ガビン・フロイド

ガビン・クリストファー・フロイドGavin Christopher Floyd, 1983年1月27日 - )は、アメリカ合衆国メリーランド州アナランデル郡アナポリス出身の元プロ野球選手投手)。

ガビン・フロイド
Gavin Floyd
ホワイトソックス時代
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 メリーランド州アナランデル郡アナポリス
生年月日 (1983-01-27) 1983年1月27日(40歳)
身長
体重
6' 6" =約198.1 cm
235 lb =約106.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2001年 MLBドラフト1巡目(全体4位)でフィラデルフィア・フィリーズから指名
初出場 2004年9月3日 ニューヨーク・メッツ
最終出場 2016年6月25日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

メディアによっては「ギャビン・フロイド」と表記される場合もある。

経歴

プロ入りとフィリーズ時代

2001年MLBドラフト1巡目(全体4位)でフィラデルフィア・フィリーズから指名され、8月24日に契約。

2002年、傘下のA級レイクウッド・ブルークロウズでプロデビュー。27試合に登板して11勝10敗・防御率2.77・140奪三振の成績を残した。

2003年はA+級クリアウォーター・フィリーズでプレーし、24試合に登板して7勝8敗・防御率3.00・115奪三振の成績を残した。

2004年はまずAA級レディング・フィリーズでプレーし、20試合に登板して6勝6敗・防御率2.57・94奪三振の成績を残した。8月にAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レッドバロンズへ昇格。AAA級スクラントン・ウィルクスバリでは5試合に登板して1勝3敗・防御率4.99・18奪三振の成績を残した。9月3日にフィリーズとメジャー契約を結び、同日のニューヨーク・メッツ戦でメジャーデビュー。7回を4安打1失点5奪三振に抑え、メジャー初勝利を挙げた。この年メジャーでは6試合に登板して2勝0敗・防御率3.49・24奪三振の成績を残した。

2005年は開幕ロースター入りし、シーズン初登板となった4月9日のセントルイス・カージナルス戦では、7回を3安打1失点に抑え、幸先の良いスタートを切った。2度目の登板となった15日のアトランタ・ブレーブス戦では、3.1回を投げ5安打8失点を喫し、メジャー初黒星を記録すると、リリーフへ配置転換された。しかし転向後2試合連続で救援失敗を犯してしまい、24日にAAA級スクラントン・ウィルクスバリへ降格した[1]。降格後はAAA級スクラントン・ウィルクスバリで24試合に登板して6勝9敗・防御率6.16・66奪三振の成績を残した。登録枠が拡大された9月2日にメジャーへ昇格[2]。昇格後は先発に復帰したが、勝ち星に恵まれなかった。この年は7試合に登板して1勝2敗・防御率10.04・16奪三振の成績を残した。

2006年は開幕ローテーションに加わったが、11試合の登板で、防御率7.29と結果を残せず、6月2日にAAA級スクラントン・ウィルクスバリへ降格した[3]。AAA級スクラントン・ウィルクスバリでは17試合に登板して7勝4敗・防御率4.23・38奪三振の成績を残した。セプテンバー・コールアップの際にもメジャーへ昇格することはなく、そのままシーズンを終えた。この年は11試合に登板して4勝3敗・防御率7.29・32奪三振の成績を残した。

ホワイトソックス時代

2006年12月7日にフレディ・ガルシアとのトレードで、ジオ・ゴンザレスと共にシカゴ・ホワイトソックスへ移籍[4]

