シックス・ネイションズ

シックス・ネイションズSix Nations6カ国対抗)は、ヨーロッパの6カ国が参加する国際ラグビーユニオン大会。ビールメーカーギネスが冠スポンサーのためギネス・シックス・ネイションズとして開催されている。毎年2月から3月にかけて、総当たり戦(全15試合)を行う。次の年はホームとアウェイが入れ替わる。

シックス・ネイションズ
最新のシーズン・大会:
2023年シックス・ネイションズ・チャンピオンシップ
スポーツ ラグビーユニオン
創設 1883 (ホーム・ネイションズとして)
1910 (ファイブ・ネイションズとして)
2000 (シックス・ネイションズとして)
チーム数 6
国数  イングランド
 フランス
 アイルランド
 イタリア
 スコットランド
 ウェールズ
最新優勝者  フランス (2022)
最多優勝者  イングランド(39回)& ウェールズ(39回)
ウェブサイト https://www.sixnationsrugby.com/

歴史

1871年スコットランドイングランドの間で、史上初のテストマッチ(国代表チーム同士の正式な対戦)が行われた。次いで1875年にはアイルランド1881年にはウェールズの代表チームが初めて結成され、それぞれイングランドとの間で最初のテストマッチを戦った。

まもなく、これら4カ国の間では、毎年ほぼ総当たりでテストマッチが行われるようになったため、総合成績によって順位を決めるようになった。1882年から1883年にかけてアイルランド対ウェールズ戦を除くすべてのカードが開催され、イングランドが3戦全勝したのが第1回大会とされている。

1910年からフランスが大会に加わり、大会は「ファイブ・ネイションズ5カ国対抗)」と呼ばれるようになった。フランスはアマチュアリズムに反して選手に報酬を支払ったとされたため、1932年に大会から除外され、4カ国による開催に戻った。1940年から第二次世界大戦のため中止。1947年に再開され、同時にフランスも復帰した。2000年からイタリアの参加に伴って、現在の大会名に変更された。

2020年にはCOVID19 (新型コロナウイルス感染症)の影響で、アイルランドvsイタリア (Rd.4)、ウェールズvsスコットランド、イタリアvsイングランド、フランスvsアイルランド (Rd.5)の4試合が延期となった。

賞・トロフィー

グランドスラムとトリプルクラウン

全勝優勝をグランドスラムホーム・ネイションズ(イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズ)の中での全勝をトリプルクラウンと呼ぶ。

関連するトロフィー

シックス・ネイションズの大会と同時に2国間で争われるトロフィーが存在する。

トロフィーチーム創設年備考
カルカッタカップイングランドとスコットランド1879[1]1878年に解散したインドのチーム「カルカッタ・フットボール・クラブ」が、保有していたルピー銀貨を溶かしてカップを作り、イングランドラグビー協会に寄贈したことに由来する。
ミレニアム・トロフィーイングランドとアイルランド1988988年にヴァイキングがダブリンに入植してから1000年を記念し1988年から開始された[2]
センテナリー・クウェイクアイルランドとスコットランド1989[3][4][5]
ジュゼッペ・ガリバルディ・トロフィーイタリアとフランス2007ジュゼッペ・ガリバルディの生誕200年を記念し2007年に創設された。
オールドアライアンストロフィーフランスとスコットランド2018両国の代表選手が数多く命を落とした第一次世界大戦の終結から100年を記念し2018年に創設された。
ドッディ・ウィアーカップスコットランドとウェールズ2018運動ニューロン病を患っていることを公表し、運動ニューロン病患者とその家族をサポートする基金を立ち上げた元ラグビースコットランド代表選手のドッディ・ウィアーを記念し創設された。
クッティッタ・カップイタリアとスコットランド2022イタリア代表のキャプテンとスコットランドのスクラムコーチを務め、2021年に54歳で新型コロナウイルスにより亡くなったマッシモ・クッティッタを記念し創設された。

会場

ラグビーユニオンの大会で使用される国立競技場

2021年の大会では次の会場で開催された。

チームスタジアム場所収容人数
イングランドトゥイッケナム・スタジアムロンドン82,000
フランススタッド・ド・フランスサン=ドニ81,338
ウェールズミレニアム・スタジアムカーディフ73,931
イタリアスタディオ・オリンピコローマ72,698
スコットランドマレーフィールド・スタジアムエディンバラ67,144
アイルランドアビバ・スタジアムダブリン51,700

