タワー・オブ・パワー

タワー・オブ・パワーTower of Power)は、アメリカファンクR&Bバンドバリトンサックスをフィーチャーした重厚なホーンセクションが大きな特徴である。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのバックで活動していた頃は、タワー・オブ・パワー・ホーンズとも呼ばれていた。

タワー・オブ・パワー
Tower of Power
タワー・オブ・パワー(2008年)
基本情報
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 カリフォルニア州オークランド
ジャンル
活動期間 1968年 -
レーベル
公式サイト towerofpower.com
メンバー
旧メンバー 下記参照

略歴

テナーサックス奏者のエミリオ・カスティーヨとバリトンサックス奏者のステファン"ドク"クプカが中心になってカリフォルニア州オークランドで結成。その後活動の拠点をサンフランシスコに移し、1970年にデビューした。

1973年のアルバム『タワー・オブ・パワー』収録の「ホワット・イズ・ヒップ?」によってバンドはその名が知られることとなる。重厚なホーンセクションのみならず、ベースフランシス“ロッコ”プレスティアドラムのデイヴィッド・ガリバルディによる16ビートを駆使した強力なリズムセクション、ソウルフルなバラードも彼らの持ち味であった。

1974年末に来日した時には、かまやつひろしの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」や、RCサクセションのアルバム『シングル・マン』のバックをつとめた[1]1975年には朱里エイコバックをつとめて、シングルが発売された。

メンバーチェンジを繰り返しながらも1970年代はコンスタントにアルバムを発表していたが、1980年代前半はレコード会社との契約がなく不遇を託っていた。しかし1980年代半ばに大人気となったサンフランシスコ出身のヒューイ・ルイス&ザ・ニュースがホーンセクションとして彼らを起用したことで再び注目が集まり、1987年に復活アルバムを発表する。また同年、中村あゆみのアルバム『Smalltown Girl』にもホーンセクションとして参加。

1990年代は1970年代のファンク・ミュージックが再評価されたことで、彼らはいわゆる「リスペクト」の対象となり、定期的にアルバムを発表した。現在も主にライブで活動中。たびたび来日公演も行なっている。

メンバー

現在のメンバー

  • エミリオ・カスティーヨ (Emilio Castillo) - テナーサックスボーカル (1968年– )
  • ステファン"ドク"クプカ (Stephen "Doc" Kupka) - バリトンサックス (1968年- )
  • デイヴィッド・ガリバルディ (David Garibaldi) - ドラムパーカッション (1968年-1975年、1979年-1981年、1998年- )
  • ロジャー・スミス (Roger Smith) - キーボード、バック・ボーカル (1998年- )
  • アドルフォ・アコスタ (Adolfo Acosta) - トランペットフリューゲルホルン (2000年- )
  • トム・ポリッツァー (Tom E. Politzer) - テナーサックス (2002年- )
  • ジェリー・コルテス (Jerry Cortez) - ギター、バック・ボーカル (2010年- )
  • サル・クラキオーロ (Sal Cracchiolo) - トランペット (2011年- )
  • マーク・ヴァン・ヴァーヘニンゲン (Marc van Wageningen) - ベース (2018年- )

旧メンバー

少なくとも60人のミュージシャンが、50年の歴史の中でバンドとしてツアーまたはレコーディングを行っている。その中には、現在の『サタデー・ナイト・ライブ』の音楽ディレクターでサックス奏者のレニー・ピケット、伝説のファンク・ベーシストであるフランシス"ロッコ"プレスティア、オルガン・マスターのチェスター・トンプソン、サックス奏者のリチャード・エリオットやユージ・グルーヴ、ギタリストのブルース・コンテなどが含まれている。

ビクター・コンテはブルース・コンテの従兄弟であり、1977年から1979年までバンドのベーシストを務めた。彼はヴィト・サン・フィリッポの後任となった。

元リード・ボーカリストのリック・スティーヴンス(本名ドナルド・スティーヴンソン)は、バンド脱退後に罪を犯し、麻薬取引の失敗に関連した3度にわたる第1級殺人罪により懲役刑を宣告された。スティーヴンスは、36年にわたって刑務所に収容された後、2012年7月20日に仮釈放された。ガンとの戦いの末、2017年9月5日、77歳で亡くなっている。

ブルース・コンテは1973年にリード・ギター担当としてバンドに参加し、1979年に脱退した。彼は、フィリピンのセブに移住する前に、2006年に復帰し、14か月間ツアーを行った。2012年に、ブルースは白血病と闘っていると発表した。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