2007年2月27日にホワイトソックスと1年契約に合意[5]。開幕前まで先発5番手の座をジョン・ダンクスと競争する形になったが、スプリングトレーニング中のオープン戦6試合で0勝3敗・防御率9.00と結果を残せず、対するダンクスは7試合の登板で2勝1敗・防御率5.91とフロイドを上回り、ダンクスが5番手を獲得。敗れたフロイドは3月28日に傘下のAAA級シャーロット・ナイツへ異動し[6]、そのまま開幕を迎えた。7月5日にメジャーへ昇格[7]。同日のミネソタ・ツインズとのダブルヘッダー2試合目に登板したが、5.2回を8安打6失点で敗戦投手となり、10日に降格[8]。24日に再昇格した[9]。昇格後はなかなか先発で結果を残せず、リリーフに配置転換されるなど、苦悩の日々が続いた。8月から先発に固定されたが、勝ち星を挙げることはできなかった。この年は16試合(先発10試合)に登板して1勝5敗・防御率5.27・49奪三振の成績を残した。

2008年2月27日にホワイトソックスと1年契約に合意[10]。開幕ローテーションに加わり、この年は自己最多の33試合に登板。チームトップの17勝(8敗)を挙げ、防御率3.84・145奪三振の成績を残した。チームはフロイドの活躍もあって地区優勝を果たし、タンパベイ・レイズとのディビジョンシリーズへ進出。1勝2敗で迎えた第4戦に登板したが、3回を投げ5安打4失点を喫し、チームは敗退した。

2009年2月25日にホワイトソックスと1年契約に合意した[11]が、3月22日に総額1550万ドルの4年契約[12](2013年・950万ドルの球団オプション付き)を結んだ[13]。この年は30試合に登板して11勝11敗・防御率4.06・163奪三振の成績を残した。

2010年は31試合に登板して10勝13敗・防御率4.08・151奪三振の成績を残した。7月は5試合の先発で、3勝1敗・防御率0.80、許した失点は3点のみという好成績を残し、8月4日に7月度の「ピッチャー・オブ・ザ・マンス」を受賞した[14]

2011年は31試合に登板して12勝13敗・防御率4.37・151奪三振の成績を残した。

2012年もエースとして開幕から登板していたが、7月17日に15日間の故障者リスト入りした[15]。7月23日に復帰し[16]、復帰後は7試合に登板したが、8月28日に右肘の故障で再び15日間の故障者リスト入りした[17]。9月12日に復帰[18]。この年は故障で2度離脱したものの、29試合に登板し、5年連続の二桁勝利となる12勝(11敗)を挙げ、防御率4.29・144奪三振の成績を残した。オフの10月30日にホワイトソックスが950万ドルの球団オプションを行使した[19]

2013年も開幕ローテーションに加わったが、開幕3連敗を喫し、4月27日のレイズ戦で右肘を痛め、翌28日に15日間の故障者リスト入りした[20]。5月6日にトミー・ジョン手術を行うことが発表され[21]、5月7日に60日間の故障者リストへ異動した。その後は手術の影響で全休した。この年は5試合の登板にとどまり、0勝4敗・防御率5.18・25奪三振の成績だった。オフの10月31日にFAとなった。ホワイトソックスは手術後ということもあり、1410万ドルのクオリファイング・オファーを提示しなかった[22]

ブレーブス時代

2013年12月16日にアトランタ・ブレーブスと450万ドルの1年契約を結んだ[23][24]

2014年3月23日に前年の手術の影響で、15日間の故障者リスト入りした[25]。4月1日にリハビリのため、傘下のAAA級グウィネット・ブレーブスへ異動。5月4日に故障者リストから復帰し[26]、6日のセントルイス・カージナルス戦でメジャー復帰登板を果たした。復帰後は9試合に登板したが、6月20日に右肘の故障で再び15日間の故障者リスト入りした[27]。その後X線検査を行い、右肘頭の骨折と診断された[28]。その後MRI検査を受け、25日に右肘頭の修復手術を行った[29]。当初は再びトミー・ジョン手術を受ける可能性があったため、フロイドは「トミー・ジョン(手術)とは関係なかったことに感謝している」と話した[30]。7月31日に60日間の故障者リストへ異動し、そのままシーズンを終えた。この年は9試合に登板して2勝2敗・防御率2.65・45奪三振の成績を残した。オフの10月30日にFAとなった。

