グリム童話の一覧

グリム童話の一覧では、グリム兄弟による『子供と家庭のための童話集』(Kinder- und Hausmärchen)、通称『グリム童話』に収録されているメルヒェンの一覧を記載する。

凡例

以下では『子供と家庭のための童話集』第7版の収録作品を基本とし、各項にそれぞれ第7版における通し番号(KHM番号)を挙げた。また初版から収録されているものは初版時の通し番号も記載した。ただし、以降の版と違い、初版では第1巻(86番まで)と第2巻はそれぞれ分けて通し番号が付与されているが、ここでは便宜上通巻に直した上で記載している。例えば初版第2巻の5番はここでは91番として掲示している。

初版から第6版までの間に削除されたものは別に分け、掲載時の通し番号にaをつけて区別している。版間の差し替えや移動などは備考欄に記した(その他の備考欄の注釈は主として『初版 グリム童話集』の注釈によっている)。タイトルが太字になっているものは「小さい版」(普及版)に収録されたものを示す。なおKHM210までに入らない遺稿や断片は割愛した。

メルヒェンの取材源となった人物のうち、特に主要なものの概要は以下の通りである(グリム童話#取材源も参照)。

ヴィルト家
カッセルの薬剤師ルードルフ・ヴィルト(1747-1814) の一家。ルードルフはスイスのベルン出身で、カッセルに移り住んだのちドロテーア・カタリーナ・フーバー(1752-1823)と結婚した(なお、ドイツでは薬剤師は医師と並んで社会的地位の高い職業である[1])。グレートヒェン(1787-1819)、リゼッテ(1782-1858)、ドロテーア (ドルトヒェン、1793-1867)、マリー(ミー、1794-1812)の4人の娘がいる。1805年よりカッセルに移り住んだグリム兄弟の隣人であり、娘たちはグリム兄弟の妹ロッテの友人でもあった。グリムはドロテーア夫人と娘たちから30あまりのメルヒェンの提供をうけており、この一家からの話にはすべて「ヘッセン」との注釈がつけられている[2]。その後ヴィルヘルム・グリムは主な提供者の一人であったドルトヒェンと結婚した。
ハッセンプフルーク家
ヘッセンの高官の一家で、あまり詳しいことはわかっていないが、夫人のマリーア・マグダレーナ・ハッセンプフルーク(1767-1840)はフランスから逃れてきたユグノーの出であり、一家ではフランス語が話されていた。娘にマリー(1788-1856)、ジャネット(1791-1860)、アマーリエ(1800-1871)がいるが、この「マリー」はヴィルヘルム・グリムの息子ヘルマンの誤解によって、ヴィルト家に住んでいた老嬢マリーと長い間取り違えられていた[3]。娘たちはやはりグリム兄弟の妹ロッテの友人で、グリムは彼女たちから30あまりのメルヒェンの提供を受けているが、フランス由来と思われるものが多いため後の版で削除されたものもある[4]
フリーデリケ・マンネル(1783-1833)
ランツブルク近郊アレンドルフの牧師の娘で、初版に5篇のメルヒェンを提供。『少年の魔法の角笛』にも提供を行っている。フランス語を自由に操り非常に文学的教養が高かった[5]
ドロテーア・フィーマン(フィーメンニン、1755-1815)
15篇のメルヒェンを提供。カッセル地方の仕立て屋の妻であったが、野菜売りをしていたため、グリムは当初農家の夫人と誤解していた。グリム兄弟が生前に情報源として名を挙げた唯一の人物で、ドイツ生粋のメルヒェンの語り手として理想化されてきたが、のちの研究で彼女は旧姓をピアソンという、フランスから逃れてきたユグノーの家の出で、フランス語を操り文学的教養も高かったことが明らかになった[6][7]
ハクストハウゼン家
ヘッセンの隣国ヴェストファーレンの貴族の一家で、マリアンネ(1755-1829)、アウグスト(1792-1866)、ルドヴィーネ(1795-1872)、アンナ(1800-1877)などが、住んでいたパーダーボルン地方の話を20ほど提供している。

