イーゾラ・デル・ジリオ
イーゾラ・デル・ジリオ(イタリア語: Isola del Giglio)は、イタリア共和国トスカーナ州グロッセート県にある、人口約1,400人の基礎自治体(コムーネ)。ティレニア海に浮かぶジリオ島(イーゾラ・デル・ジリオ)と、その属島からなる。
イーゾラ・デル・ジリオ Isola del Giglio | |
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行政 | |
国 | イタリア |
州 | トスカーナ |
県/大都市 | グロッセート |
CAP(郵便番号) | 58012 (Tutta l'Isola) |
市外局番 | 0564 |
ISTATコード | 053012 |
識別コード | E348 |
分離集落 | #分離集落参照 |
隣接コムーネ | |
気候分類 | zona D, 2084 GG |
公式サイト | リンク |
人口 | |
人口 | 1,436 [1] 人 (2017-01-01) |
人口密度 | 60.3 人/km2 |
文化 | |
住民の呼称 | gigliesi |
守護聖人 | san Mamiliano |
祝祭日 | 9月15日 |
地理 | |
座標 | 北緯42度21分56秒 東経10度54分06秒 |
標高 | 405 (0 - 496) [2] m |
面積 | 23.80 [3] km2 |
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グロッセート県におけるコムーネの領域 (ジャンヌートリ島は示されていない) | |
ポータル イタリア |
ジリオ島は、自然と史跡に恵まれたリゾート地として知られる。2012年1月にはコスタ・コンコルディアの座礁事故が発生した。
名称
島の名は、もともとラテン語で「羊の島」アエギリウム(Aegilium)と呼んでいたものが変化したものであるが、ジリオ(giglio)はイタリア語で「ユリ」を意味する。ユリはかつてこの島を治めていたフィレンツェの紋章でもある。
地理
位置・広がり
島としてのジリオ島(イーゾラ・デル・ジリオ)は、ティレニア海のトスカーナ群島に属する7つの島のうちのひとつ。本土で最も近いモンテ・アルジェンターリオの海岸からは、西へ約14km離れている。ジリオ島の南東約16kmにはジャンヌートリ島が、西約45kmにはモンテクリスト島がある。
コムーネとしてのイーゾラ・デル・ジリオは、ジリオ島とジャンヌートリ島(人口約100人)からなっている。グロッセート県では最も南に位置するコムーネで、県都グロッセートの南南西約49km、州都フィレンツェの南約160km、チヴィタヴェッキアの西北西約79km、首都ローマの西北西約140kmの距離にある。[4]
地勢
ジリオ島はほとんどが花崗岩からなり、地形は山がちである。島の最高峰は Poggio della Pagana(496 m)。岩がちな海岸線の延長は27kmで、いくつかの入り江(Arenella、Cannelle、Caldane、Campese)がある。
ジリオ島はトスカーナ群島国立公園 (it:Parco nazionale dell'Arcipelago Toscano) に含まれ、豊かな生態系に恵まれている。島の90%は地中海性森林 (en) であり、広大なマツ林が広がっている。
島の平滑な崖には多くのブドウ畑があり、ここで栽培される「ヴィーノ・アンソナコ」(Vino Ansonaco)と呼ばれる品種のブドウからは島特産のワインが生産されている。
行政
分離集落
コムーネとしてのイーゾラ・デル・ジリオには4つの地区(分離集落、フラツィオーネ)があり、ジリオ島は3つの地区に分けられる。
- ジャンヌートリ(Isola di Giannutri)
- ジリオ・カステッロ(Giglio Castello)
- ジリオ・ポルト(Giglio Porto)
- ジリオ・カンペーゼ(Giglio Campese)
島の東海岸にあるジリオ・ポルト(Giglio Porto)は、島の玄関となるジリオ港を擁している。Chiesa や Moletto、Saraceno といった集落はこの地区に属する。島の西北、最大の入り江であるカンペーゼ湾に面したジリオ・カンペーゼ(Giglio Campese)は、近代的な海岸リゾート地区となっている。島の中央、ポルトとカンペーゼの中間の丘の上にあるジリオ・カステッロ(Giglio Castello)は、古い城砦都市である。この地区にはCasamatta、Centro、Cisterna、Rocca といった集落が属する。
- ジリオ・ポルト
- ジリオ・カステッロ
- ジリオ・カンペーゼ
- ジリオ島。右下が北。
- ジリオ島の斜面と海
- ジャンヌートリ島
歴史
中世・近世
805年、カール大帝によってローマのトレ・フォンターネ修道院に寄進された。その後、島はアルドブランデスキ家、カエターニ家、オルシーニ家といった有力貴族や、ペルージャ市の統治下におかれた。1241年、シチリア王国のフェデリーコ1世(神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世)はジェノヴァの艦隊を打ち破っている。1264年からはピサ市の領有となり、その後メディチ家の領地となった。島はたびたびイスラム教徒の侵攻を受けており、最後のものは1799年であった。
近代・現代
2012年1月13日、島の東岸ジリオ・ポルト(ジリオ港)の沖合で、豪華客船コスタ・コンコルディアが座礁・転覆する事故が発生した(コスタ・コンコルディアの座礁事故参照)。
社会
経済・産業
主要な産業は観光業である。島は自然に恵まれ、多様な動植物がみられる。海洋の生物相も豊かであり、スキューバダイビングのポイントとしても知られている。
原産地統制呼称(DOP)ワインである「アンソニカ・コスタ・デッラルジェンタリオ」 (it:Ansonica Costa dell'Argentario) の産地である。このワインは、このコムーネ(およびモンテ・アルジェンターリオ)で栽培される「ヴィーノ・アンソナコ」(Vino Ansonaco)から生産される。
人口推移
交通
- ジリオ港(ジリオ・ポルト)
本土(モンテ・アルジェンターリオ)のサント・ステーファノ港 (it:Porto Santo Stefano) との間に、ナヴィガツィイオーネ・マレジリオ社(compagnie di navigazione Maregiglio)とトレマール社 (Toremar) がフェリーを運航している。
2004年4月21日からは交通量の調節のため、島を車両で訪れる場合には交通大臣の発行した書類が必要である。
文化・観光・施設
分離集落Giglio Castelloは、「イタリアの最も美しい村」クラブの加盟メンバーである。
カンペーゼの塔 (it:Torre del Campese) など、中世に海沿いに築かれたいくつかの塔がある。
- カステッロの市街
- カンペーゼの塔
- Spiaggia delle Cannelle
脚注
- 国立統計研究所(ISTAT). “Total Resident Population on 1st January 2017 by sex and marital status” (英語). 2018年9月6日閲覧。
- 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Popolazione residente - Grosseto (dettaglio loc. abitate) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2013年3月30日閲覧。
- 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Superficie territoriale (Kmq) - Grosseto (dettaglio comunale) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2013年3月30日閲覧。
- “地図上で2地点の方角・方位、距離を調べる”. 2018年9月6日閲覧。
外部リンク
- コムーネ公式サイト (イタリア語)