ダービーステークス

ダービーステークスDerby Stakes)は、イギリスエプソム競馬場、1マイル4ハロン6ヤード、約2420メートル)で行われる競馬の競走である。

ダービーステークス
Derby Stakes
2012年のダービーステークス
開催国 イギリスの旗イギリス
競馬場 エプソム競馬場
創設 1780年5月4日
2017年の情報
距離 芝12f6y(約2420m
格付け G1
賞金 賞金総額1,625,000英ポンド[1]
出走条件 サラブレッド3歳牡馬牝馬
負担重量 牡馬126ポンド(約57.2kg
牝馬123ポンド(約55.8kg)

他国のダービーと区別するために、欧米では会場の競馬場にちなみ、特にエプソムダービーEpsom Derby)という呼称も多く見られる。日本のメディア、特にテレビなどではイギリスダービーと呼ばれることもある。

1776年にイギリス最古のクラシック競走・セントレジャーステークスの盛大さを見たダービー伯爵エドワード・スミス=スタンリーとイギリスジョッキークラブ会長のチャールズ・バンベリー準男爵、そしてスタンリーの義叔父であるジョン・バーゴイン将軍の3人によって、1779年に創設されていたオークスステークスの牡馬版として創設された。

概要

この競馬競走名の由来については、1780年に創始者のダービー伯爵とバンベリー準男爵の間でいずれの名を冠するかをコイントスによって決定したとの逸話がある[2]。ダービー伯爵は創始者のバンベリー準男爵を記念して付けたかったがバンベリー準男爵は片田舎のレースに自分の名を冠されることをよしとせず、双方譲り合ったために最後はくじで決めることになったという[注 1]

出走条件は3歳限定で、繁殖馬の選定のために行われるので騸馬の出走はできない(かつては出走できた時期があったが、優勝したことはない)。1歳時に出走登録を済ませていない馬は、追加登録料を支払わないと出走できない。ダービートライアルステークスなど本競走の試走的な位置付けの競走も存在するが、日本の中央競馬トライアル競走のようなそれらの競走での上位入線による優先出走権はない。

距離は創設から3年間は1マイルの直線コースで行われ2代目・3代目・現在のコースになると1マイル4ハロン(約2400メートル)に延長されたが1991年に計測された結果、10ヤード程度ほど長いことが判明した。尚、現在の伝統のあるダービーコースは1872年から施行される様になった4代目のコースにあたる。

なおウィンストン・チャーチル(第61・63代イギリス首相)が「ダービー馬のオーナーになることは一国の宰相になることより難しい」と述べたというエピソードがあるが、これは後世の創作であることが確認されている。しかし、それは巷間では今なお広く信じられており、ダービーに勝つことの難しさとその名誉を物語っている。なおイギリスでは第5代ローズベリー伯爵アーチボルド・プリムローズが実際に首相在任期間中に2頭のダービー馬のオーナーになったことがあるが、そのことを自慢するスピーチを行ったところ首相の地位と競馬の一競走の優勝馬の所有者の地位を同列に扱ったことを不見識と非難された[3]

現在、世界各国で本競走を模範としてダービーの名を冠した競走が開催されている。詳しくはダービー (競馬)を参照。

歴史

1821年のダービーステークス
  • 1780年 創設、優勝馬はバンベリー卿の所有馬・ダイオメド(Diomed)
  • 1787年 サーピーターティーズル(Sir Peter Teazle)がダービー卿の所有馬として初めて優勝
  • 1797年 馬名未登録馬が優勝
  • 1784年 施行距離を1マイルから1マイル4ハロンに延長(2代目ダービーコース)
  • 1828年 キャドランド(Cadland)とザカーネル(The Colonel)が1着同着、後日に決勝レースを施行しキャドランドが勝利
  • 1844年 ランニングレイン事件。1着入線のランニングレイン(Running Rein)が、実は別の4歳馬が替え玉として出走していたことが発覚し失格、2着馬のオーランド(Orlando)が繰上げ優勝。このほかこの競走ではもう1件出走馬の替え玉があったこと、1番人気・2番人気が2頭とも八百長により故意に敗れていたことが露見した[4]
  • 1846年 競走タイムの計測を施行
  • 1848年 施行コースを変更する(3代目ダービーコース)
  • 1872年 施行距離を1マイル4ハロン29ヤードに延長(現在のコース)
  • 1884年 ハーヴェスター(Harvester)とセントガティエン(St Gatien)がダービー史上初の同着優勝
  • 1901年 競走タイムの計測を1秒表示から1/5秒表示に変更
  • 1909年 イギリス国王・エドワード7世の所有馬・ミノル(Minoru)が優勝
  • 1913年
    • 「確定(all right)」サインが出た後に異議が申し立てられ、審議の結果、1番人気で1位で入線した馬が失格となり、単勝101倍の馬が繰り上がり優勝となった[注 2]。既に当初の発表に基づく優勝の馬券の払い戻しを始めていたブックメーカーもいた。これ以降、イギリスの競馬界は「確定」の用語を使わなくなった[5][6][7]
    • 競走中、1人の婦人参政権活動家の女性[注 3]が最終コーナー付近に侵入し、たまたま通りかかったイギリス国王・ジョージ5世の所有馬・アンマー(Anmer)の頭絡を掴もうとしてアンマーを転倒させた。騎手のハーバート・ジョーンズは落馬して肋骨骨折の重傷、アンマーは空馬のままゴールに入線した。蹴られ転倒に巻き込まれた女性は意識不明で病院に運ばれ、4日後に頭蓋骨骨折で死亡した[5][8][注 4]
    • 3位入線のデイコメットが審判に見逃され着外となった。
    • 上記により、4位ルヴォア、5位グレートスポーツもそれぞれ2着、3着とされた。
  • 1915年 - 1918年 第一次世界大戦によりニューマーケット競馬場ニューダービー(New Derby Stakes)の名称で施行距離1マイル4ハロンにて代替開催
  • 1921年 施行距離を1マイル4ハロンに短縮
  • 1927年 この年よりラジオ中継始まる。この時が世界初の競馬のラジオ中継となる
  • 1934年 施行距離を1マイル4ハロン5ヤードに延長
  • 1938年 施行距離を1マイル4ハロンに短縮
  • 1940年 - 1945年 第二次世界大戦によりニューマーケット競馬場で代替開催
  • 1961年 競走タイムの計測を1/5秒表示から1/10秒表示に変更
  • 1964年 競走タイムの計測を1/10秒表示から1/100秒表示に変更
  • 1991年 施行距離を実計測、1マイル4ハロン10ヤードと判明し表記を変更
  • 2017年 コース計測方法の改正により再計測を行い、1マイル4ハロン6ヤードに変更[9]
  • 2020年 新型コロナウイルス感染拡大の影響で7月に順延開催
  • 2021年 イギリスのオンライン中古車販売プラットフォーム「Cazoo」がスポンサーとなる[10]