結果

全期間

2023年3月18日現在

 
イングランド

フランス

アイルランド

イタリア

スコットランド

ウェールズ
試合数1259212722127127
単独優勝 (カッコ内は同時優勝)
ホーム・ネイションズ5 (4)N/A4 (4)N/A10 (3)7 (4)
ファイブ・ネイションズ17 (6)12 (8)6 (5)N/A5 (6)15 (8)
シックス・ネイションズ765006
合計29 (10)18 (8)15 (9)0 (0)15 (9)28 (12)
グランドスラム(全勝優勝)
ホーム・ネイションズ0N/A0N/A02
ファイブ・ネイションズ1161N/A36
シックス・ネイションズ243004
合計141040312
トリプルクラウン(ホーム・ネーションズ(英4か国)中での全勝)
ホーム・ネイションズ5N/A2N/A76
ファイブ・ネイションズ16N/A4N/A311
シックス・ネイションズ5N/A7N/A05
合計26N/A13N/A1022
ウドゥン・スプーン(最下位チーム賞)
ホーム・ネイションズ7N/A10N/A56
ファイブ・ネイションズ101215N/A1510
シックス・ネイションズ0101741
合計171325182417

ホーム・ネイションズ (1883–1909)

開催 優勝 グランドスラム トリプルクラウン カルカッタカップ
1883  イングランド 争われず  イングランド  イングランド
1884  イングランド  イングランド  イングランド
1885 決定できず 決定できず
1886  イングランド  スコットランド
1887  スコットランド
1888 決定できず イングランド不参加
1889 決定できず イングランド不参加
1890  イングランド  スコットランド  イングランド
1891  スコットランド  スコットランド  スコットランド
1892  イングランド  イングランド  イングランド
1893  ウェールズ  ウェールズ  スコットランド
1894  アイルランド  アイルランド  スコットランド
1895  スコットランド  スコットランド  スコットランド
1896  アイルランド  スコットランド
1897 決定できず 決定できず  イングランド
1898 決定できず 決定できず
1899  アイルランド  アイルランド  スコットランド
1900  ウェールズ  ウェールズ
1901  スコットランド  スコットランド  スコットランド
1902  ウェールズ  ウェールズ  イングランド
1903  スコットランド  スコットランド  スコットランド
1904  スコットランド  スコットランド
1905  ウェールズ  ウェールズ  スコットランド
1906  アイルランド  ウェールズ  イングランド
1907  スコットランド  スコットランド  スコットランド
1908  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  スコットランド
1909  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  スコットランド

ファイブ・ネイションズ (1910–1931)

開催 優勝 グランドスラム トリプルクラウン カルカッタカップ
1910  イングランド  イングランド
1911  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  イングランド
1912  アイルランド  イングランド  スコットランド
1913  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド
1914  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド
1915–19 第一次世界大戦のため不開催
1920  スコットランド  ウェールズ  イングランド  イングランド
1921  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド
1922  ウェールズ  イングランド
1923  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド
1924  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド
1925  スコットランド  スコットランド  スコットランド  スコットランド
1926  アイルランド  スコットランド  スコットランド
1927  アイルランド  スコットランド  スコットランド
1928  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド
1929  スコットランド  スコットランド
1930  イングランド
1931  ウェールズ  スコットランド

ホーム・ネイションズ (1932–1939)

開催 優勝 グランドスラム トリプルクラウン カルカッタカップ
1932  イングランド  アイルランド  ウェールズ  イングランド
1933  スコットランド  スコットランド  スコットランド
1934  イングランド  イングランド  イングランド
1935  アイルランド  スコットランド
1936  ウェールズ  イングランド
1937  イングランド  イングランド  イングランド
1938  スコットランド  スコットランド  スコットランド
1939  イングランド,  アイルランド,  ウェールズ  イングランド

ファイブ・ネイションズ (1940–1999)

