インディペンデント映画
インディペンデント映画や独立系映画、インディーズ映画(independent film、independent movie、indie film、indie movie)とは、独立系エンターテインメント企業によって映画製作・配給される長編映画または短編映画のことを指す。場合によっては大手映画会社によって配給されるが、基本的に大手映画スタジオのシステムのもとで製作されることはない。
概要
インディペンデント映画は、その内容やスタイル、映画製作者の個人的な芸術的ビジョンの実現方法によって区別されることがある。通常、このような映画は大手映画スタジオの映画よりもかなり低い予算で製作されるが、常にそうであるとは限らない[1]。
インディペンデント映画に出演する有名俳優が、様々な理由で大幅な出演料の減額をすることは珍しいことではない。例えば、その映画の持つメッセージ性を心から信じている場合やキャリアを中断してもなお映画監督に恩義を感じている場合、キャリアが停滞していたり、メジャー系映画に参加できていないと感じる場合、その映画がメジャー系スタジオのシステムでは人気を得られないと判断されている才能を見せる機会を提供する場合、または単に彼らが尊敬する特定の監督と仕事をしたい場合などの理由がある。尊敬する監督との仕事を優先する例はたくさんあり、例えば、ジョン・トラボルタとブルース・ウィリスは、クエンティン・タランティーノと『パルプ・フィクション』で仕事をするために、より低い出演料でも構わず撮影に参加した[2]。
マーケティング
一般的に、インディペンデント映画のマーケティングは、多くの場合、独立系映画館での限定上映を特徴としているが、大規模なマーケティングキャンペーンや拡大公開を行うこともある。インディペンデント映画は、配給(劇場公開、またはDVDなどの販売)の前に、地域や国内、または国際的な映画祭で上映されることがよくある。インディペンデント映画の製作は、必要な資金と配給能力があれば、主流とされる映画製作にも匹敵するものとなる。
関連項目
- 英国インディペンデント映画賞
- インディペンデント・スピリット賞
- 映画祭の一覧
- 映画の概要
- インディペンデント・アニメーション
- アメリカン・エキセントリック・シネマ:メタモダンやニュー・シンセリティと呼ばれる時代に登場した現代アメリカの映画製作の風潮。
- 自主映画
- アマチュア映画
- アート映画
脚注
- Callahan, Peter (2001年1月8日). “Don't Lose It At The Movies The Brothers McMullen and Blair Witch--yes. Waterworld II--no. A primer on indie-film investing.”. CNN 2012年12月10日閲覧。
- “How 'Pulp Fiction' Destroyed Indie Cinema” (英語). Decider (2014年10月14日). 2023年1月21日閲覧。
典拠
- Marich, Robert (2013) (英語). Marketing To Moviegoers: A Handbook of Strategies and Tactics (3rd ed.). Southern Illinois University Press. pp. 350. ISBN 978-0-80-933196-3
- Levy, Emanuel (1999). Cinema of Outsiders: The Rise of American Independent Film. NYU Press. ISBN 978-0-8147-5124-4
- McDonald, Paul, ed (2008). The Contemporary Hollywood Film Industry. Malden, MA: Blackwell Publishing. ISBN 978-1-40-513388-3
- Kirsner, Scott (2008). Inventing the Movies: Hollywood's Epic Battle Between Innovation and the Status Quo, from Thomas Edison to Steve Jobs. Boston: CinemaTech Books. ISBN 978-1-4382-0999-9
参考文献
- Biskind, Peter (2004). Down and Dirty Pictures: Miramax, Sundance, and the Rise of Independent Film. Simon & Schuster. ISBN 0-684-86259-X
- Hall, Phil (2009). The History of Independent Cinema. BearManor Media. ISBN 978-1-59393-335-7
- "indies are dead. long live the indies!". The Monster That Ate Hollywood. シーズン20. Episode 8. 22 November 2001. PBS。
- King, Geoff (2005). American Independent Cinema. Indiana University Press. ISBN 9780253218261
- Lyons, Donald (1994). Independent Visions: A Critical Introduction to Recent Independent American Film. Ballantine Books. ISBN 0-345-38249-8
- Maccann, Richard Dyer (Summer 1962). “Independence, with a Vengeance”. Film Quarterly (University of California Press) 15 (4): 14–21. doi:10.1525/fq.1962.15.4.04a00060. JSTOR 1211185.
- Merritt, Greg (2000). Celluloid Mavericks: The History of American Independent Film. Thunder's Mouth Press. ISBN 1-56025-232-4
- Pierson, John (2004). Spike Mike Reloaded. Miramax Books. ISBN 1-4013-5950-7
- Redding, Judith; Brownworth, Victoria (1997). Film Fatales: Independent Women Directors. Seal Press. ISBN 1-878067-97-4
- Vachon, Christine (2006). A Killer Life: How an Independent Film Producer Survives Deals and Disasters in Hollywood and Beyond. Simon & Schuster. ISBN 0-7432-5630-1
外部リンク
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