ダービーシリーズ

ダービーシリーズは、日本地方競馬における企画であり、2023年まで地方競馬の8主催者の「ダービー」にあたる競走を短期集中開催されていたものである。[1]

2016年まではダービーWeek(ダービーウィーク)という名称だった。

概要

2006年に創設された企画で、この年はダービーウイーク運営企画協議会(ホッカイドウ競馬岩手県競馬組合特別区競馬組合愛知県競馬組合兵庫県競馬組合佐賀県競馬組合全国公営競馬主催者協議会地方競馬全国協会(NAR))の主催、フサイチ・ドリーム・オペレーションオッズパーク日本酪農乳業協会(J-MILK)・社台スタリオンステーションの4社の協賛により実施された[2]

6月上旬(年によっては5月下旬も)に実施されるダービーシリーズの各競走は、7月に施行される中央地方交流競走のジャパンダートダービーJpnI)に向けての競走としても位置づけられ、対象8競走(参加競走は後述)のうち東京ダービー(従前より2着までの馬に優先出走権が与えられる)を除く7競走は、ジャパンダートダービーの指定競走に指定されており、それぞれの競走で1着となった馬は同一地区内の他の馬に優先してジャパンダートダービー出走馬に選定される[2]。各対象競走をジャパンダートダービーに繋がる競走とすることで、各地のダービーの価値をより高め夢のある競走に育てること、また競馬ファンにとっても当企画をダービーの続く特別な一週間とするとともに、全国のダービーを見てもらいやすくすることを目指すとしている[1]

なおこのダービーWeek創設により現行の地方競馬のイベントだったゴールデンドリームシリーズサマードリームシリーズファイナルドリームシリーズ2005年を最後に廃止された。

2017年からは従来の6競走に加えて石川ダービー石川県競馬事業局)・高知優駿高知県競馬組合)の2レースが加わり、ダービーシリーズに名称が変更された。

施行日については変遷があるものの(後述)、該当競走施行日が連続していなかった2006年から2007年とは異なり、2008年は連続6日間の施行とされた[3]。またダービーシリーズ(week)の開幕レースである「九州ダービー栄城賞」は、中央競馬の春の祭典とされている日本ダービーの開催日に合わせて行われている。

またファンファーレはダービーWeek専用の物が使用されており、2006年の初開催時よりボブ佐久間作曲によるファンファーレが利用されていた[4]。2010年より大須賀達也福見吉朗作曲によるファンファーレの利用を開始した[5]

なお、東海ダービーと石川ダービー、北海優駿ではゼッケンが当地の重賞競走で使用されるものと異なり、JRAの日本ダービーに倣い白地に黒文字の専用ゼッケンが使用されている。

2022年に、JRA・NARが合同で、2024年からの「3歳ダート三冠」として[6][7]、現行の南関東三冠(羽田盃東京ダービージャパンダートクラシック(現・ジャパンダートダービー)[8])をそのまま全国統一ダートグレードJpnⅠに格付けることになり、東京ダービーはその全国ダート三冠の第2戦目として位置づけられることが発表された。

対象競走

  • 施行条件等は2023年のものによる。
  • 順序は2023年の施行日による(施行日そのものは施行日節を参照)。
  • コースはすべてダート
競走名競馬場格付け距離1着賞金備考
九州ダービー栄城賞 佐賀重賞2,000m2,000万円かつては九州・四国交流競走だった。
2017年まではS1に格付けされていた。
東海ダービー 名古屋SPI2,100m1,000万円かつては東海・北陸・中国交流競走だった。
2021年までは1,900m、2022年は2,000mで施行。
2004年までは名古屋優駿としてダートグレード競走で施行されていた。格付はGII(統一GII)。
東京ダービー 大井SI2,000m5,000万円
東北優駿(岩手ダービー) 水沢M12,000m1,000万円2006年から2018年までは「岩手ダービーダイヤモンドカップ」が対象競走であった。
2020年は盛岡競馬場2,000mで施行。
兵庫ダービー 園田 重賞I 1,870m 2,000万円 2009年は姫路競馬場1,800mで施行。
2010年は姫路競馬場2,000mで施行。
北海優駿(ダービー) 門別 H1 2,000m 1,000万円 地方競馬全国交流競走(2010年より)。
2006年のみ「札幌ダービー北斗盃」が対象競走であった(札幌競馬場1,700mで施行、同年の格付けはH1)。
2007年から2008年は旭川競馬場1,600mで施行。
高知優駿 高知重賞1,900m1,600万円地方競馬全国交流競走。
石川ダービー 金沢 重賞 2,000m 700万円 2004年まで実施された北日本ダービーを復活させる形で2017年より新設。