KHM 1 - 50

KHM初版タイトル原題取材源備考
1 1かえるの王さま、あるいは鉄のハインリヒDer Froschkönig oder der eiserne Heinrichヴィルト家 (?)初版より一貫して巻頭に置かれる。
2 2猫とねずみとお友だちKatze und Maus in Gesellschaftグレートヒェン・ヴィルト
3 3マリアの子どもMarienkindグレートヒェン・ヴィルト
4 4こわがることをおぼえるために旅にでかけた男Märchen von einem, der auszog das Fürchten zu lernenフェルディナント・ジーベルト他初版では「ボーリングとトランプ遊び」の題で短いものを収録。ジーベルトから送られたシュヴァルム地方の話、メクレンブルクの話、フィーマンから聞いたツヴェールンの話の合成からなる。
5 5狼と七匹の子山羊Der Wolf und die sieben jungen Geißleinアウグスト・シュテーバー 『エルザス小民謡集』(1842年)第4版まではおそらくハッセンプフルーク家から聞き取った話で、第5版よりシュテーバーの民衆本所収のものに置き換えられる。
6 -忠臣ヨハネスDer treue Johannesハクストハウゼン家第2版で「夜うぐいすとめくらとかげの話」に代わって追加。
7 7うまい商売Der gute Handelドロテーア・フィーマン
8 -奇妙な音楽家Der wunderliche Spielmannロルシュの話。第2版で「ほうちょうをもった手」に代わって追加。
9 9十二人兄弟Die zwölf Brüderラミュ姉妹
10 10ならずものDas Lumpengesindelアウグスト・フォン・ハクストハウゼン
11 11兄と妹Brüderchen und Schwesterchenマリー・ハッセンプフルーク第2版以降ではマリーから聞き取ったもう一つの話を合成している。
12 12ラプンツェルRapunzelフリードリヒ・シュルツ 『小説集』(1790年)シュルツの小説はさらにフランスのド・ラ・フォルスの妖精物語「ペルシネット」 (Persinette) の翻訳であったことが明らかになっている。
13 13森の中の三人の小人Die drei Männlein im Waldeドルトヒェン・ヴィルト 他第2版以降ではフィーマンからの話、アマーリエ・ハッセンプフルークからの話と合成されている。
14 14糸くり三人女Die drei Spinnerinnenジャネット・ハッセンプフルーク初版では「苦しみの亜麻つむぎ」。第2版以降はパウル・ヴィーガンドから送られた話が中心となっている。
15 15ヘンゼルとグレーテルHänsel und Gretel ヘッセンの話。 登場する母は第3版まで実母であったが、第4版より継母に変えられている。
16 -三枚の蛇の葉Die drei Schlangenblätter竜騎兵曹長クラウゼ、ハクストハウゼン家第2版で「なんでもござれ」に代わって差し替え。
17 17白へびDie weisse Schlangeハッセンプフルーク家
18 18わらと炭とそら豆Strohhalm, Kohle und Bohneドロテーア・カタリーナ・ヴィルト第3版以降は文献からの内容に従っている。
19 19漁師とおかみVon dem Fischer un syner Fruフィリップ・オットー・ルンゲ「ねずの木の話」 (KHM47) とともルンゲが北ドイツのポンメルン方言で書きとめたものをもとにしており、グリム兄弟が最初期に手に入れたメルヒェン。
20 20勇ましいちびの仕立て屋Das tapfere Schneiderleinハッセンプフルーク家ヘッセンの話の断片。初版ではモンターヌス 『道行きの慰め』(1557年頃)から取った話をⅠとし、ハッセンプフルーク家からのものをⅡとしていたが、第2版以降はもう一つのヘッセンの話を合成してⅡにあたるもののみ残された。
21 21灰かぶり(シンデレラ)Aschenputtelマールブルクの救貧院の老女第2版以降では二つのヘッセン地方の話と合成。
22 -なぞなぞDas Rätselドロテーア・フィーマン (?)第2版で「子供たちが屠殺ごっこをした話」に代わって追加。グリムの注にツヴェールンの話とある。
23 23はつかねずみと小鳥と腸づめの話Von dem Mäuschen, Vögelchen und der Bratwurstモッシェロッシュ 『ジッテヴァルトのフィランダー』(1650年)文献から書き換えて収録。
24 24ホレのおばさんFrau Holleドルトヒェン・ヴィルト第2版以降はハノーファーのゴールドマンの話と合成。