歴代スポンサー

歴代優勝馬

回数施行日調教国・優勝馬性齢タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1780年5月4日Diomed牡3S.Arnullサー・チャールズ・バンベリー en
第2回1781年5月24日Young Eclipse牡3C.Hindleyデニス・オケリー
第3回1782年5月9日Assassin牡3S.ArnullF.Neale第3代エグレモント伯爵 en
第4回1783年5月29日Saltram牡3C.HindleyF.NealeJ.Parker
第5回1784年5月20日Serjeant牡3J.ArnullC.Khan
第6回1785年5月5日Aimwell牡3C.HindleyJ.PrattT.Panton
第7回1786年5月31日Noble牡3J.WhiteF.NealeLord Clemont
第8回1787年5月24日Sir Peter Teazle牡3S.Arnull第12代ダービー伯爵
第9回1788年5月8日Sir Thomas牡3W.SouthF.Nealeウェールズ公ジョージ王子
第10回1789年5月28日Skyscraper牡3S.ChifneyM.Stephenson第5代ベドフォード公爵 en
第11回1790年5月20日Rhadamanthus牡3J.ArnullJ.Pratt初代グロヴナー伯爵 en
第12回1791年6月9日Eager牡3M.StephensonM.Stephenson第5代ベドフォード公爵
第13回1792年5月24日John Bull牡3F.BuckleJ.Pratt初代グロヴナー伯爵
第14回1793年5月16日Waxy牡3B.CliftR.Robsonサー・ファーディナンド・プール
第15回1794年6月5日Daedalus牡3F.BuckleJ.Pratt初代グロヴナー伯爵
第16回1795年5月21日Spread Eagle牡3A.WheatleyR.Princeサー・フランク・スタンディッシュ
第17回1796年5月12日Didelot牡3J.ArnullR.Princeサー・フランク・スタンディッシュ
第18回1797年6月1日(Unnamed)牡3J.SingletonM.Stephenson第5代ベドフォード公爵
第19回1798年5月24日Sir Harry牡3S.ArnullF.Nealeジョゼフ・クックソン
第20回1799年5月9日Archduke牡3J.ArnullR.Princeサー・フランク・スタンディッシュ
第21回1800年5月29日Champion牡3B.CliftT.Perrenクリストファー・ウィルソン
第22回1801年5月21日Eleanor牝3J.Saundersサー・チャールズ・バンベリー
第23回1802年6月3日Tyrant牡3F.BuckleR.Robson第3代グラフトン公爵
第24回1803年5月26日Ditto牡3B.CliftJ.Lonsdaleサー・ヘドワース・ウィリアムソン
第25回1804年5月17日Hannibal牡3B.ArnullF.Neale第3代エグレモント伯爵
第26回1805年5月30日Cardinal Beaufort牡3D.FitzpatrickD.Boyce第3代エグレモント伯爵
第27回1806年5月22日Paris牡3J.ShepherdR.Prince第3代フォーレー男爵 en
第28回1807年5月14日Election牡3J.ArnullD.Boyce第3代エグレモント伯爵
第29回1808年6月2日Pan牡3F.CollinsonJ.Lonsdaleサー・ヘドワース・ウィリアムソン
第30回1809年5月18日Pope牡3T.GoodisonR.Robson第3代グラフトン公爵
第31回1810年6月7日Whalebone牡3B.CliftR.Robson第3代グラフトン公爵
第32回1811年5月30日Phantom牡3F.BuckleJ.Edwardsサー・ジョン・シェリー
第33回1812年5月14日Octavius牡3B.ArnullD.Boyceロバート・ラドブローク
第34回1813年6月3日Smolensko牡3T.GoodissonCrouchサー・チャールズ・バンベリー
第35回1814年5月26日Blucher牡3B.ArnullD.Boyce第2代ストール男爵
第36回1815年5月25日Whisker牡3T.GoodisonR.Robson第4代グラフトン公爵 en
第37回1816年5月30日Prince Leopold牡3W.WheatleyW.Butlerヨーク公爵フレデリック王子
第38回1817年5月22日Azor牡3J.RobinsonR.RobsonJ P.Young
第39回1818年5月28日Sam牡3S.Chifney jr.W.Chifneyトーマス・ソーンヒル
第40回1819年5月27日Tiresias牡3B.CliftR.Prince第4代ポートランド公爵 en
第41回1820年5月18日Sailor牡3S.Chifney jr.W.Chifneyトーマス・ソーンヒル
第42回1821年6月7日Gustavus牡3S.DayCrouchジョン・ハンター
第43回1822年5月23日Moses牡3T.GoodisonW.Butlerヨーク公爵フレデリック王子
第44回1823年5月29日Emilius牡3F.BuckleR.Robsonジョン・アドニー
第45回1824年6月3日Cedric牡3J.RobinsonJ.Edwardsサー・ジョン・シェリー
第46回1825年5月19日Middleton牡3J.RobinsonJ.Edwards第5代ジャージー伯爵 en
第47回1826年5月25日Lap-Dog牡3G.DockearyBird第3代エグレモント伯爵
第48回1827年5月31日Mameluke牡3J.RobinsonJ.Edwards第5代ジャージー伯爵
