アンドリュー・ダガン

アンドリュー・ダガン(Andrew Duggan、1923年12月28日 - 1988年5月15日)は、アメリカ合衆国の映画及びテレビの性格俳優

アンドリュー・ダガン
Andrew Duggan
Andrew Duggan
1962年、『連邦保安官』ゲスト出演
生年月日 (1923-12-28) 1923年12月28日
没年月日 (1988-05-15) 1988年5月15日(64歳没)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国インディアナ州フランクリン
死没地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州ハリウッド
職業 俳優、監督、脚本家
活動期間 1949-1987年
配偶者 エリザベス・ローグ(1953-1988年、彼の死去まで。子供3人)

来歴

インディアナ州中南部のジョンソン郡フランクリンで生まれる。第二次世界大戦中、中国ビルマインディアシアターで俳優のメルヴィン・ダグラス率いるアメリカ陸軍第40特別娯楽部隊に勤務した[1]。ダグラスとの邂逅は、後にルシル・ボールと共演した舞台『Dreamgirl』への出演へと繋がる。戦後、帰還輸送船上でブロードウェイの舞台監督ダニエル・マンと友情を深め[2]、『バラの刺青』、『Gently Does It』、『Anniversary Waltz』、『Fragile Fox』、『The Third Best Sport』でブロードウェイの舞台を踏んだ[3]

1957年、テレビ西部劇『シャイアン』の「Land Beyond the Law」というエピソードでエルウッド少佐として出演、NBCワード・ボンド主演のテレビ西部劇『幌馬車隊』の最初のエピソードで悪役を演じた。同年、ウェイド・プレストンが主役である西部開拓時代の銃器セールスマンにして潜入捜査官のクリストファー・コルトを演じるABC/ワーナー・ブラザースのテレビ西部劇『コルト45』の最初のエピソードにピーター・ブラウンボブ・スティールと共にゲスト出演した。第1話「The Peacemaker」または「Judgement Day」で、ダガンはジム・レックスフォードを演じ、ブラウンはデイブ、スティールはグレンジャー軍曹を演じた[4]

ABCの戦争ドラマ『頭上の敵機』の第2・第3シーズンで、準レギュラーのエド・ブリット少将として出演。NBCのテレビ西部劇『Jefferson Drum』、『ボナンザ』、『バークレー牧場』にゲスト出演、またNBCの『レストレス・ガン』とCBSの『ハワイ5-0』のパイロット版でそれぞれ元囚人と諜報部員を演じた。

ダガンは1949年から1987年にかけて、ドン・ノッツと共演した『秘密兵器リンペット』など約70本の映画、140以上のテレビ番組に出演した。声のみの仕事もこなしており、1985年にクリオ賞を受賞したジーバートのテレビCM「Friend of the Family (Rust in Peace)」のナレーションも担当している[5]

バーボン・ストリート

1959年、ワーナー・ブラザーズと契約、ABCの『バーボン・ストリート』に出演し[6]ニューオーリンズの探偵事務所の所長キャル・カルホーンを演じた。バーボン・ストリートが1シーズンで打ち切りとなった時、他の2人の探偵はワーナー・ブラザーズの別の探偵ドラマに移された。ヴァン・ウィリアムズ演じるケニー・マディソンは、同じ時間枠の新シリーズ『サーフサイド6』に、リチャード・ロング演じるレックス・ランドルフはロジャー・スミスの後釜として『サンセット77』に登場した。

1962年、26週のABCシットコムわが家はいっぱい』で、ペギー・マッケイロニー・ダポミッキー・ルーニーの息子ティム・ルーニーと共演した。この間、数本のワーナー・ブラザースのテレビ番組にゲスト出演し、『チャップマン報告』、『陽動作戦』、テレビドラマのバックドア・パイロット続・連邦警察』など数本のワーナー・ブラザースの映画に出演した。また、ワーナー・ブラザーズの映画の予告編のナレーションを何度か担当している。

1960年代

1960年代、多くのテレビドラマにゲスト出演した。ジョン・ラッセル主演のABC/ワーナー・ブラザースの『連邦保安官』の1962年のエピソード「Sunday」で恩赦を得ようとする度し難い犯罪者役を演じた。1963年、短命に終わったABC/ワーナー・ブラザースのテレビ西部劇『ダコタの男』にゲスト出演。

精神医学を扱ったNBCの医療ドラマ最後のカルテ』の1963年のエピソード「Four Feet in the Morning」でカール・クインシーを演じ、ジャック・パランス主演のABCのサーカスドラマ『世界最大のサーカス』の1964年のエピソード「This Train Don't Stop Till It Gets There」に出演。

