ケンタッキーオークス
ケンタッキーオークス (Kentucky Oaks) は、アメリカ・ケンタッキー州にあるチャーチルダウンズ競馬場で行われる競馬の競走である。
ケンタッキーオークス Longines Kentucky Oaks[1] | |
---|---|
開催国 | アメリカ合衆国 |
競馬場 | チャーチルダウンズ競馬場 |
創設 | 1875年5月19日 |
2019年の情報 | |
距離 | ダート9ハロン |
格付け | G1 |
賞金 | 賞金総額125万ドル[1] |
出走条件 | サラブレッド3歳牝馬 |
負担重量 | 121ポンド |
概要
アメリカ合衆国の競馬におけるオークス相当の競走で、例年ケンタッキーダービーの前日に行われる。
競走条件は馬場がダートコース、距離が1マイル1/8 (9ハロン・約1811メートル)。出走条件は3歳牝馬限定。負担重量は121ポンド(約54.9キロ)。出走可能頭数は14頭。
かつてアメリカではニューヨーク州のCCAオークスが最大のオークスとされていた時期があり、1973年のグレード制導入時にCCAオークスがG1に格付けされたのに対し、ケンタッキーオークスは翌週から始まる当時のニューヨーク牝馬三冠とローテーションの影響もあってかG2の格付けにされてしまった。しかし5年後の1978年にG1に昇格し、現在では全米各地から有力馬が集まる全米最大の3歳牝馬限定戦になっている。入場人員や売り上げでは古馬との混合戦であるBCディスタフをはるかに上回っている。
優勝馬にはユリのレイが掛けられる。このユリはスターゲイザーリリーと呼ばれる品種が使われていて、女性らしさと強さを示すことから選ばれた。公式スポンサーの地元の店でレース前にこのレイを見ることができる。
乳がん克服財団と連携をしてさまざまなイベントを行い、乳がんへの社会的関心を高める意思表示として、競馬ファンにはピンク色の服を着るように求めている[2]。
ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーオークス
2013年からケンタッキーオークスに向かうまでの主な競走にロード・トゥ・ザ・ケンタッキーオークスのポイントが設定され、プレップシーズン(1着10ポイント、2着4ポイント、3着3ポイント、4着2ポイント、5着1ポイント)、セレクトプレップレース(1着20ポイント、2着8ポイント、3着6ポイント、4着4ポイント、5着2ポイント)、チャンピオンシップシリーズ前半(1着50ポイント、2着20ポイント、3着15ポイント、4着10ポイント、5着5ポイント)、チャンピオンシップシリーズ後半(1着100ポイント、2着40ポイント、3着30ポイント、4着20ポイント、5着10ポイント)、最終戦のワイルドカード(1着10ポイント、2着4ポイント、3着3ポイント、4着2ポイント、5着1ポイント)の各競走で獲得したポイント上位順にケンタッキーオークスの出走権が与えられることになっている。2022年まではポイントの付与対象が4着までであったが、2023年より5着までに変更された。
ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーオークス対象競走
出典:[3]
プレップシーズン
競走名 | 格 | 施行競馬場 | 施行距離 | ポイント(1着-2着-3着-4着-5着) |
---|---|---|---|---|
ポカホンタスステークス | 2歳G3 | チャーチルダウンズ | D8.5f | 10-4-3-2-1 |
フリゼットステークス | 2歳G1 | ベルモントパーク | D8f | 10-4-3-2-1 |
アルシバイアディーズステークス | 2歳G1 | キーンランド | D8.5f | 10-4-3-2-1 |
シャンデリアステークス | 2歳G2 | サンタアニタパーク | D8.5f | 10-4-3-2-1 |
ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ | 2歳G1 | 持ち回り | D8.5f | 30-12-9-6-3 |
ゴールデンロッドステークス | 2歳G2 | チャーチルダウンズ | D8.5f | 10-4-3-2-1 |
デモワゼルステークス | 2歳G2 | アケダクト | D9f | 10-4-3-2-1 |
スターレットステークス | 2歳G1 | ロスアラミトス | D8.5f | 10-4-3-2-1 |
アンタパブルステークス | 2歳 | フェアグラウンズ | D8f70y | 10-4-3-2-1 |
サンタイネスステークス | G2 | サンタアニタパーク | D7f | 10-4-3-2-1 |