第49回1828年5月22日Cadland牡3J.RobinsonD.Boyce第5代ラトランド公爵 en
第50回1829年6月4日Frederick牡3J.ForthJ.Forthウィリアム・グラトウィック
第51回1830年5月27日Priam牡3S.DayW.Chifneyウィリアム・チフニー
第52回1831年5月19日Spaniel牡3W.Wheatleyローサー子爵 en
第53回1832年6月7日St Giles牡3B.Scottロバート・リズデイル
第54回1833年5月23日Dangerous牡3J.Chappleアイザック・サドラー
第55回1834年5月29日Plenipotentiary牡3P.Conollyスタンレイク・バトソン
第56回1835年6月4日Mundig牡3B.ScottJ.Scottジョン・ボウズ en
第57回1836年5月19日Bay Middleton牡3J.RobinsonJ.Edwards第5代ジャージー伯爵
第58回1837年5月25日Phosphorus牡3G.Edwards第9代バーナーズ男爵
第59回1838年5月30日Amato牡3J.ChappleR.Sherwoodサー・ギルバート・ヒースコート
第60回1839年5月15日Bloomsbury牡3S.TemplemanW.Ridsdaleウィリアム・リズデイル
第61回1840年6月3日Little Wonder牡3W.MacdonaldJ.Forthデイヴィッド・ロバートソン
第62回1841年5月26日Coronation牡3P.Conollyエイブラハム・ローリンソン
第63回1842年5月25日Attila牡3B.ScottJ.ScottJ.Peel
第64回1843年5月31日Cotherstone牡3B.ScottJ.Scottジョン・ボウズ
第65回1844年5月22日Orlando牡3N.FlatmanCooperジョナサン・ピール en
第66回1845年5月28日The Merry Monarch牡3F.BellJ.ScottG.Gratwicke
第67回1846年5月27日Pyrrhus the First牡32:55S.DayJ.Dayジョン・ガリー en
第68回1847年5月19日Cossack牡32:52S.TemplemanJ.Day jr.T・H・ペドレイ
第69回1848年5月24日Surplice牡32:48S.TemplemanJ.Kent第3代クリフトゥン子爵 en
第70回1849年5月23日The Flying Dutchman牡33:00C.MarlowJ.Fobert第13代エグリントン伯爵 en
第71回1850年5月29日Voltigeur牡32:50J.MarsonR.Hill第2代ゼットランド伯爵
第72回1851年5月21日Teddington牡32:51J.Marsonサー・ジョゼフ・ハーレイ
第73回1852年5月26日Daniel O'Rourke牡33:20F.ButlerJ.Scottジョン・ボウズ
第74回1853年5月25日West Australian牡32:55F.ButlerJ.Scottジョン・ボウズ
第75回1854年5月31日Andover牡32:52A.DayJ.Day jr.ジョン・ガリー
第76回1855年5月23日Wild Dayrell牡32:54R.SherwoodRickabyフランシス・ポップハム
第77回1856年5月28日Ellington牡33:04T.AldcroftT.Dawsonオクタヴィウス・ヴァーノン・ハーコート en
第78回1857年5月27日Blink Bonny牝32:45J.CharltonW.I'Ansonウィリアム・イアンソン
第79回1858年5月19日Beadsman牡32:54J.WellsG.Manningサー・ジョゼフ・ハーレイ
第80回1859年6月1日Musjid牡32:59J.WellsG.Manningサー・ジョゼフ・ハーレイ
第81回1860年5月23日Thormanby牡32:55H.CustanceM.Dawsonジェイムズ・メリー
第82回1861年5月29日Kettledrum牡32:45R.BullcokOatesチャールズ・タウンリー
第83回1862年6月4日Caractacus牡32:45J.ParsonsR.Smithチャールズ・スニューイング
第84回1863年5月20日Macaroni牡32:50T.ChalonerGoodingリチャード・ネイラー
第85回1864年5月25日Blair Athol牡32:43J.SnowdenW.I'Ansonウィリアム・イアンソン
第86回1865年5月31日Gladiateur牡32:46H.GrimshawT.Jenningsフレデリック・ド・ラグランジュ伯爵
第87回1866年5月16日Lord Lyon牡32:50H.CustanceJ.Doverリチャード・サットン
第88回1867年5月22日Hermit牡32:46J.DaleyBlossヘンリー・チャップリン
第89回1868年5月27日Blue Gown牡32:50J.WellsJ.Porterサー・ジョゼフ・ハーレイ
第90回1869年5月26日Pretender牡32:52J.OsborneT.Dawsonジョン・ジョンストン
第91回1870年6月1日Kingcraft牡32:45T.FrenchM.Dawson第6代ファルマス子爵
第92回1871年5月24日Favonius牡32:50T.FrenchJ.Hayhoeメイヤー・アムシェル・ド・ロスチャイルド男爵
第93回1872年5月29日Cremorne牡32:45C.MaimentW.Gilbertヘンリー・サヴィル
第94回1873年5月28日Doncaster牡32:50F.WebbR.Peckジェイムズ・メリー
第95回1874年6月3日George Frederick牡32:46H.CustanceT.LeaderW・S・カートライト