1963年の春休み映画『パームスプリングの週末』で過保護な警察署長ディクソンを演じ、娘のバニー(ステファニー・パワーズ)が医学部の学生ジム(トロイ・ドナヒュー)に会うのを阻止する。1965年と1966年の2度、デビッド・ジャンセンの『逃亡者』に出演。

1964年の映画『5月の7日間』に出演、1967年の映画『電撃フリント・アタック作戦』でアメリカ合衆国大統領と詐欺師を演じた。

ザ・アルフレッド・ヒッチコック・アワー』の1964年のエピソード「The McGregor Affair」に出演、大酒飲みの妻の抹殺を決意をする男を演じるが、やってしまった事を後悔し、妻のための計画と同じ運命を辿る犠牲者となる。

また、ABCの戦争ドラマ『頭上の敵機』の第2・第3シーズンでエド・ブリット准将/少将を演じた。

対決ランサー牧場

1968年から1970年、『対決ランサー牧場』という連続ドラマで家長の牧場主マードック・ランサーを演じ[7]ジェームズ・ステイシーがマードックの二番目の妻マリアの息子でガンマンのジョニー・マドリッド・ランサーを演じた。その約6年前、ステイシーとダガンはジョーン・コールフィールドと共にABCの西部劇ドラマ『シャイアン』の最終回で共演している[8]

ウェイン・モウンダーボストンで教育を受けた長男のスコット・ランサーを演じた。実生活ではモウンダーはメイン州バンゴーの近くで育てられた。

『対決ランサー牧場』は51エピソードしか続かなかったが、批評家は脚本と演技が優れていると評した。ポール・ブラインガーCBSの初期の西部劇ドラマ『ローハイド』で演じた「ウィッシュボーン」と類似した役であるジェリー・ホスキンス役で出演した。

後年の映画・テレビ出演

1971年、テレビ映画『父の帰る日』(The Homecoming: A Christmas Story)で家長ジョン・ウォルトンを演じる[9]。このジョン・ウォルトンからインスパイアされたスピンオフドラマ『わが家は11人』ではこの役をラルフ・ウェイトが演じた。

1973年、ブラックスプロイテーション映画『ブラック・シーザー』にカメオ出演。1975年、NBCのテレビ映画 『Attack on Terror: The FBI vs. the Ku Klux Klan』にFBIのインスペクター・ライダー役で出演、1976年、テレビミニシリーズ『リッチマン・プアマン/青春の炎』と『Once an Eagle』に出演。1978年、NBCの犯罪ドラマ『The Eddie Capra Mysteries』のエピソード「And the Sea Shall Give Up Her Dead」に出演。1980年、ABCのテレビ映画 『The Long Days of Summer』にサム・ウィギンズ役で出演、同年、CBSの『マッシュ』のエピソード「Father's Day」にゲスト出演、マーガレット・ホーリハンの伝説的な父親アルヴィン・ホーリハン大佐を演じた。

ダガンの最後の役の1つは1987年のテレビ伝記映画『FBI/アメリカを知りすぎた男』で演じたドワイト・D・アイゼンハワー。アイゼンハワー役はこれより以前のテレビミニシリーズ『ホワイト・ハウス』でも演じていた。また、フーバーの別の伝記映画『The Private Files of J. Edgar Hoover』(1977年)ではリンドン・ジョンソン大統領を演じた。1987年、『新・死霊伝説』に出演。

私生活と死去

1954年、彼が「ベティ」と言う愛称で呼んだブロードウェイのダンサー・女優のエリザベス・ローグ[注釈 1]と結婚[10]。彼らにはリチャード、ナンシー、メリッサの3人の子供がいた。

1988年5月15日、咽頭癌で死去。64歳であった[11]

