わらび粉
概要
ワラビの根から採取した灰褐色の粉で粘りが強く、デンプンの粉臭さがない。
精製には手間隙がかかり、ワラビの地下茎を掘り、叩いて、ほぐして、洗って、澱粉を取り出し乾燥させる工程を経てわらび粉になる。10kgのワラビの根から取れるわらび粉は、わずか70gとされ、根を掘り起こす作業は冬の寒い時期に行われ、厳寒期に冷水で何度も洗って精製される。
歴史
古来よりわらび粉は食材として使用されてきた。精製には手間隙がかかるので、米や芋や豆等と比較して著しく効率が低いため、庶民は日常的には食さず、身分の高い者が食したり、凶作時に非常食として食されたという説もある[2][3]。
近年では自生するワラビの減少、採取の困難により生産量が減少している。
脚注
- 井川佳子「市販わらび餠粉(サツマイモ澱粉)の性質(I)」『日本調理科学会誌』第26巻第2号、日本調理科学会、1993年、110-113頁、doi:10.11402/cookeryscience1968.26.2_110、ISSN 0910-5360、NDLJP:10813257。
- 田中謙二「劉致作散曲「上高監司」攷」『東洋史研究』第13巻第4号、東洋史研究会、1954年、270-289頁、CRID 1390572174787070976、doi:10.14989/139013、hdl:2433/139013、ISSN 0386-9059。
- 服部英雄「歴史学と景観保存」『歴史学研究』第677巻、歴史学研究会、1995年、139-143頁、ISSN 0386-9237。
- 藤本滋生「本邦の自生植物とその澱粉について」『澱粉科学』第24巻第4号、日本応用糖質科学会、1977年、148-157頁、doi:10.5458/jag1972.24.148、ISSN 0021-5406。
文献
- 長倉三郎「岐阜県北部(飛騨)のくりぬき用具とわらび粉の製造工程」『物質文化』第6巻、1965年、43-50頁、doi:10.11501/4417985。
- 五島淑子『19世紀中葉の日本の食生活に関する研究 : 「防長風土注進案」と「斐太後風土記」の分析を通じて』 奈良女子大学〈学術博士 乙第21号〉、1991年。doi:10.11501/3052686。 NAID 500000073345 。
- 山本直人「縄文時代における野生根茎類食糧化の基礎的研究」『名古屋大学文学部研究論集. 史学』第41巻、名古屋大学文学部、1995年、83-130頁、doi:10.18999/jouflh.41.83、hdl:2237/5533、ISSN 0469-4716。
- 山本直人「野生根茎類食糧化に関する事例研究 : クズとワラビを中心にして」『名古屋大学文学部研究論集. 史学』第42巻、名古屋大学文学部、1996年、43-99頁、doi:10.18999/jouflh.42.43、ISSN 0469-4716。
- 松島憲一, 根本和洋, 敦川亜紀子, 加藤友希, 大崎正太, 西田弥生, 南峰夫「下伊那郡大鹿村において食用とされる野生植物について」『信州大学農学部紀要』第49巻第1-2号、信州大学農学部、2013年、43-50頁、hdl:10091/17021、ISSN 0583-0621。
- 笹本正治「歴史学から見た内陸文化研究 (内陸文化研究会報告)」『内陸文化研究』第1号、信州大学人文学部、2001年、39-60頁、ISSN 13464108、NAID 110000091406。
This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.