第96回1875年5月26日Galopin牡32:48J.MorrisJ.Dawsonバッチャーニ・グスターフ伯爵
第97回1876年5月31日Kisber牡32:44C.MaidmentJ.HayhoeA.Baltazzi hu
第98回1877年5月30日Silvio牡32:50F.ArcherM.Dawson第6代ファルマス子爵
第99回1878年6月5日Sefton牡32:56H.ConstableA.Taylorウィリアム・スターリング・クロフォード
第100回1879年5月28日Sir Bevys牡33:02G.FordhamJ.Hayhoeアクトン氏[13][注 5]
第101回1880年5月26日Bend Or牡32:46F.ArcherR.Peck初代ウェストミンスター公爵
第102回1881年6月1日Iroquois牡32:50F.ArcherJ.Pincusピエール・ロリラード4世 en
第103回1882年5月24日Shotover牝32:45T.CannonJ.Porter初代ウェストミンスター公爵
第104回1883年5月23日St Blaise牡32:48T.CannonJ.Porterサー・フレデリック・ジョンストン
第105回1884年5月28日Harvester牡32:46C.WoodR.SherwooodSir L.Willoughby
St Gatien 牡3 S.Loates J.Jewitt ジャック・ハモンド
第106回1885年6月3日Melton牡32:44F.ArcherM.Dawson第20代ヘイスティングス男爵
第107回1886年5月26日Ormonde牡32:45F.ArcherJ.Porter初代ウェストミンスター公爵
第108回1887年5月25日Merry Hampton牡32:43J.WattsM.GurryLord Abington
第109回1888年5月30日Ayrshire牡32:43F.BarrettG.Dawson第6代ポートランド公爵
第110回1889年6月5日Donovan牡32:43T.LoatesG.Dawson第6代ポートランド公爵
第111回1890年6月4日Sainfoin牡32:49J.WattsJ.Porterサー・ジェイムズ・ミラー
第112回1891年5月27日Common牡32:56G.BarrettJ.Porterサー・フレデリック・ジョンストン
第113回1892年6月1日Sir Hugo牡32:44F.AllsoppT.Wadlow第3代ブラッドフォード伯爵
第114回1893年5月31日Isinglass牡32:43T.LoatesJ.Jewittハリー・マッカルモント en
第115回1894年6月6日Ladas牡32:45J.WattsM.Dawson第5代ローズベリー伯爵
第116回1895年5月29日Sir Visto牡32:43S.LoatesM.Dawson第5代ローズベリー伯爵
第117回1896年6月3日Persimmon牡32:42J.WattsR.Marshウェールズ公エドワード王子
第118回1897年6月2日Galtee More牡32:44C.WoodS.Darlingジョン・ガビンズ
第119回1898年5月25日Jeddah牡32:47O.MaddenR.Marshジェイムズ・ラーナック
第120回1899年5月31日Flying Fox牡32:42M.CannonJ.Porter初代ウェストミンスター公爵
第121回1900年5月30日Diamond Jubilee牡32:42H.JonesR.Marshウェールズ公エドワード王子
第122回1901年6月5日Volodyovski牡32:40 4/5L.ReiffJ.Hugginsウィリアム・コリンズ・ホイットニー
第123回1902年6月4日イギリスの旗Ard Patrick牡32:42 1/5S.MartinS.Darlingジョン・ガビンズ
第124回1903年5月27日イギリスの旗Rock Sand牡32:42 4/5D.MaherG.Blackwellサー・ジェイムズ・ミラー
第125回1904年6月1日イギリスの旗St Amant牡32:45 2/5K.CannonA.Hayhoeレオポルド・ド・ロスチャイルド
第126回1905年5月31日Cicero牡32:39 3/5D.MaherP.Peck第5代ローズベリー伯爵
第127回1906年5月30日Spearmint牡32:36 4/5D.MaherP.Gilpinユーステス・ローダー
第128回1907年6月5日アイルランドの旗Orby牡32:44 0/5J.ReiffF.McCabeリチャード・クローカー en
第129回1908年6月3日Signorinetta牝32:39 4/5B.BullockC.Ginistrelliエドアルド・ジニストレーリ
第130回1909年5月26日イギリスの旗Minoru牡32:42 2/5H.JonesR.Marshイギリス王エドワード7世
第131回1910年6月1日イギリスの旗Lemberg牡32:35 1/5B.DillonA.Taylorアルフレッド・コックス
第132回1911年5月31日イギリスの旗Sunstar牡32:36 4/5G.SternC.Mortonジャック・B・ジョエル
第133回1912年6月5日Tagalie牝32:38 4/5J.ReiffD.Waughウォルター・ラファエル
第134回1913年6月4日Aboyeur牡32:37 3/5E.PiperT.Lewisアラン・カンリフ
第135回1914年5月27日フランスの旗Durbar II牡32:36 2/5M.McGeeT.Murphyハーマン・デュリエ en
第136回1915年6月15日イギリスの旗Pommern牡32:32 3/5S.DonoghueC.Peckソロモン・ジョエル en
第137回1916年5月30日イギリスの旗Fifinella牝32:36 3/5J.ChildsD.Dawsonサー・エドワード・ハルトン en