インディアンス時代

2014年12月16日にクリーブランド・インディアンスと400万ドルの1年契約を結んだ[31][32]

前年までは先発での登板がメインだったが、2015年は先発投手としてマウンドに立つ事はなく、リリーフのみで7試合に投げただけに終わった。防御率は2.70を記録し、2年連続で2.00台をキープした。オフの11月2日にFAとなった[33]

ブルージェイズ時代

2016年2月7日にトロント・ブルージェイズと1年100万ドルで契約を結んだ[34]。ブルージェイズでも引き続きリリーフの役割を担い、28試合に登板して2勝4敗・防御率4.06・WHIP1.00・30奪三振という成績を残した。また、2013年に次ぐ自己2位の奪三振率8.7をマークした。オフの11月3日にFAとなった。

2017年1月5日にマイナー契約で再契約してスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[35]が、4月5日に自由契約となった[36]

投球スタイル

カーブの曲がり方が凄まじく、調子のよい時はドロップカーブのように垂直に落ちる。メジャーデビューした2004年9月3日の試合前、ブルペンで投球練習をしていた際、当時、投手コーチを務めていたジョー・ケリガンが、「Unbelievable」と連呼したほどである。また、当時チームメイトであったケビン・ミルウッドは、「メジャーでもトップ3に入るカーブだ」と絶賛している。

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2004 PHI 6400020001.00012628.12511605241111113.491.45
2005 740001200.33312726.030516231720312910.041.77
2006 11111104300.57126454.170143233342048447.291.88
2007 CWS 16100001500.16731470.085171906491045415.271.49
2008 333310017800.680878206.119030706914590107883.841.26
2009 3030100111100.500797193.01782159421638093874.061.23
2010 3131100101300.435798187.11991458461519192854.081.37
2011 3130100121300.480798193.2180224521115112197944.371.16
2012 2929000121100.522724168.016622632141448084804.291.36
2013 550000400.00011024.12741210251015145.181.60
2014 ATL 990002200.50022954.15561303456023162.651.25
2015 CLE 700000000----5513.1110401710442.701.13
2016 TOR 2800002406.33312431.0234813304014144.061.00
通算:13年 243196510747606.49353441250.0123916041525669856436646074.371.32
  • 各年度の太字はリーグ最高

獲得タイトル・表彰・記録

MiLB
MLB

背番号

  • 41(2004年)
  • 34(2005年 - 2013年)
  • 32(2014年)
  • 26(2015年)
  • 39(2016年)