フィルモグラフィー

映画

原題 邦題 役名 備考
1956Patterns大会社の椅子フレッド・ステープルズ
Three Brave Menスティーヴン・ブロウィング牧師
1957Domino Kidドミノ・キッドウェイド・ハリントン
Decision at Sundownディシジョン・アット・サンダウンスウェード・ハンセン保安官
1958Return to Warbowマレー・ファラム
The Bravados無頼の群神父
1959Westbound決斗ウェストバウンドクレイ・パットナム
1961Splendor in the Grass草原の輝き予告編ナレーター クレジットされず
1962House of Womenフランク・コール
Merrill's Marauders陽動作戦アブラハム・ルイス・コロドニー大佐
The Chapman Reportチャップマン報告(レポート)ジョージ・C・チャップマン博士
1963PT 109魚雷艇109ナレーションクレジットされず
Palm Springs Weekendパームスプリングの週末ディクソン警察署長
1964Heart to Heart.com秘密兵器リンペットハーロック
Seven Days in May5月の7日間ウィリアム・"マット"・ヘンダーソン大佐
1965The Glory Guys栄光の野郎どもフレデリック・マッケイブ大将
1967In Like Flint電撃フリント・アタック作戦トレント大統領
1968The Secret War of Harry Frigg脱走大作戦ニュートン・アームストロング准将
1971Skin Game西部無法伝ハワード・キャロウェイ
The Homecoming: A Christmas Story父の帰る日ジョン・ウォルトンテレビ映画
1972Boneビル
1973Black Caesarブラック・シーザー靴磨きの男クレジットされず
1974It's Alive悪魔の赤ちゃん教授
The Bears and I遥かなる子熊の森ゲインズ委員
The Missiles of October十月のミサイルマクスウェル・テイラーテレビ映画
1977The Deadliest Seasonスラップ・シュートアル・ミラーテレビ映画
The Private Files of J. Edgar Hooverリンドン・ジョンソン大統領
1978It Lives Again悪魔の赤ちゃん2ペリー博士
A Fire in the Sky激突!!燃える大彗星大統領テレビ映画
1979The Incredible Journey of Doctor Meg Laurelアダムソン判事テレビ映画
1981Frankenstein Island大佐
1983Doctor Detroitダン・アイクロイドのDr.デトロイトを探せ!ハーモン・ラウズホーン
1983A Return to Salem's Lot新・死霊伝説アクセル判事最後の映画出演

主なテレビ出演

原題 邦題 役名 備考
1957Colt .45 (TV series)コルト45ジム・レックスフォード1エピソード
1957-58Matinee Theater少佐 (1957)
クライド・グラニック (1958)
2エピソード
1958Tombstone Territory早撃ち保安官カーク・スティーブンス1エピソード
Have Gun – Will Travel西部のパラディンダニエル・ウィーバー1エピソード
1959Captain David Griefマーリー1エピソード
1959-60Bourbon Street Beatバーボン・ストリートキャル・カルホーン38エピソード
1960The Roaring 20'sローリング20デビッド・ローレンス1エピソード
1956-62Cheyenneシャイアンフランク・モクソン他6エピソード
1961-62Maverickマーベリックカルヴィン・パワーズ (1961)
エド・マーフィー (1962)
2エピソード
Lawman連邦保安官トッド・ラーソン (1961)
フランク・ブーン (1962)
2エピソード
1962Broncoブロンコエイブラハム・リンカーン1エピソード
(声のみ、クレジットされず)
Room for One Moreわが家はいっぱいジョージ・ローズ26エピソード
1959-6377 Sunset Stripサンセット77キャル・カルホーン他6エピソード
1962-63Hawaiian Eyeハワイアン・アイラルフ・メイソン (1962)
ジョン・マリオット (1963)
2エピソード
1963The Travels of Jaimie McPheetersジェミーの冒険旅行モーガン1エピソード
The Defenders弁護士プレストンフランク・ローリンズ1エピソード
Dr. Kildareドクター・キルデアカール・クインシー1エピソード
The Eleventh Hour最後のカルテカール・クインシー1エピソード
1964Bonanzaボナンザデビッド・ノウルトン判事1エピソード
Arrest and Trial事件と裁判ベン・チャリス1エピソード
The Greatest Show on Earth世界最大のサーカスマクヘンリー1エピソード
Alfred Hitchcock Presentsヒッチコック劇場ジョン・マクレガー1エピソード
Slattery's Peopleスラッタリー物語エドワード・ブレランド1エピソード
1956-65Gunsmokeガンスモークニック・サーチ (1956)
フォス・キャッパー (1957)
ジョン・クレイル博士 (1965)
3エピソード
1965-66The Fugitive逃亡者ジョン・ハーラン (1965)
ハリー・アンダーソン (1966)
2エピソード
1966F Troop腰抜け中隊チェスター・ウィンスター少佐1エピソード
A Man Called Shenandoahシェナンドーハーレー・カーン1エピソード
The Virginianバージニアンジェームズ・クレイボーン1エピソード
1965-67The Big Valleyバークレー牧場ウォラント (1965)
ジャッド・ロブソン上院議員 (1967)
2エピソード
12 O'Clock High頭上の敵機エド・ブリット准将/少将17エピソード
1967The Invadersインベーダーセオドア・ボーモント将軍1エピソード
Vacation Playhouseジョージ・フレミング1エピソード
Judd, for the Defense弁護士ジャッドエベレット・クランフィールド1エピソード
Run for Your Lifeポール・ブライアンジム・シーボーン中尉
ジェームズ・シーボーン
2エピソード
1967-68Cimarron Stripシマロンコヴィントン少佐3エピソード
1968I Spyアイ・スパイピアソン1エピソード
Premiereオーウェン・カー1エピソード
1968-70Lancer対決ランサー牧場マードック・ランサー51エピソード
1970The Governor & J.J.ローレンス・"バック"・ブラッドベリー1エピソード
1966-71The F.B.I.FBIアメリカ連邦警察ジョン・スタッフォード他4エピソード
1971Ironside鬼警部アイアンサイドエバレット・ワード1エピソード
Mission: Impossibleスパイ大作戦ジャスティン・ベインブリッジ1エピソード
Mannixマニックスアレック・ホルト将軍1エピソード
The Waltonsわが家は11人ジョン・ウォルトン1エピソード
1972Ghost Story真夜中の恐怖ジェレミー1エピソード
1970-73Medical Center外科医ギャノンオリバー・ガーソン博士4エピソード
1973Kung Fu燃えよ! カンフーボッグス保安官1エピソード
Banacekバナチェック登場ジャック・オズバーン1エピソード
Mannixマニックスアレック・ホルト将軍1エピソード
1972-74The Streets of San Franciscoサンフランシスコ捜査線A・R・マローン (1972)
ロバート・ウェスト将軍 (1974)
2エピソード
1974Barnaby Jones名探偵ジョーンズビル・サンダーソン1エピソード
1971-76Cannon探偵キャノンビル・コーツ他3エピソード
McMillan & Wife署長マクミランハーラン・ロイス他4エピソード
1978Project U.F.O.プロジェクトUFOオニール博士1エピソード
The Bionic Woman地上最強の美女バイオニック・ジェミーパー局長1エピソード
1968-79Hawaii Five-Oハワイ5-0ロジャー・バンクロフト他7エピソード
1979Wonder Womanワンダーウーマンメイソン・スティール1エピソード
Lou Grant事件記者ルー・グラント医師1エピソード
1980M*A*S*Hマッシュアルヴィン・フーリハン大佐1エピソード
1981Charlie's Angelsチャーリーズ・エンジェルハックショウ・バートレット1エピソード
1983Hart to Hart探偵ハート&ハートロリング・ニコルズ1エピソード
1984Hardcastle and McCormick探偵ハード&マックロイ・スターン1エピソード
1985Highway to Heavenハイウェイ・トゥ・ヘブンクロフォード1エピソード
1986Remington Steele探偵レミントン・スティールジョニー・クーパー1エピソード