25 25七羽のからすDie sieben Rabenハッセンプフルーク家第2版以降はウィーンの話と合成。
26 26赤ずきんRotkäppchenハッセンプフルーク家ペローに同様の話がある。先行作品では赤頭巾は狼に食べられたきりだが、グリムは「狼と七匹の子ヤギ」の結末を組み合わせてハッピーエンドにしている[8]
27 -ブレーメンの音楽隊Die Bremer Stadtmusikanten第2版で「死神とがちょうの番人」に代わって追加。グリムの注に「パーダーボルン地方の二つの話による」とある。第3版でドロテーア・フィーマンからの話で結末を補足。
28 28歌う骨Der singende Knochenドルトヒェン・ヴィルト
29 29金の毛が3本生えた鬼Der Teufel mit den drei goldenen Haarenドロテーア・フィーマン初版はアマーリエ・ハッセンプフルークからの話になっており、第2版以降でフィーマンによる同様の話に差し替えられている。
30 30しらみとのみLäuschen und Flöhchenドロテーア・カタリーナ・ヴィルト
31 31手なしむすめDas Mädchen ohne Händeマリー・ハッセンプフルーク第2版以降でドロテア・フィーマンの話と合成。
32 32ものわかりのいいハンスDer gescheite Hansハッセンプフルーク家 (?)初版ではハッセンプフルーク家からと思われる話をⅠ、ヤーコプ・フライの笑話集からの話をⅡとしていたが、後者は第2版以降で省かれている。
33 -三つの言葉Die drei Sprachenヴァレー州のハンス・トルファー第2版で「長靴をはいた猫」に代わって追加。
34 -知恵者エルゼDie kluge Elseドロテーア・フィーマン第2版で「ハンスのトリーネ」に代わって追加。
35 -天国へ行った仕立て屋Der Schneider im Himmel複数の文献第2版で「親すずめと子すずめ」(→KH<157)に代わって追加。「ヴィクラム『道中よもやま話』(1555年)、キルヒホフ『ヴェンド人の怒り』(1563年)などから合成している。
36 36おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろTischchen deck dich, Goldesel und Knüppel aus dem Sackジャネット・ハッセンプフルーク初版ではドルトヒェン・ヴィルトからの話をⅡとして載せていたが、第2版以降は省かれている。
37 -おやゆびこぞうDaumesdickエバーハルト・フォン・グローテ (?)「ナプキンと背嚢と砲蓋と角笛の話」(→KHM54)に代わって追加。
38 38奥様きつねの結婚Die Hochzeit der Frau Füchsinゴットシャルク夫人 (?)ヤーコプは恩師であるサヴィニーに当てた書簡で、子供のころから聞いていて最も好きな話のひとつと書いている[9]
39 39小人の靴屋Die Wichtelmännerドルトヒェン・ヴィルト
40 40強盗のおむこさんDer Räuberbräutigamマリー・ハッセンプフルーク第2版以降で別の二つの話と合成。
41 41コルベスさまHerr Korbesジャネット・ハッセンプフルーク
42 42名づけ親さんDer Herr Gevatterアマーリエ・ハッセンプフルーク第3版以降でルートヴィヒ・アウアーバッハの本により補足される。
43 -トゥルーデおばさんFrau Trudeマイアー・テディ 『女性文庫』(1823年)第3版で「奇妙なおよばれ」に代わって追加。
44 44死神の名付け親Der Gevatter Todマリー・エリザベート・ヴィルト第2版以降でフリードリヒ・グスタフ・シリングの本から結末が付け加えられる。
45 45仕立て屋の親指小僧の遍歴Daumerlings Wanderschaftマリー・ハッセンプフルーク第2版以降でヘッセンの話、パーダーボルンの話と合成される。
46 46フィッチャーの鳥Fitchers Vogelフリーデリケ・マンネル、ドルトヒェン・ヴィルト二人からの話を合成したもの。
47 47ねずの木の話Von dem Machandelboomフィリップ・オットー・ルンゲ「漁師とおかみ」 (KHM19) とともルンゲが北ドイツのポンメルン方言で書きとめたものに基づく。
48 48ズルタンじいさんDer alte Sultanニーダーヘッセン地方の話。第2版以降でハクストハウゼン家によるパーダーボルン地方の話によって補われる。
49 49六羽の白鳥Die sechs Schwäneドルトヒェン・ヴィルト
50 50いばら姫Dornröschenマリー・ハッセンプフルークペローに同様の話がある。