ブサンダステークス | アケダクト | D8f70y | 20-8-6-4-2 | |
シルヴァービュレットデイステークス | G2 | フェアグラウンズ | D8f70y | 20-8-6-4-2 |
マーサワシントンステークス | オークローンパーク | D8f | 20-8-6-4-2 | |
ラスヴァージネスステークス | G3 | サンタアニタパーク | D8f | 20-8-6-4-2 |
フォワードギャルステークス | G3 | ガルフストリームパーク | D7f | 20-8-6-4-2 |
サンコーストステークス | タンパベイダウンズ | D8f40y | 20-8-6-4-2 | |
シンシナティトロフィー | ターフウェイパーク | AW8f | 20-8-6-4-2 |
チャンピオンシップシリーズ
競走名 | 格 | 施行競馬場 | 施行距離 | ポイント(1着-2着-3着-4着-5着) |
---|---|---|---|---|
UAEオークス | G3 | メイダン | ダート1900m | 50-20-15-10-5 |
レイチェルアレクサンドラステークス | G2 | フェアグラウンズ | D8.5f | 50-20-15-10-5 |
ハニービーステークス | G3 | オークローンパーク | D8.5f | 50-20-15-10-5 |
ダヴォナデールステークス | G2 | ガルフストリームパーク | D8f | 50-20-15-10-5 |
ブッシャーステークス | アケダクト | D8.5f | 50-20-15-10-5 | |
サンタイサベルステークス | G3 | サンタアニタパーク | D8.5f | 50-20-15-10-5 |
フェアグラウンズオークス | G2 | フェアグラウンズ | D8.5f | 100-40-30-20-10 |
バーボネットオークス | ターフウェイパーク | AW8f | 50-20-15-10-5 | |
サンランドパークオークス | サンランドパーク | D8.5f | 50-20-15-10-5 | |
ガルフストリームパークオークス | G2 | ガルフストリームパーク | D8.5f | 100-40-30-20-10 |
ファンタジーステークス | G3 | オークローンパーク | D8.5f | 100-40-30-20-10 |
アシュランドステークス | G1 | キーンランド | D8.5f | 100-40-30-20-10 |
ガゼルステークス | G3 | アケダクト | D9f | 100-40-30-20-10 |
サンタアニタオークス | G2 | サンタアニタパーク | D8.5f | 100-40-30-20-10 |
ビューモントステークス | G2 | キーンランド | D7f | 10-4-3-2-1 |
歴史
1875年に当時のチャーチルダウンズ競馬場運営者のメリウェザー・ルイス・クラーク大佐の発案により、イギリスのオークスを模範とした競走として創設。
創設から現在まで中止はなく、全ての競走がチャーチルダウンズ競馬場で開催されている。
- 1875年 創設、施行距離12ハロンで行われる
- 1891年 施行距離を12ハロンから10ハロンに短縮
- 1896年 施行距離を10ハロンから8.5ハロンに短縮
- 1920年 施行距離を8.5ハロンから9ハロンに延長
- 1924年 1位入線したGlideが進路妨害により失格、Princess Doreenが繰り上がりで優勝となる
- 1942年 施行距離を9ハロンから8.5ハロンに短縮
- 1959年 分割競走で施行
- 1973年 グレード制の開始にともない、G2に格付けされる
- 1978年 G1に昇格
- 1982年 施行距離を8.5ハロンから9ハロンに延長
- 2012年 ロージー・ナプラヴニク騎手騎乗のBelieve You Canが優勝、女性騎手が初制覇
- 2020年 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月1日に開催予定だったが、延期(9月4日開催)になった。
過去の優勝馬(2000年以降)
回数 | 年月日 | 優勝馬 | 性齢 | タイム | 優勝騎手 | 管理調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
第126回 | 2000年5月5日 | Secret Status | 牝3 | 1:50.30 | P.Day | N.Howard |
第127回 | 2001年5月4日 | Flute | 牝3 | 1:48.85 | J.Bailey | R.Frankel |