第138回1917年7月31日イギリスの旗Gay Crusader牡32:40 3/5S.DonoghueA.Taylorアルフレッド・コックス
第139回1918年6月4日イギリスの旗Gainsborough牡32:33 1/5J.ChildsA.TaylorLady J.Douglas
第140回1919年6月4日Grand Parade牡32:35 4/5F.TemplemanF.Barling初代グランリー男爵 en
第141回1920年6月2日イギリスの旗Spion Kop牡32:34 4/5F.O'NeilP.Gilpinジャイルズ・ローダー
第142回1921年6月1日Humorist牡32:36 1/5S.DonoghueC.Mortonジャック・B・ジョエル
第143回1922年5月31日イギリスの旗Captain Cuttle牡32:34 3/5S.DonoghueF.Darling初代ウーラヴィントン男爵 en
第144回1923年6月6日イギリスの旗Papyrus牡32:38 0/5S.DonoghueB.Jarvisベン・アイリッシュ
第145回1924年6月4日イギリスの旗Sansovino牡32:46 3/5T.WestonG.Lambton第17代ダービー伯爵
第146回1925年5月27日イギリスの旗Manna牡32:40 3/5S.DonoghueF.Darlingヘンリー・E・モリス
第147回1926年6月2日イギリスの旗Coronach牡32:47 4/5J.ChildsF.Darling初代ウーラヴィントン男爵
第148回1927年6月1日イギリスの旗Call Boy牡32:34 2/5C.ElliotJ.Wattsフランク・カーゾン en
第149回1928年6月6日イギリスの旗Felstead牡32:34 4/5H.WraggO.Bellサー・ヒューゴー・カンリフ=オーエン en
第150回1929年6月5日イギリスの旗Trigo牡32:36 2/5J.MarshallD.Dawsonウィリアム・バーネット
第151回1930年6月4日イギリスの旗Blenheim牡32:38 1/5H.WraggD.Dawsonアーガー・ハーン3世
第152回1931年6月3日イギリスの旗Cameronian牡32:36 3/5F.FoxF.Darlingアーサー・デュワー
第153回1932年6月1日イギリスの旗April the Fifth牡32:43 1/5F.LaneT.Wallsトム・ウォールズ en
第154回1933年5月31日イギリスの旗Hyperion牡32:34 0/5T.WestonG.Lambton第17代ダービー伯爵
第155回1934年6月6日イギリスの旗Windsor Lad牡32:34 0/5C.SmirkeM.Marshラージピープラ藩王マハラナ・チャートラスィングジ
第156回1935年6月5日イギリスの旗Bahram牡32:36 0/5F.FoxF.Buttersアーガー・ハーン3世
第157回1936年5月27日イギリスの旗Mahmoud牡32:33 4/5C.SmirkeF.Buttersアーガー・ハーン3世
第158回1937年6月2日イギリスの旗Mid-Day Sun牡32:37 3/5M.BearyF.Buttersレティス・メアリ・ミラー
第159回1938年6月1日イギリスの旗Bois Roussel牡32:39 1/5C.ElliotF.Darlingピーター・ベイティ
第160回1939年5月24日イギリスの旗Blue Peter牡32:36 4/5E.SmithJ.Jarvis第6代ローズベリー伯爵 en
第161回1940年6月12日イギリスの旗Pont L'Eveque牡32:30 4/5S.WraggF.Darlingフレッド・ダーリング
第162回1941年6月18日イギリスの旗Owen Tudor牡32:32 0/5W.NevettF.Darlingキャサリン・マクドナルド=ブキャナン
第163回1942年6月13日Watling Street牡32:29 3/5H.WraggW.Earl第17代ダービー伯爵
第164回1943年6月19日イギリスの旗Straight Deal牡32:30 2/5T.CareyW.Nightingallドロシー・パジェット en
第165回1944年6月17日イギリスの旗Ocean Swell牡32:31 0/5W.NevettJ.Jarvis第6代ローズベリー伯爵
第166回1945年6月9日イギリスの旗Dante牡32:26 3/5W.NevettM.Peacockサー・エリック・オールソン
第167回1946年6月5日イギリスの旗Airborne牡32:44 3/5T.LowreyD.Perrymanジョン・E・ファーガソン
第168回1947年6月7日フランスの旗Pearl Diver牡32:38 2/5G.BridglandP.Carterジョフロワ・ド・ワルドナー男爵
第169回1948年6月5日フランスの旗My Love牡32:40 0/5R.JohnstoneR.CarverAga Khan III
第170回1949年6月4日イギリスの旗Nimbus牡32:42 0/5C.ElliotG.Collingマリオン・グレニスター
第171回1950年5月27日フランスの旗Galcador牡32:36 3/5R.JohnstoneC.Semblatマルセル・ブサック
第172回1951年5月30日イギリスの旗Arctic Prince牡32:39 2/5C.SparesW.Stephensonジョゼフ・マクグレース en
第173回1952年5月28日イギリスの旗Tulyar牡32:36 2/5C.SmirkeM.Marshアーガー・ハーン3世
第174回1953年6月6日イギリスの旗Pinza牡32:35 3/5G.RichardsN.Bertieサー・ヴィクター・サスーン en