施行日

ダービーWeek
対象年九州岩手北海東京兵庫東海期間中施行のない日
2006年 6月4日6月11日6月6日6月7日6月8日6月9日6月5日、10日
2007年 6月3日6月10日6月5日6月6日6月7日6月8日6月4日、9日
2008年 6月1日6月2日6月3日6月4日6月5日6月6日なし
2009年 5月31日6月1日6月2日6月3日6月4日6月5日
2010年 5月30日5月31日6月1日6月2日6月3日6月4日
2011年 6月6日6月13日6月7日6月8日6月9日6月10日6月11日、12日
2012年 6月1日6月4日6月5日6月6日6月7日6月8日6月2日、3日
2013年 5月31日6月3日6月4日6月5日6月6日6月7日6月1日、2日
2014年 6月1日6月2日6月3日6月4日6月5日6月6日なし
2015年 5月31日6月1日6月2日6月3日6月4日6月5日
2016年 5月29日6月6日5月31日6月8日6月16日6月7日5月30日、6月1〜5日、9〜15日
ダービーシリーズ
対象年九州岩手北海東京兵庫東海高知石川
2017年 5月28日6月11日6月1日6月7日6月15日6月6日6月18日6月20日
2018年 5月27日6月10日6月20日6月6日6月7日6月5日6月17日5月29日
2019年 5月26日6月9日6月19日6月5日6月6日6月11日6月16日6月4日
2020年 5月31日6月7日6月18日6月3日6月11日6月9日6月14日6月2日
2021年 5月30日 6月13日 6月17日 6月9日 6月10日 6月15日 6月20日 5月25日
2022年 5月29日6月14日6月16日6月8日6月9日6月7日6月12日6月21日
2023年 5月28日6月11日6月15日6月7日6月14日5月31日6月18日6月27日

スタリオン賞

2007年より(東京ダービーは2011年より)社団法人JBC協会の協力のもと、副賞として指定された種牡馬の翌年の種付け権利が優勝馬の馬主に与えられる。2007年は急場で決まったため統一性が図られなかったが、2008年は前もっての計画であったので全て日本ダービーの優勝馬の種付け権利となっている。

ダービーWeek
対象年九州ダービー
栄城賞
岩手ダービー
ダイヤモンドカップ
北海優駿
(ダービー)
東京ダービー兵庫ダービー東海ダービー
2007年 マヤノトップガンアドマイヤドンバブルガムフェローゴールドアリュールフサイチコンコルド
2008年 タニノギムレットジャングルポケットフサイチコンコルドスペシャルウィークネオユニヴァース
2009年 デュランダルキングヘイローグラスワンダーメイショウサムソンタイキシャトル
2010年 ディープスカイ
2011年 マツリダゴッホハービンジャーキングヘイロー
2012年 ネオユニヴァース
2013年 メイショウサムソンディープブリランテダノンシャンティ
2014年 キンシャサノキセキディープスカイエイシンフラッシュ
2015年 ナカヤマフェスタ
2016年 ダノンシャンティネオユニヴァースヴィクトワールピサゼンノロブロイシンボリクリスエス
ダービーシリーズ
対象年九州ダービー
栄城賞
岩手ダービー
ダイヤモンドカップ

東北優駿
(岩手ダービー)
北海優駿
(ダービー)
東京ダービー兵庫ダービー東海ダービー高知優駿石川ダービー
2017年 ディープブリランテネオユニヴァースエイシンフラッシュハービンジャーゼンノロブロイジャングルポケットダノンシャンティスピルバーグ
2018年 コパノリッキーイスラボニータエイシンフラッシュサトノアラジンエスポワールシチー
2019年 ブラックタイドリアルスティール
2020年 アジアエクスプレスニューイヤーズデイホッコータルマエロジャーバローズ
2021年 ルヴァンスレーヴ
2022年 スワーヴリチャードクリソベリルダノンキングリージャスタウェイ
2023年 グレーターロンドンサリオス

結果

出典

  1. 各レース&競馬場紹介”. 地方競馬情報サイト. 地方競馬全国協会. 2010年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月1日閲覧。
  2. TOPICS-2006”. 地方競馬情報サイト. 地方競馬全国協会 (2006年5月9日). 2015年6月1日閲覧。
  3. ダービーウイークとは?”. 2008ダービーウイーク. 地方競馬全国協会. 2015年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月1日閲覧。
  4. ダービーWeekイベント情報”. 地方競馬全国協会 (2006年5月23日). 2015年6月1日閲覧。
  5. ダービーウイークプロモーション着々進行中”. 地方競馬全国協会 (2010年4月30日). 2015年6月1日閲覧。
  6. 地方競馬情報サイト 3歳ダート三冠競走を中心とした2・3歳馬競走の体系整備について - 地方競馬情報サイト、2023年6月10日閲覧
  7. 3歳ダート三冠競走を中心とした2・3歳馬競走の体系整備(日本中央競馬会)
  8. 基からジャパンダートダービーはJRA・地方他地区にも開放された全国統一ダートJpnⅠの指定競走であった。また2001年までは東京王冠賞が南関東所属馬限定の競走であったため、「南関東四冠」と称されていた。

関連項目

外部リンク

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