トヨタ・ブレビス
ブレビス(BREVIS)は、トヨタ自動車が2001年(平成13年)6月から2007年(平成19年)6月まで製造・販売していたセダン型の乗用車。
トヨタ・ブレビス JCG1#型 | |
---|---|
Ai250 エレガンスパッケージ 後期型 | |
Ai250 エレガンスパッケージ 後期型 | |
概要 | |
別名 | トヨタ・プログレ |
製造国 | 日本(愛知県豊田市) |
販売期間 | 2001年6月4日 - 2007年6月30日 |
設計統括 | 奥平総一郎 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアノッチバックセダン |
駆動方式 | 後輪駆動 / 四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
2JZ-FSE 3.0L 直6 直噴 DOHC 1JZ-FSE 2.5L 直6 直噴 DOHC |
最高出力 |
220ps / 5,600rpm 200ps / 6,000rpm |
最大トルク |
30.0kgm / 3,600rpm 25.5kgm / 3,800rpm |
変速機 | 5速(FR) / 4速AT(4WD) |
サスペンション | |
4輪ダブルウィッシュボーン | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,780mm |
全長 | 4,550mm |
全幅 | 1,720mm |
全高 | 1,460mm - 1,475mm |
車両重量 | 1,520kg - 1,550kg |
その他 | |
最小回転半径 | 5.1m |
生産台数 | 3万3411台[1] |
系譜 | |
後継 |
トヨタ・SAI ※事実上。ただし登場まで2年間の空白期間あり |
概要
「小さな高級車」と謳われたプログレ[2]の姉妹車として、2001年6月4日に発表。極めて保守的なエクステリア・インテリアであったプログレに対して、ブレビスは「ACTIVE ELEGANCE(アクティブ・エレガンス)」をキャッチコピーに躍動感と若々しさをアピールしており、全長+40mm・全幅+20mm・全高+15〜25mmとサイズもやや拡大されている。
エクステリアは3代目セルシオを彷彿とさせるダイナミックなもので、抑揚のあるフードバルジ、立体感を意識したリアコンビランプ、ハイ・ローには薄いゴールドリングをアクセントに配した丸型三連ヘッドランプなどのほか、全車標準装備のアルミホイールはプログレの15インチに対しクローム調16インチ[3]となり、さらにオプションや特別仕様車では17インチ[4]も選択可能であった。インテリアにおいても運転席周りは旧態依然としたプログレと大きく異なり、アクセントとしてオプティトロンメーターとデジタルクロックの背景にガラスグリーン照明が配され、本アルミ素材のセンタークラスター・オーディオパネル、ゲート式セレクターを採用した。
標準装備ないしオプション装備としてはエレクトロマルチビジョン、NAVI・AI-SHIFT制御付カーナビゲーション、レーダー/定速クルーズコントロール、高性能オーディオ、本革シート、ムーンルーフ、電動シート・ランバーサポート、電動リヤサンシェード、ブラインドコーナーモニター、ディスチャージヘッドランプ、ヒーター付レインクリアリングミラー、フルコンシールドワイパー、室内イルミネーションのほか、乗用車では世界初となる純正5.1ch対応のDVDシステム(「ブレビス・スーパーライブサウンドシステム」・8スピーカー)や、ドライバーに合わせてシートの前後上下位置やステアリング位置のみならず、両ペダルの前後位置(「パワーアジャスタブルペダル」・70mm可動)まで設定できる「パーソナルドライビングポジションシステム」などクラスを超えた先進的な装備であり、特に「パワーアジャスタブルペダル」は日本車のみならず世界的にも珍しいものであった。
エンジンはプログレ後期型と同様に、直列6気筒 2JZ-FSE 排気量3,000cc(Ai300)ないし 1JZ-FSE 2,500cc(Ai250)自然吸気直噴ガソリンエンジンを搭載。駆動方式はFR(Ai300・Ai250)ないし4WD(Ai250 Four)。安全装備はEBD付ABS、VSC、TRCを全車全グレードに(4WDであるAi250 FourはTRC非装備)、また前席サイドエアバッグ・前後席カーテンエアバッグはAi300が標準装備、Ai250・Ai250 Fourにオプション設定された。
しかしながら2007年6月、販売不振・車種整理の対象とされたため販売終了。6年の歴史に幕を下ろした[5]。要因として、保守的過ぎたエクステリア・インテリアのほか、同クラスの他のFRセダンとの差別化が図れず[6]、サイズの割にコストが掛かり高額であったこと[7]、当時は「小さな(国産)高級車」が受け入れられなかったことがあげられる。
プログレともども事実上の後継車はSAIであり、また本来の目標であったDセグメントないしプレミアムCセグメント相当であるメルセデス・ベンツ・CクラスやBMW・3シリーズに対抗するプレミアムコンパクトとしてはレクサスブランドのISが該当する。
- 前期型 Ai300 ターコイズマイカメタリック(776) フロント
- 前期型 シルバーメタリック(1C0) フロント
- 前期型 Ai250 ホワイトパールクリスタルシャイン(070) リア
- 前期型 Ai250 シルバーメタリック(1C0) リア
初代 JCG1#型(2001年-2007年)
- 2001年(平成13年)6月4日 - 発表(Ai300・Ai250)
- 10月 - 4WD追加(Ai250 Four)
- 2002年(平成14年)5月 - 特別仕様車「プレミアム(Ai250 プレミアム・Ai250 Four プレミアム)」追加。
- 2003年(平成15年)1月 - 特別仕様車「エレガンス(Ai250 エレガンス・Ai250 Four エレガンス)」追加。
- 6月 - 特別仕様車「プレミアム(Ai300 プレミアム)」追加。
- 2004年(平成16年)4月2日 - 一部改良。
- 2005年(平成17年)12月21日 - 一部改良。全車にG-BOOK対応ナビを標準装備。
- 2007年(平成19年)5月[9] - 生産終了。在庫のみの対応となる。
- 2007年(平成19年)6月30日 - 販売終了。
車名の由来
英語で「勇敢」を意味する「Brave」から取られた造語。フロントのエンブレムは勇敢さの象徴たる「ライオン(獅子)」を「B」の字に象ったものだが、右向きの動物は紋章学上縁起が良くないため左向き(鏡文字)となっている。
脚注
- デアゴスティーニジャパン「週刊日本の名車」第34号 5ページより。
- 1998年5月14日発表、2001年4月11日マイナーチェンジ、トヨペット店販売。
- 4WDは15インチ。
- 元はアルテッツァ用および11代目クラウン・アスリート用。
- プログレは9年。
- 2003年にクラウンが「ゼロ・クラウン」こと12代目に、2004年にマークIIがマークXに、2005年にアリストとアルテッツァがレクサスブランドのGSとISにそれぞれモデルチェンジした。これらはプラットフォームの刷新に加え、エンジンを直6のJZ系からV6のGR系へ転換し、デザインも大幅に若返りを図るなどの大変革を行った。
- ブレビスの新車価格は11代目クラウンロイヤルと同等であった。
- 「エレガンスパッケージ」を除く。
- “ブレビス(トヨタ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月14日). 2020年1月14日閲覧。
関連項目
- トヨタ・プログレ- 姉妹車
- Saturday In The Park(シカゴ) - テレビCMソング