脚注

  1. Jon Cooper (2005年4月25日). Notes: Floyd gets fresh start in Minors (英語). MLB.com. 2016年2月8日閲覧。
  2. Jon Cooper (2005年9月2日). Notes: Wagner not focused on streak (英語). MLB.com. 2016年2月8日閲覧。
  3. "Floyd optioned to Scranton/Wilkes-Barre; Brito recalled" (Press release) (英語). MLB.com (Philadelphia Phillies). 2 June 2006. 2016年2月8日閲覧
  4. "White Sox acquire Gio Gonzalez from Philadelphia as player to be named later" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 7 December 2006. 2016年2月8日閲覧
  5. "White Sox agree to terms with 21 players on 2007 contracts" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 27 February 2007. 2016年2月8日閲覧
  6. "White Sox make roster moves" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 28 May 2007. 2016年2月8日閲覧
  7. "White Sox recall Gavin Floyd from Class AAA Charlotte" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 5 July 2007. 2016年2月8日閲覧
  8. "White Sox option Gavin Floyd to Class AAA Charlotte" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 10 July 2007. 2016年2月8日閲覧
  9. "White Sox recall Gavin Floyd from Class AAA Charlotte; option Dewon Day to Charlotte" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 24 July 2007. 2016年2月8日閲覧
  10. "White Sox agree to terms with 21 players on 2008 contracts" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 27 February 2008. 2016年2月8日閲覧
  11. "White Sox agree to terms with 22 players on 2009 contracts" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 25 February 2009. 2016年2月8日閲覧
  12. 2009年は75万ドル、2010年は275万ドル、2011年は500万ドル、2012年は700万ドル。
  13. "White Sox agree to terms on a four-year contract with Gavin Floyd" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 22 March 2009. 2016年2月8日閲覧
  14. Doug Padilla (2010年8月4日). Floyd named pitcher of the month (英語). ESPN. 2016年2月8日閲覧。
  15. "White Sox place Gavin Floyd on 15-day disabled list; reinstate Philip Humber" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 17 July 2012. 2016年2月8日閲覧
  16. "White Sox reinstate Gavin Floyd from 15-Day Disabled List" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 23 July 2012. 2016年2月8日閲覧
  17. "White Sox place Gavin Floyd on disabled list; Recall Dylan Axelrod" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 28 August 2012. 2016年2月8日閲覧
  18. "White Sox Reinstate Gavin Floyd from the Disabled List" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 12 September 2012. 2016年2月8日閲覧
  19. "White Sox exercise 2013 club option on Gavin Floyd" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 31 October 2012. 2016年2月8日閲覧
  20. "White Sox place Gavin Floyd on 15-Day Disabled List" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 28 April 2013. 2016年2月8日閲覧
  21. "Gavin Floyd to undergo season-ending surgery" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago White Sox). 6 May 2013. 2016年2月8日閲覧
  22. Scott Merkin (2013年11月5日). White Sox decline qualifying offers to Konerko, Floyd (英語). MLB.com. 2016年2月8日閲覧。
  23. "Braves agree to terms with Free-Agent Pitcher Gavin Floyd" (Press release). MLB.com (Atlanta Braves). 16 December 2013. 2016年2月8日閲覧
  24. Jerry Crasnick (2013年12月16日). Braves, Gavin Floyd complete deal (英語). ESPN. 2016年2月8日閲覧。
  25. "Atlanta Braves place five pitchers on disabled list" (Press release) (英語). MLB.com (Atlanta Braves). 23 March 2014. 2014年3月24日閲覧
  26. Mark Bowman, Joe Morgan (2014年5月4日). Floyd to start in place of Santana on Tuesday (英語). MLB.com. 2016年2月8日閲覧。
  27. Mark Bowman (2014年6月21日). Wood to return from Triple-A to take Floyd's place (英語). MLB.com. 2016年2月8日閲覧。
  28. Mark Bowman (2014年6月22日). Floyd has MRI to determine extent of injury”. MLB.com. 2016年2月8日閲覧。
  29. Mark Bowman (2014年6月27日). Floyd undergoes season-ending surgery (英語). MLB.com. 2016年2月8日閲覧。
  30. Mark Bowman; Joe Morgan (2014年7月1日). Floyd taking latest elbow injury in stride (英語). MLB.com. 2016年2月8日閲覧。
  31. "Indians sign RHP Gavin Floyd" (Press release) (英語). MLB.com (Cleveland Indians). 17 December 2014. 2016年2月8日閲覧
  32. Adam McCalvy (2014年12月16日). Indians sign right-hander Floyd to 1-year deal (英語). MLB.com. 2016年2月8日閲覧。
  33. Transactions | indians.com (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月4日閲覧。
  34. Gregor Chisholm (2016年2月6日). Blue Jays come to terms with Floyd (英語). MLB.com. 2016年2月8日閲覧。
  35. Adams, Steve (2017年1月5日). Blue Jays Sign Gavin Floyd To Minor League Deal”. mlbtraderumors.com. 2017年2月4日閲覧。
  36. Adams, Steve (2017年4月6日). Blue Jays Release Gavin Floyd”. mlbtraderumors.com. 2017年4月28日閲覧。

関連項目

外部リンク

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