KHM 51 - 100

KHM初版タイトル原題取材源備考
51 51めっけ鳥Fundevogelフリーデリケ・マンネルマンネルからシュヴァルム地方の話として送られたもので、もとの提供者は不明。
52 52つぐみの髭の王さまKönig Drosselbartハッセンプフルーク家マイン地方の話で、ドルトヒェン・ヴィルトの話で補足、第2版からパーダーボルン地方の話も取り入れる。
53 53白雪姫Sneewittchenマリー・ハッセンプフルーク草稿では白雪姫を生き返らせるのは彼女の父親で、フェルディナント・ジーベルトの話を取り入れ結末を変更している。また第2版以降で母親が継母に変えられる。
54 -背嚢と帽子と角笛Der Ranzen, das Hütlein und das Hörnleinヨハン・フリードリヒ・クラウゼ第2版で「馬鹿のハンス」に代わって追加。初版では「ナプキンと背嚢と砲蓋と角笛の話」としてより短いものが37番に収められている。
55 55ルンペルシュティルツヒェンRumpelstilzchenドルトヒェン・ヴィルト、ハッセンプフルーク家二つの情報源からの話を合成、2版以降ではリゼッテ・ヴィルトからの話を取り入れ結末が変更されている。
56 56恋人ローランドDer liebste Rolandドルトヒェン・ヴィルト
57 57黄金の鳥Der goldene Vogelマールブルクの救貧院の老女第2版以降でフィーマンの話から補足。
58 58犬と雀Der Hund und der Sperlingグレートヒェン・ヴィルト初版では「忠実な雀の名付け親」のタイトルで、第2版でフィーマンの話から後半を差し替え改題。
59 -フリーダーとカーテルリースヒェンDer Frieder und das Katherlieschenドロテーア・フィーマン第2版で「白鳥王子」に代わって追加。グリムの注にツヴェールン地方の話とある。
60 -二人兄弟Die zwei Brüderハクストハウゼン家 (?)第2版で「金のたまご」に代わって追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
61 -水呑百姓Das Bürleドロテーア・フィーマン第2版で「すぐに金持ちになった仕立て屋の話」に代わって追加。
62 -蜜蜂の女王Die BienenköniginA.L.グリム 『こどものメルヒェン』(1809年)初版では64番の「ぼけなすの話」のⅡで、第2版で独立。
63 -三枚の鳥の羽Die drei Federnドロテーア・フィーマン初版ではおそらくヴィルト家からのものが「ぼけなすの話」のⅢとして収録。第2版でフィーマンからのものになり独立。
64 -黄金のがちょうDie goldene Gansハッセンプフルーク家初版では64番の「ぼけなすの話」のⅣで、第2版でハクストハウゼン家の話と合成され単独で64番となる。
65 65千匹皮Allerleirauhカール・ネーリッヒ 『シリー』(1798年)、ドルトヒェン・ヴィルト長編小説の一挿話とヴィルトからの話の融合。初版では主人公の娘は実父の王と結婚するが、第2版では結婚相手は別の王になる。
66 -子ウサギのおよめさんHäsichenbrautゲオルク・フリードリヒ・ファーレンシュタイン第2版で「どんちゃか騒ぎ」に代わって追加。ファーレンシュタインがポメラニアのヴェンデンランデで聞いた話という。
67 67十二人の狩人Die zwölf Jägerジャネット・ハッセンプフルーク初版時のタイトルは「王さまとライオン」で、第2版で改題。
68 -どろぼうの名人とその大先生De Gaudeif un sien Meesterイェンニー・フォン・ドロステ=ヒュルスホフイェンニーはアネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフの姉。第2版で「夏の庭と冬の庭」に変わって追加。
69 69ヨリンデとヨリンゲルJorinde und JoringelJ.H.ユング=シュティリング 『ヘンリヒ・シュティリングの青春』(1777年)ユング=シュティリングの自伝的小説から。
70 -三人のしあわせものDie drei Glückskinderハクストハウゼン家第2版で「オケルロ」に代わって追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
71 -六人男、世界を股にかけるSechse kommen durch die ganze Weltドロテーア・フィーマン (?)第2版で「ネズミ皮の王女」に代わって追加。グリムの注にツヴェールン地方の話とある。
72 -狼と人間Der Wolf und der Menschハクストハウゼン家第2版で「梨の小僧は落ちない」に代わって追加。ハクストハウゼン家によるパーダーボルン地方の話と、バイエルン地方の話を併せる。
73 -狼と狐Der Wolf und der Fuchs第2版で「人ごろし城」に代わって追加。グリムの注にヘッセンの話とある。
74 -狼と名付けをたのんだ奥さまDer Fuchs und die Frau Gevatterin第2版で「泉の子ヨハネスと泉の子カスパール」に代わって追加。グリムの注にドイツ-ベーメン地方の話とある。
75 -狼と猫Der Fuchs und die Katze第2版で「フェニックス鳥」に代わって追加。グリムの注にシュヴァイフの話とある。
76 76なでしこDie Nelkeドロテーア・フィーマン初版はハッセンプフルーク家からの話で、第2版でフィーマンからの話に変えられる。
77 -知恵者のグレーテルDie kluge Gretelアンドレアス・シュトロブル『新たに色づけされた復活祭の卵』(1700年)第2版で「さしもの師とろくろ師の話」に代わって追加。
78 78としよりのおじいさんと孫Der alte Großvater und der EnkelJ.H.ユング=シュティリング 『ヘンリヒ・シュティリングの徒弟時代』(1778年)
79 79水の精Die Wassernixeマリー・ハッセンプフルーク
80 80めんどりの死んだ話Von dem Tode des Hühnchensブレンターノが『少年の魔法の角笛』の付録に載せたものを改筆。グリムの注にヘッセンの話とある。
81 -のんきぼうずBruder Lustigゲオルク・パッシー第2版で「鍛冶屋と悪魔」に代わって追加。パッシーがウィーンで聞き取った話という。
82 -道楽ハンスルDe Spielhansl第2版で「三人姉妹」に代わって追加。フリートベルクの話。
83 -幸せハンスHans im Glückアウグスト・ヴェルニッケ 『占い棒』(1818年)第2版で「貧しい女の子」(「星の銀貨」KHM153)に代わって追加。
84 -ハンスの嫁取りHans heiratetプレトリウス 『占い棒』(1667年)第2版で「お姑」に代わって追加。
85 63黄金の子供たちDie Goldkinderフリーデリケ・マンネル初版で63番だったものを移動。
86 86狐とがちょうDer Fuchs und die Gänseハクストハウゼン家初版から第7版まで一貫して第1巻巻末に置かれる。
87 87貧乏人と金持ちDer Arme und der Reicheフェルディナント・ジーベルト初版より一貫して第2巻巻頭に置かれる。
88 88鳴いて跳ねるひばりDas singende springende Löweneckerchenドルトヒェン・ヴィルト
89 89がちょう番の女Die Gänsemagdドロテーア・フィーマン
90 90若い大男Der junge Rieseハノーファーの牧師ゴールトマン
91 91土の中の小人Dat Erdmännekenルドヴィーネ・ハクストハウゼンパーダーボルン地方の話。
92 92金の山の王さまDer König vom goldenen Bergグリムの注釈に「ある兵士から聞いた」とある。
93 93大がらすDie Rabeハノーファーの牧師ゴールトマン
94 94賢い百姓娘Die kluge Bauerntochterドロテーア・フィーマン
95 -ヒルデブラントおじいDer alte Hildebrand第2版で「ガラス瓶の中の化け物」(KHM99)に代わって追加。オーストリアドイツ語による話。
96 96三羽の小鳥De drei Vügelkensケーターベルク山の羊飼い
97 97命の水Das Wasser des Lebensハクストハウゼン家同家から聞いたパーダーボルン地方の話と別のヘッセンの話とを合成。
98 98もの知り博士Doktor Allwissendドロテーア・フィーマン
99 94ガラス瓶の中の化け物Der Geist im Glasベーケンドルフの仕立て屋初版第2巻の9番(通巻で94番目)から第2版で通巻99番に移動。
100 100悪魔の煤けた相棒Des Teufels rußiger Bruderドロテーア・フィーマン