第175回1954年6月2日イギリスの旗Never Say Die牡32:35 4/5L.PiggottJ.Lawsonロバート・スターリング・クラーク
第176回1955年5月25日フランスの旗Phil Drake牡32:39 4/5F.PalmerF.Mathetスージー・ヴォルテッラ
第177回1956年6月6日フランスの旗Lavandin牡32:36 2/5R.JohnstoneA.Headピエール・ヴェルテメール en
第178回1957年6月5日イギリスの旗Crepello牡32:35 2/5L.PiggottN.Murlessサー・ヴィクター・サスーン
第179回1958年6月4日アイルランドの旗Hard Ridden牡32:41 1/5C.SmirkeN.Rogersサー・ヴィクター・サスーン
第180回1959年6月3日イギリスの旗Parthia牡32:36 0/5W.H.CarrC.B-Rochfortサー・ハンフリー・ドゥ・トラフォード en
第181回1960年6月1日イギリスの旗St Paddy牡32:35 3/5L.PiggottN.Murlessサー・ヴィクター・サスーン
第182回1961年5月31日イギリスの旗Psidium牡32:36.5R.PoinceletH.Wraggエッティ・プレシュ en
第183回1962年6月6日アイルランドの旗Larkspur牡32:37.3N.SellwoodM.V.O'BrienPowhatan Stable
第184回1963年5月29日フランスの旗Relko牡32:39.4Y.Saint-MartinF.MathetF.Dupre
第185回1964年6月3日アイルランドの旗Santa Claus牡32:41.98S.BreasleyM.Rogersジョン・イズメイ
第186回1965年6月2日フランスの旗Sea Bird牡32:38.41T.P.GlennonE.Polletジャン・テルニンク
第187回1966年5月25日イギリスの旗Charlottown牡32:37.63S.BreasleyG.Smythジア・ワーナー en
第188回1967年6月7日イギリスの旗Royal Palace牡32:38.30G.MooreN.Murlessジム・ジョエル
第189回1968年5月29日アイルランドの旗Sir Ivor牡32:38.73L.PiggottM.V.O'BrienPowhatan Stable
第190回1969年6月4日イギリスの旗Blakeney牡32:40.30G.MooreI.Baldingアーサー・M・バジェット
第191回1970年6月3日アイルランドの旗Nijinsky牡32:34.68L.PiggottM.V.O'Brienチャールズ・W・エンゲルハード・ジュニア
第192回1971年6月2日イギリスの旗Mill Reef牡32:37.14G.LewisI.BaldingRokeby Stable
第193回1972年6月7日アイルランドの旗Roberto牡32:36.09L.PiggottM.V.O'BrienDarby Dan Farm
第194回1973年6月6日イギリスの旗Morston牡32:35.92E.HideA.Budgettアーサー・M・バジェット
第195回1974年6月5日イギリスの旗Snow Knight牡32:35.04B.TaylorP.NelsonN.Phillips & Windfields Farm
第196回1975年6月4日イギリスの旗Grundy牡32:35.35P.EdderyP.WalwynScuderia Vittadini Sociedad Regular Colectiva
第197回1976年6月2日フランスの旗Empery牡32:35.69L.PiggottM.Zilberネルソン・バンカー・ハント en
第198回1977年6月1日アイルランドの旗The Minstrel牡32:36.44L.PiggottM.V.O'Brienロバート・サングスター en
第199回1978年6月7日イギリスの旗Shirley Heights牡32:35.30G.StarkeyJ.Dunlop第2代ハリファックス伯爵 en
第200回1979年6月6日イギリスの旗Troy牡32:36.59W.CarsonW.Hernマイケル・ソベル en
アーノルド・ウェインストック en
第201回1980年6月4日イギリスの旗Henbit牡32:34.77W.CarsonW.HernMr A.Plesch
第202回1981年6月3日イギリスの旗Shergar牡32:44.21W.SwinburnM.Stouteアーガー・ハーン4世
第203回1982年6月2日アイルランドの旗Golden Fleece牡32:34.27P.J.EdderyM.V.O'Brienロバート・サングスター
第204回1983年6月1日イギリスの旗Teenoso牡32:49.07L.PiggottG.Wraggエリック・モラー
第205回1984年6月6日アイルランドの旗Secreto牡32:39.12C.RocheD.O'Brienルイージ・ミリティ
第206回1985年6月5日イギリスの旗Slip Anchor牡32:36.23S.CauthenH.Cecil第9代ハワード・ドゥ・ウォールデン男爵
第207回1986年6月4日イギリスの旗Shahrastani牡32:37.13W.SwinburnM.Stouteアーガー・ハーン4世
第208回1987年6月3日イギリスの旗Reference Point牡32:33.90S.CauthenH.Cecilルイス・フリードマン
第209回1988年6月1日イギリスの旗Kahyasi牡32:33.84R.CochraneL.Cumaniアーガー・ハーン4世
第210回1989年6月7日イギリスの旗Nashwan牡32:34.90W.CarsonW.Hernハムダン・ビン=ラーシド・アール=マクトゥーム en
