ウッド・アンダーソン式地震計
ウッド・アンダーソン式地震計(英語: Wood-Anderson seismometer / Wood-Anderson seismograph)は、地震学者のハリー・ウッドとジョン・アンダーソンが1923年にアメリカで開発した地震計である[1][2]。ねじれ振子を用いた光学式の水平動地震計であり、振子(0.8g)の周期は0.8秒、倍率は2,800倍、減衰定数は0.8である[2][3][4]。アメリカの地震学者であるチャールズ・リヒターは、この地震計を利用して地震の規模を示す指標(マグニチュード)を考案・提唱した[5]。
地震計の特性
- 固有周期 0.8秒
- 重りの質量 0.8g
- 減衰定数 0.8
- 基本倍率 2,800倍 [6]
ローカル・マグニチュード
1935年、アメリカの地震学者であるチャールズ・リヒターは、このウッド・アンダーソン式地震計(当時カリフォルニアで使用されていた短周期地震計)を利用して世界で初めて地震の規模を示す指標を考案した[2][7]。この指標は一般的にローカル・マグニチュードと呼ばれているが、提唱者であるリヒターにちなんでリヒター・スケールとも呼ばれている。
ローカル・マグニチュード(リヒター・スケール)は「震央距離⊿=100kmの位置に置かれたウッド・アンダーソン式地震計で記録された最大記録振幅(単位:μ)の常用対数」と定義され[7][8]、は一般的に次の式で表されるようになった[9][7][4][10]。
- (⊿)
この時、はウッド・アンダーソン式地震計の1成分の記録紙上の最大振幅である[4]。また、(⊿)は校正関数であり、
などとなる[10]。
脚注
- “Wood-Anderson”. www.usgs.gov. USGS. 2023年5月9日閲覧。
- “理工電子資料館 ウッド-アンダーソン式地震計”. www.kahaku.go.jp. 国立科学博物館. 2023年5月9日閲覧。
- 宇津 2001, p. 24.
- 宇津 2001, p. 130〜131.
- H, Wang J. (1989). “Local magnitude determined from a simulated Wood-Anderson seismograph”. Tectonophysics 166: 15–26 .CRID 1573668926435126784
- 地震計博物館 (PDF) - 東京大学地震研究所 (P.8)
- “マグニチュードの定義”. www.kyoshin.bosai.go.jp. 2023年5月9日閲覧。
- “地震の大きさ”. www.s-yamaga.jp. 山賀進. 2023年5月9日閲覧。
- Ellsworth, William L. (1991). The Richter Scale , from The San Andreas Fault System, California (Professional Paper 1515). USGS. pp. c6, p177 2023年5月9日閲覧。.
- 気象庁マグニチュードと地震のエネルギー (PDF) - 伊藤榮信(P.1〜2)
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