るんは風の中
概要
思春期に経験する初恋の切なさを描いている。
1985年4月に本編25分の短編でアニメ化され、OVAとしてリリースされた(VHSでのリリース、『安達が原』と『緑の猫』を併録、ASIN B00005H583)。
2000年4月13日にテレビ朝日系列にて「手塚治虫劇場」というタイトルで『ふしぎなメルモ』『カノン』と共にドラマ化された。
あらすじ
憂鬱な高校生活を送っている少年・アキラは、ある日、高架下の薄暗い通路で、ポスターの中の女の子に一目惚れしてしまう。彼女をポスターごと家に持ち帰ったアキラは、彼女を''るん''と名付ける。気だるい日々を送る中で、彼は唯一気の許せる存在となっていく''るん''に対する興味が尽きず、ついには''るん''そのものを探す決意をしたのだった。
登場人物
- 豊田明
- 主人公。高校生。根は明るいが孤独で空虚な日常を送っている中、''るん''に出会う。母はおらず父子家庭。
- アニメ版では中学2年生の設定。
- るん
- ヒロイン。ポスターの中の少女。ポスターの中からアキラに話しかけ、やがてアキラの良き対話相手になってゆく。
- ''るん''という名は、''るん''が写っているポスターに書かれていたキャッチコピーに由来している。''るん''のポスターはもともとはコーヒーのポスターで、広告コピーとして「五人いるんです! 家中みんながネスコ・コーヒー党なのです!」と書かれていた。アキラがポスターから余計な部分を切り取る時に、「いるんです」の「るん」が目に止まったことから名付けられた。
- 三輪南平
- 著名な商業デザイナー。十数年前に撮影された''るん''の写真をコーヒーのポスターとして使った人物で、当時中学3年だった''るん''を現在は妻としている。アキラの訪問を受け、''るん''のポスターが作られたいきさつをアキラに説明し、現在の''るん''をアキラに引き合わせる。
- 三輪南平夫人
- 現在の''るん''。ポスターの''るん''の写真が撮影された頃から十数年経過しており、品のよい小太りの中年女性の容姿で描かれている。
- 三輪克子
- 三輪南平の娘。ポスターの中の''るん''、つまり三輪南平夫人のかつての容姿にそっくり。終幕近く、アキラのもとを訪ねてくる。
その他、脇役として教師役にノラキュラ。手塚作品におけるスター・システムの定型通り、嫌味なキャラクターでアキラをいじめる。アキラの父親はセリフのみの登場で、容姿は描かれていない。
オリジナルアニメ版
キャスト
テレビドラマ版
2000年4月13日、『手塚治虫劇場』の中の一作としてドラマ化された。
単行本
- 収録作品:
- 「モンモン山が泣いてるよ」
- 「ヤジとボク」
- 「0次元の丘」
- 「るんは風の中」
- 「女郎蜘蛛」
- 「お常」
- 集英社文庫『手塚治虫名作集 (2)』(集英社、1995年、ISBN 978-4087482904)
外部リンク
- TezukaOsamu.net るんは風の中 - 手塚プロ運営の公式サイト。アニメ版の冒頭6分が視聴可能。
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