ケンブル (ピアノ)

ケンブル(Kemble)は、1911年ロンドン北部のストーク・ニューイントンでマイケル・ケンブルによって創業されたピアノ製造会社である。2009年の生産終了までイギリスで約35万台のアップライトピアノおよびグランドピアノを製造した[1]

父の会社を引き継いだ後、創業者の息子はピアノ生産をミルトン・キーンズブレッチリーへ移転した。

1964年、イギリスのピアノメーカー・J・B・クラーマー& Co.を買収した。

1968年に日本の楽器メーカーヤマハとの合弁事業Yamaha-Kemble Music (UK) Ltd. が発足し[2]、この会社はイギリスにおけるヤマハの輸入・楽器およびプロオーディオ機器販売業務を担当した[3]。1986年、創業者の孫のブライアン・ケンブルが社長となった。1980年代はイギリスの経済が落ちこみ、1986年にヤマハがケンブル& Co. の支援に乗り出した。以後、2009年まで約12万台のピアノが生産され、1992年には輸出に関する功績によりピアノ産業として唯一「The Queen's Award for Export Achievement」を授与された[4]

2007年7月、ヤマハはケンブル家が少数保有していたYamaha-Kemble Music (UK) Ltd. の残りの株式を購入した[3]。売却後、Yamaha-Kemble Music (UK) Ltd. はYamaha Music U.K. Ltd. に改名された[3][5]。にもかかわらず、この売却はヤマハのイギリスにおけるピアノ販売・製造部門であるKemble & Co. Ltd. には影響を与えなかった[3]

2009年、ケンブルピアノの生産は全てアジアへ移され、欧州での生産が終了した。これによってイギリスにおけるピアノ製造の幕が降ろされた。閉鎖時にも、ケンブルはまだ年間約7千台のピアノを輸出していた[6]

ケンブルは2018年現在中国で生産されるヤマハの手頃な価格のブランドである。

製造ブランド[7]

  • Kemble
  • Brinsmead
    • 1836年に「John Brinsmead」として創業。その後「John Brinsmead & Sons」に改称。20世紀中頃にJ. B. Cramer & Co. によって買収された。ブランド名は1964年にCramerと共にケンブルに移った。
  • Cramer
  • B.Squire
  • Squire & Longson
  • Rogers Eungblut
  • Moore & Moore
    • 1838年に創業したロンドンのピアノメーカー。1933年にケンブルによって買収[8]
  • Renn

出典

  1. “Music comes to end at piano maker”. BBC. (2009年10月26日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/beds/bucks/herts/8325806.stm 2018年8月27日閲覧。
  2. Kemble (2016年). Kemble History”. Yamaha Music Europe GmbH (UK). 2018年8月25日閲覧。
  3. Total Piano Care. The Yamaha Corporation”. 2018年8月26日閲覧。
  4. Total Piano Care. Kemble Pianos”. 2018年8月27日閲覧。
  5. 2018年現在はドイツに拠点を置くヤマハ・ミュージック・ヨーロッパ(Yamaha Music Europe GmbH)のイギリス支店。
  6. Roberts Pianos (2018年). Kemble Pianos”. 2018年8月26日閲覧。
  7. HANDEL PIANOS (2013年). Kemble Pianos”. 2018年8月26日閲覧。
  8. Roberts Pianos. Moore and Moore Pianos”. 2017年8月27日閲覧。

関連項目

外部リンク

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