KHM 101 - 150

KHM初版タイトル原題取材源備考
101 101熊の皮をきた男Der Bärenhäuterグリンメルスハウゼン 「最初の熊の皮を着た男」(1670年)初版から第4版まではハクストハウゼン家からの話が「緑の上着の悪魔」の題で置かれ、第5版で改題され書物からの内容に置き換えられる。
102 102みそさざいと熊Der Zaunkönig und der Bärドロテーア・フィーマン
103 103おいしいお粥Der süße Breiドルトヒェン・ヴィルト
104 -賢い人々Die klugen Leuteドルトヒェン・ヴィルト第7版で「忠実な動物たち」に代わって追加。
105 105蛇の話Märchen von der Unkeヴィルト家(Ⅰ)各地方の三つの挿話(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)からなる。
106 106貧乏な粉屋の若者と小猫Der arme Müllersbursch und das Kätzchenドロテーア・フィーマン
107 -旅あるきの二人の職人Die beiden Wandererキール出身の学生第5版で「からす」に代わって追加。
108 108ハンスぼっちゃんはりねずみHans mein Igelドロテーア・フィーマン
109 109きょうかたびらDas Totenhemdchenフェルディナント・フィリップ・グリム (?)フェルディナントはグリム兄弟の弟(四男)。グリムの注釈にはバイエルンからとある。
110 110いばらの中のユダヤ人Der Jude im Dornアルブレヒト・ディートリヒの喜劇『ある作男の物語』(1618年)
111 111腕のいい狩人Der gelernte Jägerドロテーア・フィーマン
112 112天のからさおDer Dreschflegel vom Himmelハクストハウゼン家
113 113王の子ふたりDe beiden Künigeskinnerルドヴィーネ・ハクストハウゼングリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
114 114賢いちびの仕立て屋の話Vom klugen Schneiderleinフェルディナント・ジーベルト (?)グリムの注にシュヴァルム地方の話とある。
115 115明るいお天道様は明るみに出すDie klare Sonne bringt's an den Tagドロテーア・フィーマン
116 116青いランプDas blaue Lichtハクストハウゼン家 (?)グリムの注にメクレンブルク地方の話とある。
117 117わがままな子供Das eigensinnige Kindヘッセンの口承。
118 118三人の軍医Die drei Feldschererドロテーア・フィーマン
119 -シュヴァーベンの七人男Die sieben Schwabenキルヒホフ 『ヴェンド人の怒り』(1563年)第2版で「怠け者と働き者」に代わって追加。
120 120三人の見習い職人Die drei Handwerksburschenドロテーア・フィーマンフィーマンからの話とライネ川地方の話を合成。
121 -こわいものなしの王子Der Königssohn, der sich vor nichts fürchteteハクストハウゼン家第2版で「天国のご婚礼」(KHM209)に代わって追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
122 -キャベツろばDer Krautesel第2版で「長い鼻」に代わって追加。グリムの注にドイツ-ベーメン地方の話とある。
123 123森のなかのばあさんDie Alte im Waldハクストハウゼン家
124 124三人兄弟Die drei Brüderフェルディナント・ジーベルト (?)グリムの注にシュヴァルム地方の話とある。
125 125悪魔とそのおばあさんDer Teufel und seine Großmutterドロテーア・フィーマン
126 126誠実なフェレナントと不誠実なフェレナントFerenand getrü und Ferenand ungetrüハクストハウゼン家グリムの注にパーダーボルン地方の話とあり、低地ドイツ語で書かれている。
127 127鉄のストーブDer Eisenofenドロテーア・フィーマン
128 128なまけ者の糸つむぎ女Die faule Spinnerinドロテーア・フィーマン
129 -腕利き四人兄弟Die vier kunstreichen Brüder第2版で「ライオンと蛙」に代わって追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
130 -一つ目、二つ目、三つ目Einäuglein, Zweiäuglein und Dreiäugleinテオドーア・ペシェック 『中世の友のための週間報告』(1854年)第2版で「兵士と指物師」に代わって追加。
131 131美人のカトリネルエとピフ・パフ・ポルトリーDie schöne Katrinelje und Pif Paf Poltrieハクストハウゼン家ハクストハウゼン家からのパーダーボルン地方の話で、ブレーメンからのバリエーションを補足。
132 132狐と馬Der Fuchs und das Pferdハクストハウゼン家グリムの注にミュンスターの話とある。
133 133踊ってすりきれた靴Die zertanzten Schuheイェンニー・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ
134 134六人の家来Die sechs Dienerハクストハウゼン家パーダーボルン地方の話。
135 135白い花嫁と黒い花嫁Die weiße und die schwarze Brautハクストハウゼン家ハクストハウゼン家からのパーダーボルン地方の話と、別のメクレンブルク地方の話を合成。
136 -鉄のハンスDer Eisenhansフリートムント・フォン・アルニム 『山岳で収集した100の昔話』(1834年)第7版で「山男」に代わって追加。
137 137三人の黒いお姫さまDe drei schwatten Prinzessinnenハクストハウゼン家グリムの注にミュンスター地方の話とあり、方言で書かれている。
138 138クノイストと三人の息子Knoist un sine dre Sühneハクストハウゼン家グリムの注にザヴァーラント地方の話とあり、方言で書かれている。
139 139ブラーケルの小娘Dat Mäken von Brakelハクストハウゼン家グリムの注にパーダーボルン地方の話とあり、方言で書かれている。
140 140下男Das Hausgesindeハクストハウゼン家グリムの注にパーダーボルン地方の話とあり、方言で書かれている。
141 141小羊と小魚Das Lämmchen und Fischchenマリアンネ・フォン・ハクストハウゼン
142 142ジメリの山Simelibergルドヴィーネ・フォン・ハクストハウゼン
143 -旅にでるUp Reisen gohn第2版で「飢え死にしそうな子供たち」に代わって追加。ミュンスターラントの話と、おそらくハクストハウゼン家からのパーダーボルン地方の話を合成。
144 144小さなろばDas Eselein『14世紀のシュトラースブルク手稿』14世紀のラテン語詩から。
145 145親不孝なむすこDer undankbare Sohnヨハネス・パウリ 『冗談と本気』(1552年)
146 146かぶらDie Rübe『14世紀のシュトラースブルク手稿』14世紀のラテン語詩から。
147 147若く焼きなおされた小男Das junggeglühte Männleinハンス・ザックスの韻文笑話 「猿の起源」(1562年)
148 148神様の動物と悪魔の動物Des Herrn und des Teufels Getierハンス・ザックスの詩 「悪魔がやぎをつくった」(1556年)
149 149梁の木Der Hahnenbalkenフリードリヒ・キント 『ベッカー文庫』(1812年)
150 150乞食のおばあさんDie alte BettelfrauJ.H.ユング・シュティリング 『ヘンリヒ・シュティリングの徒弟時代』(1778年)