開催 優勝 グランドスラム トリプルクラウン カルカッタ
カップ
ミレニアム
トロフィー
センテナリー
クウェイク
1940–46 第二次世界大戦のため不開催 争われず
1947  イングランド  ウェールズ  イングランド
1948  アイルランド  アイルランド  アイルランド  スコットランド
1949  アイルランド  アイルランド  イングランド
1950  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  スコットランド
1951  アイルランド  イングランド
1952  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  イングランド
1953  イングランド  イングランド
1954  イングランド  フランス  ウェールズ  イングランド  イングランド
1955  フランス  ウェールズ  イングランド
1956  ウェールズ  イングランド
1957  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド
1958  イングランド
1959  フランス
1960  イングランド  フランス  イングランド  イングランド
1961  フランス  イングランド
1962  フランス
1963  イングランド  イングランド
1964  スコットランド  ウェールズ  スコットランド
1965  ウェールズ  ウェールズ
1966  ウェールズ  スコットランド
1967  フランス  イングランド
1968  フランス  フランス  イングランド
1969  ウェールズ  ウェールズ  イングランド
1970  フランス  ウェールズ  スコットランド
1971  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  スコットランド
1972 決定できず  スコットランド
1973  イングランド  フランス  アイルランド
 スコットランド  ウェールズ
 イングランド
1974  アイルランド  スコットランド
1975  ウェールズ  イングランド
1976  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  スコットランド
1977  フランス  フランス  ウェールズ  イングランド
1978  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  イングランド
1979  ウェールズ  ウェールズ
1980  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド
1981  フランス  フランス  イングランド
1982  アイルランド  アイルランド
1983  フランス  アイルランド  スコットランド
1984  スコットランド  スコットランド  スコットランド  スコットランド
1985  アイルランド  アイルランド  イングランド
1986  フランス  スコットランド  スコットランド
1987  フランス  フランス  イングランド
1988  フランス  ウェールズ  ウェールズ  イングランド
1989  フランス  イングランド  スコットランド
1990  スコットランド  スコットランド  スコットランド  スコットランド  イングランド  スコットランド
1991  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  スコットランド
1992  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  スコットランド
1993  フランス  イングランド  アイルランド  スコットランド
1994  ウェールズ  イングランド  アイルランド
1995  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  スコットランド
1996  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  スコットランド
1997  フランス  フランス  イングランド  イングランド  イングランド  スコットランド
1998  フランス  フランス  イングランド  イングランド  イングランド  スコットランド
1999  スコットランド  イングランド  イングランド  スコットランド

シックス・ネイションズ (2000–現在)

開催 優勝 グランドスラム トリプルクラウン カルカッタ
カップ
ミレニアム
トロフィー
センテナリー
クウェイク
ジュゼッペ
ガリバルディ
トロフィー
オールド
アライアンス
トロフィー
ドッディ・ウィアー
カップ
クッティッタ
カップ
ウドゥン
スプーン
2000  イングランド  スコットランド  イングランド  アイルランド 争われず 争われず 争われず 争われず  イタリア
2001  イングランド  イングランド  アイルランド  スコットランド  イタリア
2002  フランス  フランス  イングランド  イングランド  イングランド  アイルランド  イタリア
2003  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  アイルランド  ウェールズ
2004  フランス  フランス  アイルランド  イングランド  アイルランド  アイルランド  スコットランド
2005  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  イングランド  アイルランド  アイルランド  イタリア
2006  フランス  アイルランド  スコットランド  アイルランド  アイルランド  イタリア
2007  フランス  アイルランド  イングランド  アイルランド  アイルランド  フランス  スコットランド
2008  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  スコットランド  イングランド  アイルランド  フランス  イタリア
2009  アイルランド  アイルランド  アイルランド  イングランド  アイルランド  アイルランド  フランス  イタリア
2010  フランス  フランス  アイルランド  スコットランド  フランス  イタリア
2011  イングランド  イングランド  アイルランド  アイルランド  イタリア  イタリア
2012  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  イングランド  イングランド  アイルランド  フランス  スコットランド
2013  ウェールズ  イングランド  イングランド  スコットランド  イタリア  フランス
2014  アイルランド  イングランド  イングランド  イングランド  アイルランド  フランス  イタリア
2015  アイルランド  イングランド  アイルランド  アイルランド  フランス  スコットランド
2016  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  アイルランド  フランス  イタリア
2017  イングランド  イングランド  アイルランド  スコットランド  フランス  イタリア
2018  アイルランド  アイルランド  アイルランド  スコットランド  アイルランド  アイルランド  フランス  スコットランド  イタリア
2019  ウェールズ  ウェールズ  ウェールズ  イングランド  アイルランド  フランス  フランス  ウェールズ  イタリア
2020  イングランド  イングランド  イングランド  イングランド  アイルランド  フランス  スコットランド  スコットランド  イタリア
2021 ウェールズの旗 ウェールズ  ウェールズ  スコットランド  アイルランド  アイルランド  フランス  スコットランド  ウェールズ  イタリア
2022  フランス  フランス  アイルランド  スコットランド  アイルランド  アイルランド  フランス  フランス  ウェールズ  スコットランド  イタリア
2023  アイルランド  アイルランド  アイルランド  スコットランド  アイルランド  アイルランド  フランス  フランス  スコットランド  スコットランド  イタリア

脚注

  1. The Calcutta Cup: the legacy of a club that died”. Scottish Rugby. 2007年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月29日閲覧。
  2. About Us”. Rugby Football Union. 2007年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月29日閲覧。
  3. Massie, Alan (2000年2月19日). “Lamenting the sad decline of the fighting Irish”. The Scotsman: p. 31
  4. Ferrie, Kevin (1999年3月22日). “Scotland now have quality in quantity”. The Herald: p. 1
  5. Walsh, David (2005年2月13日). “Scots torn apart by Irish mean machine”. The Sunday Times: p. Sport 2

関連項目

外部サイト

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