バライロムクドリ

バライロムクドリ(薔薇色椋鳥、Sturnus roseus)は、スズメ目ムクドリ科に分類される鳥類の一種。学名の由来は体色から。モモイロハッカ(桃色八哥)とも呼ばれている。

バライロムクドリ
バライロムクドリ
(冬羽、インドハイデラバードにて)
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: ムクドリ科 Sturnidae
: ムクドリ属 Sturnus
: バライロムクドリ
S. roseus
学名
Sturnus roseus
(Linnaeus, 1758)
和名
バライロムクドリ
モモイロハッカ
英名
Rosy Starling
Rose-coloured Starling
Rose-coloured Pastor
Sturnus roseus

形態

全長19-22cm。雌雄はほぼ同色。

成鳥夏羽は頭から胸、翼と尾から下尾筒は黒色。頭部には青紫の光沢があり、翼と尾には緑色光沢がある。後頭部羽毛は長く、冠羽となる。背から腰にかけてと腹は桃色。これが薔薇色と呼ばれる所以である。嘴は桃色で基部は黒く、足も桃色を帯びている。

冬羽は夏羽と似るが、全体的に色が鈍くなり、冠羽も短い。

幼鳥は冠羽がなく、全体的に淡褐色で腹と腰は特に淡い。嘴は橙褐色で翼と尾、下尾筒は黒褐色で翼の各羽の羽縁の淡色が明瞭。

若鳥では頭部に黒い羽毛が生じる。

夏羽の雄(中央)、雌(前)、若鳥(奥)

分布

本種は中国西部や中央アジア乾燥地帯からヨーロッパ中南部にかけ分布している。越冬地はインド西アジアなど、繁殖地はウクライナトルコからイランアフガニスタンカザフスタン中国西北部にかけての地域である。

日本には稀な迷鳥として飛来する。石川県舳倉島[1]高知県高知市[2][3]鹿児島県出水市奄美大島[4]沖縄県沖縄本島石垣島宮古島与那国島東京都江戸川区[5]などで観察例がある。

生態

本種は群れで繁殖し、他のムクドリ類のように、大規模な越冬の群れを形成する。

昆虫を好む。

夕方、ねぐらにつく前に集まっている、
インドグジャラート州バドダラにて

日本で見られる場合、ムクドリ科の群中(ムクドリホシムクドリなど)で共に生活していることが多い。

鳴き声

地鳴きは「キュルリ」、「チッ」、「パーッ」など。

参考文献・脚注

  1. 1977年に記録
  2. 『高知市におけるバライロムクドリの越冬事例』佐藤 重穂(森林総合研究所四国支所)、高橋 徹,小林 靖英,橋田 晃浩(日本野鳥の会高知支部)
  3. 2009年3月に記録
  4. 出水市では2007年1月、奄美大島では2007年6月に記録
  5. 1994年11月?

関連項目

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