KHM 151 - 200

KHM初版タイトル原題取材源備考
151 151三人の怠け者Die drei Faulenヨハネス・パウリ 『冗談と本気』(1552年)
151* -十二人の怠け者の下男Die zwölf faulen Knechteアーデルベルト・フォン・ケラー『Fastnachtspiele』(15世紀)KHM151に加えて併録されているもの。
152 -牧童Das Hirtenbübleinルートヴィヒ・アウルバッハー第2版で「哀しみの聖女」に代わって追加。グリムの注にバイエルンの話とある。
153 83星の銀貨Die Sterntalerジャン・パウル 『見えない桟敷』初版では83番に「貧しい女の子」として収録。
154 -くすねた銅貨Der gestohlene Hellerグレートヒェン・ヴィルト第2版で「ディトマルツェンのほらばなし」 (→KHM159) に代わって追加。
155 -嫁えらびDie Brautschauヨハーン・ルードルフ・ヴィース 『嫁探し』 (1815年)第2版で「なぞなぞ話」 (→KHM160)に代わって追加。
156 -ぬらぬらの亜麻のかたまりDie Schlickerlingeグリムの注にメクレンブルクの話とある。第2版で「金の鍵」 (→KHM200) に代わって追加。
157 35親すずめと四羽の子すずめDer Sperling und seine vier Kinderヨハン・バルタザール・シュッピウス 『教訓集』(1663年)初版35番だったものを第2版で移動。
158 153のらくら国のお話Das Märchen vom Schlaraffenland14世紀の詩初版では第2巻の67番(通巻で153番目)で、第2版で158番に移動。
159 154ディトマルツェンのほらばなしDas dietmarsische Lügenmärchen北ドイツの歌謡(1733年)初版では第2巻の68番(通巻で154番目)で、第2版で159番に移動。
160 155なぞなぞ話Rätselmärchen『民謡となぞなぞ』(16世紀)初版では第2巻の69番(通巻で155番目)で、第2版で160番に移動。
161 -雪白と薔薇紅Schneeweißchen und Rosenrotカロリーネ・シュタール 『子供のための寓話と物語集』(1818年)第3版で追加。
162 -賢い下男Der kluge Knechtマルティン・ルター 『詩編101番の解釈』(1534年)第3版で追加。
163 -ガラスの棺Der gläserne Sargジィルヴァヌス 『甘やかされたお母さん子』 (1728年)第3版で追加。
164 -ものぐさハインツDer faule Heinzオイヒャリウス・アイエリング 『ことわざの宝庫』(1601年)第3版で追加。
165 -怪鳥グライフDer Vogel Greifフリードリヒ・シュミット第3版で追加。アレマン語による話。
166 -強力ハンスDer starke Hansカール・ルドルフ・ハーゲンバッハ第3版で追加。
167 -天国へ行った水のみ百姓Das Bürli im Himmelフリードリヒ・シュミット第3版で追加。アレマン語による話。
168 -やせたリーゼDie hagere Lieseハンス・ヴィルヘルム・キルヒホフ 『ヴェンド人の怒り』(1563年)第4版で追加。
169 -森の家Das Waldhausカール・ゲデケ第4版で追加。
170 -苦楽をわかつLieb und Leid teilenイェルク・ヴィクラム 『道中よもやま話』(1555年)第4版で追加。
171 -みそさざいDer Zaunkönigヨーハン・ヤーコプ・ニコラウス・ムソイス 『メクレンブルク史協会年鑑』(1840年)第4版で追加。
172 -かれいDie Scholleヨーハン・ヤーコプ・ニコラウス・ムソイス 『メクレンブルク史協会年鑑』(1840年)第4版で追加。
173 -「さんかのごい」と「やつがしら」Rohrdommel und Wiedehopfヨーハン・ヤーコプ・ニコラウス・ムソイス 『メクレンブルク史協会年鑑』(1840年)第4版で追加。
174 -ふくろうDie Euleハンス・ヴィルヘルム・キルヒホフ 『ヴェンド人の怒り』(1563年)第4版で追加。
175 -Der Mondハインリヒ・プレーレ 『若者のための昔話集』(1854年)第7版で「不幸せ」(第4版で追加)に代わって追加。
176 -寿命Die Lebenszeitツヴェールンの農夫第4版で追加。
177 -死神の使いたちDie Boten des Todesハンス・ヴィルヘルム・キルヒホフ 『ヴェンド人の怒り』(1563年)第4版で追加。
178 -プフリーム親方Meister Pfriem『最新子供図書館』(1827年)第5版で追加。
179 -泉のそばのがちょう番の女Die Gänsehirtin am Brunnenアンドレアス・シューマッハー 『がちょう番の娘の話』(1833年)第5版で追加。
180 -エバのふぞろいの子どもたちDie ungleichen Kinder Evasハンス・ザックスの詩(1558年)第5版で追加。
181 -池にすむ水の妖精Die Nixe im Teichモーリツ・ハウプト 『ドイツ古代史』(1842年)第5版で追加。
182 -小人の使いDie Geschenke des kleinen Volkesエーミール・ゾンマー 『ザクセンとテューリンゲンの伝説集』(1846年)第6版で「えんどう豆の試練」(第5版で追加)に代わって追加。
183 -大男と仕立屋Der Riese und der Schneiderフランツ・ツィスカ 『オーストリアの昔話』(1822年)第5版で追加。
184 -Der Nagelルートヴィヒ・アウルバッハー 『若者のための小冊子』(1834年)第5版で追加。
185 -墓へはいった哀れな小僧Der arme Junge im Grabルートヴィヒ・アウルバッハー 『若者のための小冊子』(1834年)第5版で追加。
186 -本当の花嫁Die wahre Brautモーリツ・ハウプト 『ドイツ古代史』(1842年)第5版で追加。
187 -兎とはりねずみDer Hase und der Igelヴィルヘルム・シュレーダー 『ハノーファー民衆誌』(1840年)第5版で追加。
188 -つむとひとぬいばりSpindel, Weberschiffchen und Nadelルートヴィヒ・アウルバッハー 『若者のための小冊子』(1834年)第5版で追加。
189 -百姓と悪魔Der Bauer und der Teufelルートヴィヒ・アウルバッハー 『若者のための小冊子』(1834年)第5版で追加。
190 -机の上のパンくずDie Brosamen auf dem Tischヴィルヘルム・ヴァッカーナーゲル 『ドイツ古代誌』(1843年)第5版で追加。
191 -あめふらしDas Meerhäschenヨーゼフ・ハルトリヒの昔話集(1856年)第7版で「盗賊と彼の息子たち」(第5版で追加)に代わって追加。
192 -どろぼうの名人Der Meisterdiebフリードリヒ・シュテルツィング 『ドイツ古代誌』(1843年)第5版で追加。
193 -太鼓たたきDer Trommlerカール・ゲデケ第5版で追加。
194 -麦の穂Die Kornähreフィリップ・ホフマイスター 『ヘッセン史協会誌』(1847年)第6版で追加。
195 -土まんじゅうDer Grabhügelフィリップ・ホフマイスター 『ヘッセン史協会誌』(1847年)第6版で追加。
196 -リンクランクじいさんOll Rinkrankエーレントラウト 『フリジア文庫』(1849年)第6版で追加。
197 -水晶玉Die Kristallkugelフリートムント・フォン・アルニム 『山岳で収集した100の昔話』(1834年)第6版で追加。
198 -マレーン姫Jungfrau Maleenカール・ミュレンホフの伝説集(1845年)第6版で追加。
199 -水牛の革の長靴Der Stiefel von Büffellederフリートムント・フォン・アルニム 『山岳で収集した100の昔話』(1834年)第6版で追加。
200 156金の鍵Der goldene Schlüsselマリー・ハッセンプフルーク初版では第2巻の70番(通算で156番目)で、以降一貫して最後に置かれている話。

