ビュル・オジエ
ビュル・オジエ (Bulle Ogier, 1939年8月9日 - ) は、フランスの女優。日本ではビュル・オジェとも表記されがち[1]。これまでに100本以上の作品に出演している[2]。
ビュル・オジエ Bulle Ogier | |||||
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パリにて (2008年) | |||||
本名 | Marie-France Thielland | ||||
生年月日 | 1939年8月9日(83歳) | ||||
出生地 | フランス ブローニュ=ビヤンクール | ||||
職業 | 女優 | ||||
ジャンル | 映画、演劇 | ||||
活動期間 | 1961年 - | ||||
配偶者 | バルベ・シュローデル | ||||
著名な家族 | パスカル・オジエ (娘) | ||||
主な作品 | |||||
『イルマ・ヴェップ』 | |||||
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来歴
1939年8月9日、ブローニュ=ビヤンクールでマリー=フランス・ティエランとして生まれる[3]。1960年代初めに演出家のマルク'Oと出会い[3]、舞台女優として活動する[3]。
1968年、マルク'Oが自身の舞台を映画化した『アイドルたち』の主演に起用され[4]、長編映画デビュー[5]。
翌1969年にはジャック・リヴェットの大作『狂気の愛』に主演[6]。以後、リヴェットの作品の常連となる[5]。
1971年に出演したアラン・タネールの『サラマンドル』での演技が高く評価され[5]、全米映画批評家協会女優賞にノミネートされた[7]。翌1972年にはルイス・ブニュエルの『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』に出演[8]。1974年にはリヴェットの『セリーヌとジュリーは舟でゆく』の脚本を共同で執筆[9]。1981年にはリヴェットの『北の橋』で娘のパスカル・オジエと共演した[10]。
1991年、グザヴィエ・ボーヴォワの『Nord』に出演し[11]、翌1992年にヨーロッパ映画賞の助演女優賞にノミネートされた[12]。1994年には『だれも私を愛さない!』の演技でロカルノ国際映画祭特別賞を受賞した[13]。1999年に出演した『エステサロン/ヴィーナス・ビューティ』では[14]、翌2000年のセザール賞で助演女優賞にノミネートされた[15]。
2006年にはマノエル・ド・オリヴェイラがルイス・ブニュエルの『昼顔』(1966年)の続編として製作した『夜顔』に出演し[16]、カトリーヌ・ドヌーヴが演じた役を務めた[5]。同年、モントリオール世界映画祭でアメリカ特別大賞を受賞した[17]。
2015年、『Boomerang』で5年ぶりに長編劇映画に出演した[18]。
一方で、舞台女優としても活動を続けており、マルグリット・デュラス作品や、クロード・レジ、パトリス・シェロー、リュック・ボンディらが演出した話題作に出演。2017年2月にはオデオン座制作の新作二人舞台「Un amour impossible」(クリスティーヌ・アンゴの同名小説の舞台化/セリー・ポト演出)でマリア・ド・メデイルシュと共演する。
主な出演作品
公開年 | 邦題 原題 | 役名 | 備考 |
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1968年 | アイドルたち Les idoles | 狂乱ジジ | |
1969年 | 狂気の愛 L'amour fou | クレア | 全米映画批評家協会女優賞ノミネート |
1971年 | サラマンドル La salamandre | ロズモンド | 全米映画批評家協会女優賞ノミネート |
アウト・ワン Out 1, noli me tangere | ポーリーヌ、エミリー | ||
1972年 | ラ・ヴァレ La vallée | ヴィヴィアーヌ | |
ブルジョワジーの秘かな愉しみ Le charme discret de la bourgeoisie | フロランス | ||
1974年 | アウト・ワン スペクトル Out 1: Spectre | ポーリーヌ、エミリー | |
ラ・パロマ La Paloma | イシドールの母 | ||
セリーヌとジュリーは舟でゆく Céline et Julie vont en bateau | カミーユ | 兼脚本 | |
マリアージュ Mariage | ジャニーン・ティエリー | ||
1976年 | デュエル Duelle, une quarantaine | ヴィヴァ | |
1981年 | 北の橋 Le pont du Nord | マリー | 兼脚本 |
マルグリット・デュラスのアガタ Agatha et les lectures illimitées | アガタ | ||
カンヌ映画通り Notre Dame de la Croisette | |||
1987年 | キャンディ・マウンテン Candy Mountain | コーネリア | |
1989年 | 彼女たちの舞台 La bande des quatre | コンスタンス | |
1994年 | だれも私を愛さない! Personne ne m'aime | フランソワーズ | ロカルノ国際映画祭特別賞受賞 |
天使が隣で眠る夜 Regarde les hommes tomber | ルイーズ | ||
1996年 | イルマ・ヴェップ Irma Vep | ミレーユ | |
1998年 | 悪魔の破片 Shattered Image | フォード夫人 | |
1999年 | 嘘の心 Au coeur du mensonge | イヴリン | |
エステサロン/ヴィーナス・ビューティ Vénus beauté (institut) | ナディーヌ | セザール賞助演女優賞ノミネート | |
2006年 | 夜顔 Belle toujours | セヴリーヌ・セルジー | |
2007年 | ランジェ公爵夫人 Ne touchez pas la hache | ブラモン=ショーヴリ妃 | |
2010年 | 汽車はふたたび故郷へ Chantrapas | カトリーヌ | |
ダニエル・シュミット―思考する猫 Daniel Schmid - Le chat qui pense | ドキュメンタリー | ||
2015年 | ミモザの島に消えた母 Boomerang | ブランシュ・レイ | |
Encore heureux | ルイーズ、マリーの母 | ||
脚注
- “ビュル・オジェ BULLE OGIER”. 2014年9月26日閲覧。
- “Bulle Ogier”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “OGIER BULLE (1939- )”. 2014年9月26日閲覧。
- “Les idoles (1968)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “ビュル・オジエ インタビュー”. 2014年9月26日閲覧。
- “L'amour fou (1969)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “National Society of Film Critics Awards, USA (1973)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “Le charme discret de la bourgeoisie (1972)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “Céline et Julie vont en bateau - Phantom Ladies Over Paris (1974)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “Le pont du Nord (1981)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “Nord (1991)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “European Film Awards (1992)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “Locarno International Film Festival (1994)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “Vénus beauté (institut) (1999)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “César Awards, France (2000)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “Belle toujours (2006)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “Montréal World Film Festival (2006)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “Boomerang (2015)”. IMDb. 2014年9月26日閲覧。
- “Pascale Ogier”. 2014年9月26日閲覧。
- “Bulle Ogier : Sa biographie”. 2014年9月26日閲覧。
外部リンク
- ビュル・オジエ - allcinema
- ビュル・オジエ - KINENOTE
- Bulle Ogier - IMDb(英語)
- Les Archives du Spectacle 舞台出演リスト