  • 『イースト・ベイ・グリース』 - East Bay Grease (1970年)
  • 『バンプ・シティ』 - Bump City (1972年)
  • 『タワー・オブ・パワー』 - Tower of Power (1973年) ※米国ゴールドディスク
  • 『バック・トゥ・オークランド』 - Back to Oakland (1974年)
  • 『オークランド・ストリート』 - Urban Renewal (1975年) ※米国22位
  • 『イン・ザ・スロット』 - In the Slot (1975年)
  • 『夜の賭博師』 - Ain't Nothin' Stoppin' Us Now (1976年)
  • 『オークランド・スタジアム』 - We Came to Play! (1978年)
  • 『バック・オン・ザ・ストリート』 - Back on the Streets (1979年)
  • 『ダイレクト』 - Direct (1981年)
  • TOP (1986年) ※ヨーロッパ限定リリース
  • 『パワー』 - Power (1987年) ※上記アルバムの米国盤
  • 『モンスター・オン・ア・リーシュ』 - Monster on a Leash (1991年)
  • 『T.O.P.』 - T.O.P. (1993年)
  • 『ソウルド・アウト』 - Souled Out (1995年)
  • 『リズム・アンド・ビジネス』 - Rhythm & Business (1997年)
  • Dinosaur Tracks (1999年) ※1980年–1983年録音
  • 『オークランド・ゾーン』 - Oakland Zone (2003年)
  • 『アメリカン・ソウルブック』 - The Great American Soulbook (2009年)
  • 『ソウル・サイド・オブ・タウン』 - Soul Side of Town (2018年)
  • 『ステップ・アップ』 - Step Up (2020年)[4]

ライブ・アルバム

  • 『ベスト・ライヴ』 - Live And In Living Color (1976年)
  • 『ソウル・ヴァクシネイション』 - Soul Vaccination: Live (1999年)
  • The East Bay Archive Volume 1 (2008年) ※1973年4月、マサチューセッツ州ボストン、K-K-K-Katy's録音
  • 『ライヴ・アット・フィルモア - 結成40周年記念ライヴ』 - 40th Anniversary: The Fillmore Auditorium, San Francisco (2011年)
  • 『ヒッパー・ザン・ヒップ ライヴ・イン・ザ・スタジオ74』 - Hipper Than Hip: Yesterday, Today & Tomorrow (Live On The Air & In The Studio 1974) (2013年)[4]

コンピレーション・アルバム

  • Funkland (1974年)
  • 『タワー・オブ・パワー・アンソロジー!』 - What is Hip? The Tower of Power Anthology (1999年)
  • 『ヴェリー・ベスト・オブ・タワー・オブ・パワー』 - The Very Best of Tower of Power: The Warner Years (2001年)
  • 『ソウル・ウィズ・ア・キャピタル“S”- ザ・ベスト・オブ・タワー・オブ・パワー』 - Soul With a Capital "S" - The Best of Tower of Power (2002年)
  • Havin' Fun (2003年)
  • What is Hip and Other Hits (2003年)[4]
  • 『ユー・オートゥ・ビー・ハヴィン・ファン コロムビア&エピック・アンソロジー』 - You Ought To Be Havin' Fun (The Columbia/Epic Anthology (2018年)

映像作品

  • Credit (1986年) ※バンド初のミュージック・ビデオ。アルバム『Power』のプロモーション
  • 『タワー・オブ・パワー・イン・コンサート』 - Tower of Power in Concert (2003年) ※デヴィッド・ガリバルディ復帰後の1998年、Ohne Filterでのライブ収録
  • 『スーパーファンク・ライヴ 2005』 - Live from Leverkusen (2007年) ※2005年11月収録
  • 『ライヴ・アット・フィルモア - 結成40周年記念ライヴ』 - 40th Anniversary (Live) (2011年) ※2008年収録[5]
  • Look In My Eyes (2020年) ※30年ぶりとなるミュージック・ビデオ。アルバム『Step Up』のプロモーション

脚注

出典

  1. 山口隆対談集『叱り叱られ』(幻冬舎)P.195
  2. Rufus Miller Home”. Rufus Miller and Kathryn Branch. 2014年12月30日閲覧。
  3. Rick Stevens Home”. Rick Stevens. 2017年9月5日閲覧。
  4. Tower of Power Discography”. AllMusic. AllMusic. 2017年6月29日閲覧。
  5. Discography”. Tower of Power. Tower of Power. 2016年1月18日閲覧。

外部リンク

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.