注釈

  1. 1966年の映画『ハワイ』のハワイの王女ノエラニ役やテレビドラマ『ハワイ5-0』のオープニングでビーチを走る女性として知られるエリザベス・ローグ(Elizabeth Louise Malamalamaokalani White Logue)とは別人。

脚注

  1. “Andrew Duggan Death”. Toledo Blade. (1988年5月17日). https://news.google.com/newspapers?id=fHsUAAAAIBAJ&sjid=7wIEAAAAIBAJ&pg=5299,3164039&dq=andrew+duggan&hl=en 2020年5月17日閲覧。
  2. Daniel Mann”. Internet Broadway Database. 2020年5月17日閲覧。
  3. IBDB Andrew Duggan”. Internet Broadway Database. 2020年5月17日閲覧。
  4. Colt .45”. ctva.biz. 2012年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月17日閲覧。
  5. https://www.youtube.com/watch?v=Mxz9hRuUiWw
  6. Ingrid, Beacham (1960年3月4日). “Bourbon Absinthe House is the Real Thing”. The Southeast Missiourian. https://news.google.com/newspapers?id=1rEfAAAAIBAJ&sjid=PdcEAAAAIBAJ&pg=2848,5056157&dq=andrew+duggan&hl=en 2020年5月17日閲覧。
  7. “Andrew Duggan is Lancer in Series”. Herald-Tribune. (1968年12月8日). https://news.google.com/newspapers?id=F04gAAAAIBAJ&sjid=F78EAAAAIBAJ&pg=4088,2430319&dq=andrew+duggan&hl=en 2020年5月17日閲覧。
  8. Showdown at Oxbend”. Internet Movie Data Base (1962年12月17日). 2020年5月17日閲覧。
  9. Person Jr., James E. (2005). Earl Hamner: From Walton's Mountain To Tomorrow. Cumberland House Publishing. p. 21. ISBN 978-1-58182-455-1
  10. Elizabeth Logue”. Internet Broadway Database. 2010年5月29日閲覧。
  11. Andrew L., Yarrow (1988年5月18日). “Andrew Duggan, an Actor on TV, Stage and the Screen, Dies at 64”. The New York Times. https://www.nytimes.com/1988/05/18/obituaries/andrew-duggan-an-actor-on-tv-stage-and-the-screen-dies-at-64.html

外部リンク

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