第211回1990年6月6日イギリスの旗Quest for Fame牡32:37.26P.EdderyR.Charltonハーリド・ビン・アブドゥッラー王子
第212回1991年6月5日イギリスの旗Generous牡32:34.00A.MunroP.Coleファハド・ビン=サルマーン・アブドゥル=アズィーズ・アール=サウード en
第213回1992年6月3日イギリスの旗Dr Devious牡32:36.19J.ReidP.C-Hyamシドニー・クレイグ en
第214回1993年6月2日イギリスの旗Commander in Chief牡32:34.51M.KinaneH.Cecilハーリド・ビン・アブドゥッラー王子
第215回1994年6月1日イギリスの旗Erhaab牡32:34.16W.CarsonJ.Dunlopハムダン・ビン=ラーシド・アール=マクトゥーム
第216回1995年6月10日アラブ首長国連邦の旗Lammtarra牡32:32.31W.SwinburnS.bin Suroorサイード・ビン=マクトゥーム・アール=マクトゥーム en
第217回1996年6月8日イギリスの旗Shaamit牡32:35.05M.HillsW.Haggasハリーファ・ダスマル
第218回1997年6月7日イギリスの旗Benny the Dip牡32:35.77W.RyanJ.GosdenL.Knight & Claiborne Farm
第219回1998年6月6日アラブ首長国連邦の旗High-Rise牡32:33.88O.PeslierL.Cumaniムハンマド・オベイド・アール=マクトゥーム
第220回1999年6月5日イギリスの旗Oath牡32:37.43K.FallonH.Cecilサラブレッド・コーポレーション en
第221回2000年6月10日アイルランドの旗Sinndar牡32:36.75J.MurtaghJ.Oxxアーガー・ハーン4世
第222回2001年6月9日アイルランドの旗Galileo牡32:33.27M.KinaneA.O'Brienスーザン・マグナー
第223回2002年6月8日アイルランドの旗High Chaparral牡32:39.45J.MurtaghA.O'Brienマイケル・テイバー
第224回2003年6月7日イギリスの旗Kris Kin牡32:33.35K.FallonM.Stouteサイード・スハイル
第225回2004年6月5日イギリスの旗North Light牡32:33.72K.FallonM.Stouteバリーマコール・スタッド
第226回2005年6月4日イギリスの旗Motivator牡32:35.69J.MurtaghM.Bellロイヤル・アスコット・レーシング・クラブ
第227回2006年6月3日イギリスの旗Sir Percy牡32:35.23M.DwyerM.Tregoningアンソニー・パケナム
第228回2007年6月2日イギリスの旗Authorized牡32:34.77L.DettoriP.C-Hyamサレハ・アル=ホマイジ
イマード・アル=サガール
第229回2008年6月7日アイルランドの旗New Approach牡32:36.50K.ManningJ.BolgerMrs. J.Bolger
第230回2009年6月6日アイルランドの旗Sea the Stars牡32:36.74M.KinaneJ.Oxxクリストファー・ツイ
第231回2010年6月5日イギリスの旗Workforce牡32:31.33R.MooreM.Stouteハーリド・ビン・アブドゥッラー王子
第232回2011年6月4日フランスの旗Pour Moi牡32:34.54M.BarzalonaA.Fabreジョン・マグナー夫人、マイケル・テイバー、デレック・スミス
第233回2012年6月2日アイルランドの旗Camelot牡32:33.90J.O'BrienA.O'Brienデレック・スミス、ジョン・マグナー夫人、マイケル・テイバー
第234回2013年6月1日アイルランドの旗Ruler of the World牡32:39.06R.MooreA.O'Brienジョン・マグナー夫人、マイケル・テイバー、デレック・スミス
第235回2014年6月7日アイルランドの旗Australia牡32:33:63J.O'BrienA.O'BrienD.Smith, Mrs J.Magnier, M.Tabor, T.Ah Khing
第236回2015年6月6日イギリスの旗Golden Horn牡32:32:32L.DettoriJ.GosdenA.Oppenheimer
第237回2016年6月4日アイルランドの旗Harzand牡32:40.09P.SmullenD.WeldHH Aga Khan IV
第238回2017年6月3日アイルランドの旗Wings of Eagles牡32:33.02P.BeggyA.O'BrienD.Smith, Mrs J.Magnier, M.Tabor
第239回2018年6月2日イギリスの旗Masar牡32:34.93W.BuickC.ApplebyGodolphin
第240回2019年6月1日アイルランドの旗Anthony Van Dyck牡32:33.38S.HeffernanA.O'BrienD.Smith, Mrs J.Magnier, M.Tabor
第241回2020年7月4日アイルランドの旗Serpentine牡32:34.43E.McNamaraA.O'BrienM.Tabor,D.Smith, Mrs J.Magnier
第242回2021年6月5日イギリスの旗Adayar牡32:36.85A.KirbyC.ApplebyGodolphin
第243回2022年6月4日イギリスの旗Desert Crown牡32:36.38R.KingscoteM.StouteSaeed Suhail
第244回2023年6月3日アイルランドの旗Auguste Rodin牡32:33.88R.MooreA.O'BrienTabor / Smith / Maniger / Westernberg

