オオサンショウウオ科

オオサンショウウオ科(オオサンショウウオか、Cryptobranchidae)は、両生綱有尾目に属する科。模式属ヘルベンダー属

オオサンショウウオ科
ヘルベンダー
ヘルベンダー Cryptobranchus alleganiensis
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 有尾目 Urodela
上科 : サンショウウオ上科
Cryptobranchoidea
: オオサンショウウオ科
Cryptobranchidae
属、種

分布

アメリカ合衆国東部、中華人民共和国東部、日本本州西部、九州北東部)

形態

最大種はタイリクオオサンショウウオで最大全長152cm。最小種はヘルベンダーで全長31-74cm。体形は扁平。尾はやや短く先端は側偏して鰭状になり、泳ぐのに適している。

眼は小型で、瞼はない。体側面の皮膚が襞状に伸長し、表面積を増やすことで皮膚呼吸に適していると考えられている。肺を持つ。四肢や指趾は短く頑丈で、前肢の指が4本、後肢の趾は5本。

分類

オオサンショウウオ属 Andrias

ヘルベンダー属 Cryptobranchus

生態

流れの速い河川などに生息する。完全水生。岩や倒木の下を巣穴にする。危険を感じると匂いの強い粘着質を皮膚から分泌して身を守る。

食性は動物食で、魚類甲殻類貝類ミミズなどを食べる。

繁殖形態は卵生。岩や倒木の下などに数珠状の卵を産む。

人間との関係

オオサンショウウオ属の構成種は食用とされることもあった。

オオサンショウウオ属はワシントン条約附属書I類に掲載され、商業目的の国際的な流通は禁止されている。ヘルベンダーのみペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。

なお、この類の化石はヨーロッパからも発見されており、18世紀に発見されたものは、ノアの洪水で死んだヒトの化石と判断され、その学名は Homo diluvii testis (ラテン語Man, a witness of the Delugeの意)と名付けられた。しかしシーボルトが日本から持ち帰ったオオサンショウウオの研究により、これが巨大な両生類であることをキュヴィエが見いだした。それにより、後に属名は Andrias (ヒトのようなもの)に変更されたが、発見者ヨハン・ヤーコブ・ショイヒツァーに敬意を表し Andrias scheuchzeri と名付けられた。ちなみにカレル・チャペックのSF小説である『山椒魚戦争』に登場するサンショウウオ(アンドリアス・ショイフツェリ)はこの子孫であるということになっている。

画像

関連項目

参考文献

  • 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、230、295頁。
  • 山崎利貞 『爬虫・両生類ビジュアルガイド イモリ・サンショウウオの仲間 有尾類・無足類』、誠文堂新光社2005年、22-23頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生類・はちゅう類』、小学館2004年、20頁。
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