第128回 | 2002年5月3日 | Farda Amiga | 牝3 | 1:50.41 | C.McCarron | P.Lobo |
第129回 | 2003年5月2日 | Bird Town | 牝3 | 1:48.64 | E.Prado | N.Zito |
第130回 | 2004年4月30日 | Ashado | 牝3 | 1:50.81 | J.R.Velazquez | T.Pletcher |
第131回 | 2005年5月6日 | Summerly | 牝3 | 1:50.23 | J.Bailey | S.Asmussen |
第132回 | 2006年5月5日 | Lemons Forever | 牝3 | 1:50.07 | M.Guidry | D.Stewart |
第133回 | 2007年5月4日 | Rags to Riches | 牝3 | 1:49.99 | G.Gomez | T.Pletcher |
第134回 | 2008年5月2日 | Proud Spell | 牝3 | 1:50.01 | G.Saez | L.Jones |
第135回 | 2009年5月1日 | Rachel Alexandra | 牝3 | 1:48.87 | C.Borel | H.Wiggins |
第136回 | 2010年4月30日 | Blind Luck | 牝3 | 1:50.70 | R.Bejarano | J.Hollendorfer |
第137回 | 2011年5月6日 | Plum Pretty | 牝3 | 1:49.50 | M.Garcia | B.Baffert |
第138回 | 2012年5月4日 | Believe You Can | 牝3 | 1:49.50 | R.Napravnik | J.Jones |
第139回 | 2013年5月3日 | Princess of Sylmar | 牝3 | 1:49.17 | M.Smith | T.Pletcher |
第140回 | 2014年5月2日[4] | Untapable | 牝3 | 1:48.68 | R.Napravnik | S.Asmussen |
第141回 | 2015年5月1日[5] | Lovely Maria | 牝3 | 1:50.45 | K.Clark | J.Jones |
第142回 | 2016年5月6日 | Cathryn Sophia | 牝3 | 1:50.53 | J.Castellano | J.Servis |
第143回 | 2017年5月5日 | Abel Tasman | 牝3 | 1:51.62 | M.Smith | B.Baffert |
第144回 | 2018年5月4日 | Monomoy Girl | 牝3 | 1:49.13 | F.Geroux | B.Cox |
第145回 | 2019年5月3日 | Serengeti Empress | 牝3 | 1:50.17 | J.Ortiz | T.Amoss |
第146回 | 2020年9月4日 | Shedaresthedevil | 牝3 | 1:48.28 | F.Geroux | B.Cox |
第147回 | 2021年4月30日 | Malathaat | 牝3 | 1:48.99 | J.Velazquez | T.Pletcher |
第148回 | 2022年5月6日 | Secret Oath | 牝3 | 1:49.44 | L.Saes | W.Lukas |
第149回 | 2023年5月5日 | Pretty Mischievous | 牝3 | 1:49.77 | T.Gaffalione | B.Walsh |
脚注・出典
注釈
出典
- IFHA Race Detail Longines Kentucky Oaks2019年5月4日閲覧。
- ケンタッキーオークス、乳がん克服財団への協力キャンペーン を行う - ジャパン・スタッドブック・インターナショナル
- NEW ‘EUROPEAN ROAD TO KENTUCKY DERBY’ WILL GIVE OVERSEAS HORSES PATH TO AMERICA’S GREATEST RACE2017年9月2日閲覧
- 2014年レース結果 - racingpost、2014年5月8日閲覧
- 2015年レース結果 - racingpost、2015年5月6日閲覧
外部リンク
- Kentucky Oaks - ケンタッキーオークス公式サイト
- Chuechill Downs- チャーチルダウンズ競馬場
- Equibase ケンタッキーオークス