KHM 201 -210(子供の聖者伝)

KHMタイトル原題取材源備考
201 森のなかのヨーゼフ聖者Der heilige Joseph im Waldeハクストハウゼン家第2版で追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
202 十二使徒Die zwölf Apostelハクストハウゼン家第2版で追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
203 ばらDie Roseハクストハウゼン家第2版で追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
204 貧窮と謙遜は天国へ行く路Armut und Demut führen zum Himmelハクストハウゼン家第2版で追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
205 神様のめしあがりものGottes Speiseハクストハウゼン家第2版で追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
206 三ぼんのみどりの枝Die drei grünen Zweigeハクストハウゼン家第2版で追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
207 聖母のおさかずきMuttergottesgläschenハクストハウゼン家第2版で追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。
208 おばあさんDas alte Mütterchen第2版で追加。グリムの注にヘッセンの話とある。
209 天国の婚礼Die himmlische Hochzeit初版では第2巻の35番(通算で121番目)。グリムの注にメクレンブルク地方の話とある。12世紀頃からある聖者伝。
210 はしばみの木のむちDie Haselruteフランツ・ヨーゼフ・フォンブンの民間伝説集(1847年)第6版より追加。

第7版までに削除されたもの

KHMタイトル原題取材源備考
6a 夜うぐいすとめくらとかげの話Von der Nachtigall und der Blindschleicheフランスの本 (1808年)第2版で「忠臣ヨハネス」に差し替え。
8a ほうちょうをもった手The hand with the measurerスコットランドの伝承第2版で「奇妙な音楽家」に差し替え。
16a なんでもござれHerr Fix und Fertigヨーハン・フリードリヒ・クラウゼ第2版で「三枚の蛇の葉」に差し替え。
22a 子どもたちが屠殺ごっこをした話Wie Kinder Schlachtens miteinander gespielt habenヨハネス・プレトーリウス 『冒険の福引壷』(1669年)第2版で「なぞなぞ」に差し替え。
27a 死神とがちょうの番人Der Tod und der Gänsehirtゲオルク・フィリップ・ハルスデルファー 『痛ましい殺人物語の大舞台』(1663年)第2版で「ブレーメンの音楽隊」に差し替え。
33a 長靴をはいた猫Der gestiefelte Katerジャネット・ハッセンプフルークペローの童話集にあるものと逐語的に似ていたため、第2版で「三つの言葉」に差し替えられる。
34a ハンスのトリーネHansens Trineドルトヒェン・ヴィルト第2版で「知恵者エルゼ」に差し替えられる。
43a 奇妙なおよばれDie wunderliche Gastereiアマーリエ・カッセンプフルーク第3版で「トゥルーデおばさん」に差し替え。
54a 馬鹿のハンスHans Dummハッセンプフルーク家第2版で「背嚢と帽子と角笛」に差し替え。
62a 青ひげBlaubartハッセンプフルーク家ペローとの関連が明らかなため、第2版で「蜂の女王」に差し替えられる。
64a ぼけなすの話Von dem Dummlingグレートヒェン・ヴィルト他「白い鳩」「蜜蜂の女王」「三枚の鳥の羽」「黄金のがちょう」の4つからなる話で、「白い鳩」を除いて第2版以降それぞれ独立した話になる。
66a どんちゃか騒ぎHurleburlebutzヨハンナ・ハッセンプフルーク第2版で「子ウサギのおよめさん」に差し替え。
68a 夏の庭と冬の庭Von dem Sommer- und Wintergartenフェルディナント・ジーベルト第2版で「どろぼう名人とその大先生」に差し替えられ、「鳴いて飛び跳ねるひばり」(KHM88)の注に入れられる。
70a オケルロDer Okerloジャネット・ハッセンプフルークオーノワ夫人の話との類似のため、第2版で「三人のしあわせもの」に差し替えられ、「めっけ鳥」(KHM51)の注に入れられる。
71a ねずみの皮の王女Prinzessin Mäusehautヴィルト家ペローの「ロバの皮」との関連が明らかなため、第2版で 六人男、世界を股にかける」に差し替え。
72a 梨の小僧が落ちないDas Birnli will nit fallenスイスの口承。唯一の韻文であったため、第2版で「狼と人間」に差し替えられる。