各国の「ダービー」

脚注

注釈

  1. 現在、バンベリー準男爵の名を冠したバンベリーカップenと言う競走もあり、ニューマーケット競馬場で行われている。
  2. 4頭がもつれあってゴール、決勝審判は1番人気のクラガノール(Craganour)が1着、アタマ差の2着に単勝101倍の大穴アボイヤール(Aboyeur)、クビ差の3着に2000ギニー優勝馬のルーヴォイス(Louvois)と判定した。一度は確定(all right)を知らせる旗があがったが、主席裁決委員が異議を申し出て審議が行われた。審議の結果、ゴール直前にクラガノールがアボイヤールの妨害を行ったとして、判定が覆ってクラガノールは失格、アボイヤールが優勝と裁定された。一度確定サインが出たので、既にクラガノール優勝の馬券の払い戻しを始めていたブックメーカーもいた。これ以降、イギリスの競馬界は「確定」の用語を使わなくなった。なおこの主席裁決委員はクラガノールの生産者であった。当時の観客は、裁定とは逆に、ゴール前の混戦ではアボイヤールが加害馬でクラガノールが被害馬であると考えていたという。この年の2000ギニーでは、クラガノールとルーヴォイスが内外大きく離れてゴールに入り、決勝審判によってルーヴォイス1着と判定された。しかし実際には反対側にいたクラガノールのほうが1馬身前にいたのではないかとの疑いがある(当時はまだ写真判定導入前だった)。クラガノールの馬主は、前年に沈没して1500名あまりの死者を出したタイタニック号の社主の一族で、同社のブルース・イズメイ会長はタイタニック号に乗り合わせていたが自分は助かっていた。クラガノールの馬主はその実弟バウアー・イズメイであり、当時この一族はイギリス中から白眼視されていた。2000ギニーとダービーの主席裁決委員は同一人物であり、馬主であるバウアーはこの主席裁決委員の義理の妹と不倫をしており、主席裁決委員も個人的にバウアーを嫌悪していたという。また、この時の裁決委員は、規定上の定数3名に足りず、2名しかいなかったことがわかっている[5][6][7]
  3. この婦人参政権論者はエミリー・デイヴィソンといい、オックスフォード大学を卒業したあと、婦人参政権の活動家となって示威行為を繰り返し、7年間に9回投獄されている。罪状のなかには、ロンドンの路上の電信柱への放火、議会への侵入などがある。監獄ではハンガーストライキを行って3回出獄している[5][6]
  4. エミリー・デイヴィソンが加害した馬が国王の所有馬であったために、当時、彼女は王室を狙って注目を集めようとしたのだろうとみなされた。しかし、もとから彼女と行動をともにしていた一部の活動家を除いて、当時の世間の多くはその行為を賞賛しなかった。エミリーは実際には先頭を走っていたアボイヤールに近づこうとしたがうまくいかず、最後尾から3頭目を進んできたアンマーに接触している。今では、彼女には馬の見分けはつかず、衝突した馬がたまたま王室の馬だったのだろうと考えられている。また、彼女は帰りの切符などを所持していたことから、自身の命を賭すつもりはなく、意図せず誤って馬に衝突したものと今では考えられている[5]。ただし彼女は遺書などを携えていなかったので、真意がどうであったかはわかっていない[6][5]
  5. アクトン氏(Mr.Acton)とは、当時のロスチャイルド家当主のライオネル・ド・ロスチャイルドが使っていた仮定名称である[14]。ただし、実際にはその息子のレオポルド・ド・ロスチャイルドが実務を担っていたと広く考えられている[14]。レオポルドは1904年にSt. Amantで自分自身の名義でダービーを勝った[14]。なお、ライオネルはこの競走の6日後の1879年6月3日に死去している。

出典

  1. IFHA Investec Derby 2014年12月4日閲覧。
  2. 【世界史の遺風】(8)ダービー卿-馬で名を残した英国貴族(MSN産経ニュース 2012年5月24日)
  3. 原田俊治『世界の名馬』(サラブレッド血統センター)、209頁。
  4. 『ダービー その世界最高の競馬を語る』p27-35「ランニングレイン事件」
  5. 『ダービー その世界最高の競馬を語る』p83-88「もっとも不運な牡駒」
  6. 『The Derby : A celebration of the world's most famous horse race』p146-151「Tragedy at Tattenham Corner」
  7. 『Biographical Encyclopaedia of British Flat Racing』p2「Aboyeur」
  8. 『英国競馬事典』p55「エプソム競馬場」
  9. CHANGES TO FLAT RACE DISTANCE MEASUREMENTS - British Horseracing Authority、2017年6月25日閲覧
  10. 英ダービー、新スポンサーが決定”. JRA-VAN ver.World. 2021年4月2日閲覧。
  11. 英国ダービー、インベステック社との長期契約で最高額レースに返り咲く(イギリス)[開催・運営] - 海外競馬ニュース - 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (JAIRS)”. jairs-cs2.coresoft-net.co.jp. 2021年4月2日閲覧。
  12. “ダービーと英オークス、ブックメーカーのベットフレッドが新スポンサーに”. https://world.jra-van.jp/news_amp/N0012695/ 2023年6月7日閲覧。
  13. ニューヨーク・タイムズ氏 1879年5月29日付 2013年11月29日閲覧
  14. 『ダービー その世界最高の競馬を語る』p67-69「ロスチャイルド家の幸運」

各回競走結果の出典

  • 1780年から1889年までの優勝馬、優勝騎手、馬主の出典:Muir, J. B. (1890). Raciana, Or, Raiders' Colours of the Royal, Foreign, and Principal Patrons of the British Turf from 1762 to 1883 (英語). London: J. B. Muir. pp. 174–178.
  • レーシング・ポストより(最終閲覧日:2017年8月16日)

書誌情報

  • 『ダービー その世界最高の競馬を語る』アラステア・バーネット、ティム・ネリガン著、千葉隆章・訳、(財)競馬国際交流協会刊、1998
  • 『The Derby : A celebration of the world's most famous horse race』,Michael Wynn Jones,Croom Helm,London,1979
  • 『英国競馬事典』,レイ・ヴァンプルー、ジョイス・ケイ共著,山本雅男・訳,財団法人競馬国際交流協会・刊,2008
  • 『Biographical Encyclopaedia of British Flat Racing』Roger Mortimer and Richard Onslow and Peter Willet,Macdonald and jane's,1978,ISBN 0354085360

関連項目

外部リンク

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