ウィリアム・アランド

ウィリアム・アランド(William Alland、1916年3月4日 - 1997年11月11日)は、アメリカ合衆国俳優映画プロデューサー脚本家映画監督で、おもにSF映画西部劇の映画に関わった。オーソン・ウェルズの映画『市民ケーン』(1941年)では、新聞王ケーンの生涯を調査する記者の役を演じた。

ウィリアム・アランド
William Alland
生誕 (1916-03-04) 1916年3月4日
アメリカ合衆国 デラウェア州デルマー (Delmar)
死没1997年11月11日(1997-11-11)(81歳)
アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロングビーチ
職業俳優映画監督映画プロデューサー脚本家
活動期間1938年ころ - 1966年

来歴

アランドは20代はじめにニューヨークマンハッタンにやって来て、ヘンリー・ストリート・セツルメント (Henry Street Settlement) で提供されていた講座をいくつか受講し、そこでオーソン・ウェルズに出会った。アランドは、ウェルズのラジオドラマ宇宙戦争』(1938年)にも声の出演をした。また、ラジオドラマ『Doorway to Life』のプロデューサーとして、ピーボディ賞を受賞した[1]

『市民ケーン』においてアランドが演じた記者ジェリー・トンプソン (Jerry Thompson) は、カメラが決してクローズアップでその顔を捉えることがない、特異な役柄であり、実際、登場する場面のほとんどにおいて、彼はカメラに背を向けており、顔を見える場面は必ずロングショットで陰の中に置かれている。映画批評家ロジャー・イーバートが書いたDVD版『市民ケーン』の解説によると、アランドはあるとき聴衆の前で、もし自分が皆さんに背中を向ければ、誰だかお分かりいただけますよね、と語ったという。『市民ケーン』においてアランドは、当時人気のあったニュース映画『The March of Time』を模した架空のニュース映画『News on the March』のアナウンサーの声も担当していた。後年、アランドは2回、『News on the March』をパスティーシュした映像が出てくる場面で声の出演をした。そのひとつはオーソン・ウェルズの1974年の映画フェイク (F for Fake)』においてであり、もうひとつは1991年BBCで放送されたテレビ・ドキュメンタリー・シリーズ『Arena』の「The Complete Citizen Kane」においてであった。前者『フェイク』では、『市民ケーン』の冒頭場面が、もしウィリアム・ランドルフ・ハーストではなく、ハワード・ヒューズをモデルにしていたらどうなっていたかという『News on the March』のパスティーシュが流れ、後者では、チャールズ・フォスター・ケーンの死についての報道ではなく、オーソン・ウェルズが『市民ケーン』を制作していることを報じる『News on the March』のパスティーシュが放映された。

アランドにとって最大の名声は、カメラの前に立つ仕事とは別の、1950年代ユニバーサルパラマウントといった映画会社でSF映画の制作にあたったところからもたらされた。アランドの映画プロデューサーとしてのキャリアは、トム・ウィーヴァー (Tom Weaver) による書籍『Monsters, Mutants and Heavenly Creatures』(Midnight Marquee Press、1996年)に収められてた60ページに及ぶインタビューの主題となっている。

フィルモグラフィ

出演作品

  • 市民ケーン Citizen Kane (1941) - ジェリー・トンプソン (Jerry Thompson)=クレジットあり: 『News on the March』ニュースのアナウンサーの声=クレジットなし
  • Tom Dick and Harry (1941) - ニュース映画のアナウンサーの声=クレジットなし
  • 悪魔の金 The Devil and Daniel Webster (1941) - ガイド(出演シーンが最終的にカットされ、クレジットなし)
  • The Falcon Takes Over (1942) - 記者=クレジットなし
  • パナマ・ギャング戦争 Riffraff (1947) - 独房の男トランピー (Trumpy, Man in Cell)=クレジットなし
  • 上海から来た女 The Lady from Shanghai (1947) - 記者=クレジットなし
  • マクベス Macbeth (1948) – 暗殺者2

製作作品

脚注

外部リンク

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