73a 人殺し城Das Mordschlossオランダ人女性オランダの話であること、またペローの「青髭」との関連性から、第2版で「狼と狐」に差し替えられる。
74a 泉の子ヨハネスと泉の子カスパールVon Johannes-Wassersprung und Caspar-Wassersprungフリーデリケ・マンネル第2版で「狼と名付けをたのんだ奥さま」に差し替えられ、「ふたり兄弟」(KHM60)の注に入れられる。
75a フェニックス鳥Vogel Phönixマリー・ハッセンプフルークマイン地方の話。第2版で「狼と猫」に差し替えられ、「三本の金の髪の毛を持つ悪魔」の注に入れられる。
77a さしもの師とろくろ師の話Vom Schreiner und Drechslerフリーデリケ・マンネル第2版で「知恵者のグレーテル」に差し替え。
81a 鍛冶屋と悪魔Der Schmidt und der Teufelマリー・ハッセンプフルーク第2版で「のんきぼうず」に差し替え。
82a 三人姉妹Die drei Schwesternヨハン・カール・アウグスト・ムゼーウス 『ドイツ人の昔話』(1782年)第2版で「道楽ハンスル」に差し替え。ヤーコプはこの話について書簡で「口承の生き生きした感じがない」と述べている[10]
84a お姑Die Schwiegermutterハッセンプフルーク家同家で書き留められたもの。断片であるため、第2版で「ハンスの嫁取り」に差し替えられる。
85a (断片)Fragmente「雪の花」「お姫様としらみ」「ヨハネス王子の話」「役に立つ膏薬」の4断片。
104a 忠実な動物たちDie treuen Tiereフェルディナント・ジーベルト初版よりシュヴァルム地方の話として置かれていたが、のちにモンゴルの話の翻訳に基づくことが判明し、第7版で「賢い人々」に差し替えられる。
107a からすDie Krähenアウグスト・フォン・ハクストハウゼンアウグストがメクレンブルク出身の兵隊から聞き取り送付したもの。
119a 怠け者と働き者Der Faule und der Fleißigeフェルディナント・ジーベルト (?)グリムの注にシュヴァルム地方の話とある。第2版で「シュヴァーベンの七人男」に差し替え。
122a 長い鼻Die lange Naseドロテーア・フィーマン第2版で「キャベツろば」に差し替えられ、同注に入れられる。
129a ライオンと蛙Der Löwe und der Froschルドヴィガ・ヨルデス・ブレンターノ第2版で「腕利き四兄弟」に差し替え。
130a 兵士と指物師Der Soldat und der Schreinerハクストハウゼン家 (?)グリムの注にミュンスターラントの話とある。またヤーコプからヴィルヘルムへの手紙に「私が削除したい最悪の話」として挙げている[11] 。第2版で「一つ目二つ目三つ目」に差し替え。
136a 山男De wilde Mannハクストハウゼン家方言で書かれたミュンスター地方の話。第7版で「鉄のハンス」に差し替えられる。
143a 飢死にしそうな子どもたちDie Kinder in Hungersnotヨハネス・プレトーリウス 『冒険の福引壷』(1669年)第2版で「旅に出る」に差し替え。
152a 哀しみの聖女Die heilige Frau Kummernisアンドレアス・シュトローベルの書物(1770年)第2版で「牧童」に差し替え。
175a 不幸せDas Unglückハンス・ヴィルヘルム・キルヒホフ『ヴェンド人の怒り』(1563年)第4版で追加され、第7版で「月」に差し替え。
182a えんどう豆の試練Die Erbsenprobe第5版で追加され、第6版で「小人の贈りもの」に差し替え。アンデルセンに同様の話「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」がある。
191a 盗賊と彼の息子たちDer Räuber und seine Söhneモーリツ・ハウプト 『ドイツ古代誌』 (1836年)第5版で追加され、第7版で「あめふらし」に差し替え。

脚注

  1. 小澤 (1992) , 120頁。
  2. 小澤 (1992) , 121頁。
  3. 小澤 (1992) , 104-108頁。
  4. 『初版 グリム童話集 4』 173頁。
  5. レレケ (1990) , 122-123頁。
  6. 小澤 (1992) , 101-103頁。
  7. レレケ (1990) , 142-146頁。
  8. 鈴木 (1991) , 123頁。
  9. 『初版 グリム童話集 1』 207頁。
  10. 『初版 グリム童話集 2』 205頁。
  11. 『初版 グリム童話集 4』 87頁。

参考文献

  • 高木昌史 『グリム童話を読む事典』 三交社、2002年
  • 『初版 グリム童話集』(1-4)吉原高志、吉原素子訳、白水社、1997年
  • 鈴木晶 『グリム童話 ―メルヘンの深層』 講談社現代新書、1991年
  • 小澤俊夫 『グリム童話の誕生 聴くメルヒェンから読むメルヒェンへ』 朝日選書、1992年
  • ハインツ・レレケ 『グリム兄弟のメルヒェン』 小澤俊夫訳、岩波書店、1990年
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