ゲームクリエイター
ゲームクリエイター (game creator) は、ゲームの企画や制作を行う、主にコンピュータゲームの開発者全般の呼称。
コンピュータゲーム産業 |
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一般的にはクリエイター(creator) は、芸術家、作家、楽曲制作者など創作活動に携わる芸術家を示すが、ゲーム分野では企画やプログラミングなどの職も含まれており、特にプロデューサーやディレクター、メインプログラマー・デザイナーなど中心的な役割を果たす開発スタッフに用いられることが多い。和製英語であり、英語ではゲームデベロッパー (game developer) と呼称される[1]。
コンピュータゲーム
最初期には役割が区別されておらず、世界初の家庭用ゲーム機オデッセイの開発者であるラルフ・ベアは企画の立ち上げ、ハードの設計・作成、ソフトの制作、テストプレイ、営業活動などほぼ全てを個人で行っていた。
ゲーム専用機を開発するハードウェアメーカーがゲームを開発する様になったが、後には提供された開発環境を使用しソフトの制作のみを行うゲーム開発会社が登場した。さらに企画や開発など各分野に特化した会社も存在する。現代でも任天堂のようにハードとソフト両方を開発する会社も残っている。
現代では完全に分業化されており、大まかに企画職(ゲームデザイナー)[2]と開発職に分かれている。開発職はアーティスト職(グラフィック、サウンド)と技術職(プログラム)に分かれている[3]。かつてシナリオは企画側が決めていたが、近年ではシナリオライターが参加するゲームもある。3DCGがゲームに使われるようになると、3D関連のスタッフも加わるようになった。
- 企画
- 開発
- プログラマ
- グラフィック
- 2Dアーティスト
- コンセプトアーティスト
- グラフィックデザイナー(イラストレーター、ドッター)
- テクニカルアーティスト
- UIデザイナー
- エフェクトデザイナー
- サウンド
- サウンドディレクター
- サウンドクリエイター
- サウンドデザイナー
- サウンドプログラマー
- サウンドプランナー
- シナリオライター(プロッター)
- 3D
- 3Dモデラー
- リガー
- VFXアーティスト
- エンバイロメントアーティスト
- モーションデザイナー
- サウンド
企画の中心的な人物が所属していた退社して独立することもあり、特に小島秀夫の独立は話題となった[4]。プラットフォームやビジネススキームも増えた現在では、会社に雇用されたサラリーマンクリエイターは限界という[5]。また、分業され専門化・細分化が進んだ結果、総合的なゲームデザインをすることが難しくなった[6][7]。クリエイターには反骨精神[8]、素直さや好奇心、社会性のある変態・狂気[9]が求められている[10][11]。
UnityやUnreal Engineなど高性能ながら無償または安価で利用でき、高度なプログラミング技術を必要とする部分がパッケージ化されているゲームエンジンの登場、インターネット上でクリエイターへの直接発注や商用利用可能なフリー素材の多様化、個人作品でも配信可能なプラットフォームの登場により、個人や数名でも本格的なゲームを開発・販売することが可能となっている。
電源を用いないゲーム
ゲームクリエイターという呼び名には一般的にはコンピュータゲーム(テレビゲーム)の開発者について用いられるが、電源(コンピュータ)を用いないゲーム(ボードゲームやカードゲーム・ゲームブック・テーブルトークRPG及びトレーディングカードゲームなどのアナログゲーム)の作家にも用いられる。
アナログゲームでは機材の制約が少ないことから企画・開発・営業を個人で行う者も多く、クラウス・トイバーは歯科技工士として働く傍ら考案したカタンの開拓者たちが大ヒットし、専業のゲーム開発者となった。
参考文献
- “大きな転機を迎えているゲーム業界で、今知っておくべきポイントとは――『逆転裁判5』クリエイターが語るゲーム作りの裏側(1)”. インサイド. イード (2013年9月30日). 2013年10月4日閲覧。
- “「全ての要素には、理由がある」だから面白い!『逆転裁判』を江城氏&山崎氏が語る―『逆転裁判5』クリエイターが語るゲーム作りの裏側(2)”. インサイド. イード (2013年9月30日). 2013年10月4日閲覧。
- “ゲームクリエイターに必要なのは「愛」と「コミュニケーション力」―『逆転裁判5』クリエイターが語るゲーム作りの裏側(3)”. インサイド. イード (2013年9月30日). 2013年10月4日閲覧。
- “ゲーム開発者はコミュニティを通して自分を磨くべき・・・IGDA日本理事・松原健二氏が学生向けに語った基調講演”. インサイド. イード (2014年2月3日). 2014年2月4日閲覧。
脚注
- “インディゲームの創造性とは「実験性」を突き詰めること ゲームクリエイターとは尖った実験的ゲームを作れる人”. ファミ通. エンターブレイン (2014年1月27日). 2014年2月4日閲覧。
- ゲームデザイナー - プラチナゲームズ
- 新卒採用 - プラチナゲームズ
- “【特集】小島監督騒動を時系列で振り返る ― コナミ退社、『P.T.』停止、コジプロ解散から独立まで”. 2016年4月9日閲覧。
- “【連載】安藤・岩野の「これからこうなる!」 - 第15回「サラリーマンクリエイターの働き方はすでに限界を迎えている」”. 2016年4月9日閲覧。
- “宮本茂氏が語る、『ピクミン3』とWii Uのこれから”. ファミ通. エンターブレイン (2013年7月21日). 2013年7月22日閲覧。
- “宮本茂はどういうふうに構造をつくっていくのか。 - 樹の上の秘密基地 - ほぼ日刊イトイ新聞”. p. 6 (2013年7月22日). 2013年8月25日閲覧。
- “ゲーム制作集団「ゲームフリーク」が試みる“原点回帰”という挑戦――初の自社パブリッシングに踏み切った背景を,ゲームフリークの杉森 建氏と渡辺哲也氏に聞いた”. 4Gamer.net. Aetas (2013年10月8日). 2013年10月16日閲覧。
- “[Unite 2016]インディーズゲームを世に知らしめるのは開発者自身が抱く“狂気”。セッション「Unityを使った個人ゲーム開発における『収益化』の現状と未来」聴講レポート”. 2016年4月9日閲覧。
- “【連載】ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN- 「社長トーク!」第1弾 コロプラ 馬場功淳 社長【後編】”. 2016年4月9日閲覧。
- “Access Accepted第401回:ゲーム開発者に求められる「自分のストーリー」とは何か”. 2016年4月9日閲覧。