Wales, Matt (2010年1月5日). Top 10 Tennant Doctor Who Stories”. IGN. 2012年4月29日閲覧。

外部リンク

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.