ビスポーク

ビスポークは、特定の指示に基づいて注文された何らかのものを指す、英語形容詞bespoke」の音写。ビスポークは、個々の購入者の注文なり、嗜好、使用目的などに合わせて、既存のものを改変したり、新調することを意味する[1]

関連する表現

  • 類義語には、「カスタムメイド (custom-made)」、「メイド・トゥ・オーダー (made to order)」などがある。また、和製英語の「オーダーメイド」は[2]、ビスポークより広義で用いる表現とされる[3]。自動車工業関連ではワンオフ(one off)という言葉が類似の用語として使われるが、藤壺技研工業は「ビスポーク(ワンオフ)」と称している[4]
  • 日本語では「誂え」(あつらえ)、「誂える」などと表現される。
  • 対義語には、「オフ・ザ・シェルフ (off-the-shelf)」、「レディ・トゥ・ウェア (ready-to-wear)」などがある。また、レディ・メイド、既製品(特に既製服)も対義語とされる[5]
  • 俗語/スラングの「モッディング (modding)」は、少々語義が異なるが、関連する表現である。これはいったん製造された製品にパーソナライゼーションを施すことをいう。

起源

単語としての「bespoke」は、「何かについて語る」という意味の動詞bespeak」に由来する。『オックスフォード英語辞典』(OED) に掲載されている1538年の初出例における意味は、「to speak for, to arrange for, engage beforehand: to ‘order’ (goods)(何かを求めて語る、何かを求めて調整する、予め関わる、商品を「注文」する)」となっている。形容詞の「bespoke」は、「ordered, commissioned, arranged for(注文された、指示された、何かを求めて調整された)」という意味で、1607年の初出とされている[6][7]

この言葉は、イギリス英語においてより頻繁に用いられ、例えば「bespoke jewellery」といった表現が見られる[8]アメリカ英語においては、「カスタム・カー (custom car)」(改造車)、「カスタム・バイク (custom motorcycle)」などのように「カスタム (custom)」がより頻繁に用いられる傾向がある。しかし、アメリカ英語においても、21世紀に入ってから「bespoke」の使用頻度が拡大しているとされており[9]、特に「ビスポーク・スーツ (bespoke suit) という表現が広まっている[10]

特定の使用例

一般的な言い回しとなっている例としては、次のようなものがある。

脚注

  1. Custom Cobbling”. Vanity Fair. vanityfair.com (2012年6月6日). 2015年11月16日閲覧。
  2. 【通じない英語】 オーダーメイド (order made)はネイティブが使わない和製英語”. Weblio (2015年2月13日). 2016年11月4日閲覧。
  3. フルオーダーとイージーオーダー、パターンオーダーの違い”. お誂え洋服たなか. 2016年11月4日閲覧。
  4. ビスポーク:Bespoke”. www.fashion-press.net. 2016年11月4日閲覧。
  5. “Bespeak”. The Oxford English Dictionary (Oxford University Press). (1909年)
  6. “Bespoken”. The Oxford English Dictionary (Oxford University Press). (1909年)
  7. Joye, Paula (2012年6月22日). Bespoke is the new black”. The Sydney Morning Herald. 2015年1月6日閲覧。
  8. Google Ngrams search, 'bespoke' in American English”. 2016年11月4日閲覧。
  9. Google Ngrams search, 'bespoke suit' in American English”. 2016年11月4日閲覧。

関連項目

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