オホーツク (列車)
オホーツクは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が札幌駅 - 網走駅間を函館本線・宗谷本線・石北本線経由で運行する特別急行列車である。
オホーツク 大雪 | |||
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特急「オホーツク」 (2023年3月18日 網走駅) | |||
概要 | |||
国 | 日本 | ||
種類 | 特別急行列車 | ||
現況 | 運行中 | ||
地域 | 北海道 | ||
前身 |
急行「大雪」 特急「おおとり」 | ||
運行開始 |
1972年10月2日(オホーツク) 2017年3月4日(大雪) | ||
運営者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) | ||
旧運営者 | 日本国有鉄道(国鉄) | ||
路線 | |||
起点 |
札幌駅(オホーツク) 旭川駅(大雪) | ||
終点 | 網走駅 | ||
営業距離 |
374.5 km(札幌 - 網走) 237.7 km(旭川 - 網走) | ||
平均所要時間 |
約5時間30分(札幌 - 網走) 約3時間50分(旭川 - 網走) | ||
運行間隔 | 4往復(オホーツク・大雪各2往復) | ||
列車番号 |
70D+号数(オホーツク) 6080D+号数(大雪) | ||
使用路線 |
函館本線(オホーツクのみ) 宗谷本線・石北本線 | ||
車内サービス | |||
クラス | 普通車 | ||
身障者対応 | 2号車 | ||
座席 |
普通車指定席:1・2号車 普通車自由席:3号車 | ||
技術 | |||
車両 | キハ283系気動車(苗穂運転所) | ||
軌間 | 1,067 mm | ||
電化 |
交流20,000 V・50 Hz(札幌 - 新旭川間)[注 1] 非電化(新旭川 - 網走間) | ||
最高速度 |
110 km/h[1](札幌 - 旭川 - 新旭川) 95 km/h(新旭川 - 網走) | ||
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本項では旭川駅 - 網走駅間で運行される大雪(たいせつ)のほか、石北本線で運行されていた優等列車の沿革についても記述する。
概要
オホーツク
愛称自体は、1959年(昭和34年)9月に旭川駅 - 網走駅間で運行を開始した準急列車として使われ始めたもので、1960年(昭和35年)7月に札幌発着に変更、1961年(昭和36年)10月のダイヤ改正で急行列車に格上げされて函館発着となった。1964年(昭和39年)10月の改正で札幌発着に戻されたが、1968年(昭和43年)10月の改正からは名寄本線経由(旭川駅 - 遠軽駅 - 興部駅 - 名寄駅間)の急行列車として運行されるようになった。
現在の列車種別・運行経路となったのは、1972年(昭和47年)10月2日のことで、札幌駅 - 網走駅間の「大雪」のうち1往復を特急列車(31D/32D)に格上げするにあたり、「オホーツク」の名称を転用したことによるものである。これ以降、特急「オホーツク」は急行「大雪」の格上げ・特急「おおとり」の再編・吸収によって増発され、1992年(平成4年)3月に昼行4往復・夜行1往復の5往復となった。
しかし、2006年(平成18年)3月17日には、同日発の列車をもって夜行の9・10号の定期運転が終了(臨時運行は2008年(平成20年)3月16日発まで運行)し、昼行のみ4往復の体制となり、2017年(平成29年)3月4日のダイヤ改正では4往復のうち、日中の2往復を旭川駅で系統分割し「ライラック」「大雪」として分離したため、以降2往復の運転となっている[報道 1]。
列車名は北海道北東部に広がるオホーツク海に由来する。日本国有鉄道・JRを通じ、唯一ロシア語を由来とする名称が愛称となっている列車である[注 2]。
大雪
愛称自体は、かつて石北本線系統の急行列車として長く起用されていたものである。
1951年(昭和26年)4月に函館駅 - 網走駅間(小樽駅経由)の夜行急行列車(旭川駅 - 網走駅間は普通列車)が「大雪」と命名されたのが始まりである。1961年(昭和36年)10月までは函館駅 - 旭川駅間を小樽駅経由で結ぶ列車という性格が強く、石北本線への直通はたびたび廃止され、直通していた時期も石北本線内は普通列車扱いとなっていた。1961年(昭和36年)10月から1963年(昭和38年)6月までは運行区間がさらに短縮されており、函館駅 - 札幌駅間(小樽駅経由)の運転であった。しかし、1963年(昭和38年)6月からは札幌駅 - 網走駅間の気動車急行に「大雪」の列車名が使用されるようになり、「大雪」は石北本線系統の急行列車名として定着する。1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正では、石北本線経由の急行の列車名をすべて「大雪」に統合したため全6往復体制となり、釧網本線を経て釧路へ直通する列車や夜行客車列車なども含む多彩な陣容となっていた。しかし、「オホーツク」への格上げ等により、1985年(昭和60年)3月14日には昼行の1・2号(旭川駅 - 遠軽駅 - 名寄駅間、名寄本線経由)、夜行の3・4号(札幌駅 - 網走駅間)の2往復となり、翌年11月には夜行列車のみが残っていたが、1992年(平成4年)3月14日ダイヤ改正で、「オホーツク」9・10号として格上げ・編入され、愛称が消滅した[2]。
その後、2017年(平成29年)3月4日のダイヤ改正で、「オホーツク」4往復のうち、2往復を旭川駅 - 網走駅間に短縮した際に再び「大雪」の愛称が起用されることとなった[報道 1]。
2020年(令和2年)からの新型コロナウイルス感染症拡大による利用客の減少を受け、2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正以降、全便が閑散日に曜日運休する臨時特急列車に変更された。JR北海道は利用客が回復してくれば、地元自治体と協議しながら運休を取りやめるか判断するとしている[3]。
列車名は北海道中央部にそびえる大雪山に由来する。
運行概況
2017年3月4日から、「オホーツク」が札幌駅 - 網走駅間に1日2往復、「大雪」が旭川駅 - 網走駅間に1日2往復での運行体制が始まった。2021年3月13日のダイヤ改正より「大雪」の毎日運行が取りやめとなり、大型連休を除いた特定期間(年度により異なる)の火・水・木曜日に運休する(2022年6月現在)。列車番号は2021年(令和3年)3月13日以降、「オホーツク」が70D+号数[4][注 3]、「大雪」が6080D+号数である[注 4]。所要時間は札幌駅 - 遠軽駅間が約3時間30分、札幌駅 - 北見駅間が約4時間30分、札幌駅 - 網走駅間が約5時間30分、旭川駅-網走駅間が約3時間50分である。最高速度は札幌駅 - 新旭川駅間が110 km/h[1]、新旭川駅 - 網走駅間が95 km/hである。
停車駅
札幌駅 - 岩見沢駅 - (美唄駅) - (砂川駅) - 滝川駅 - 深川駅 - 旭川駅 - 上川駅 - (白滝駅) - (丸瀬布駅) - 遠軽駅 - 生田原駅 - 留辺蘂駅 - 北見駅 - 美幌駅 - 女満別駅 - 網走駅
- 「オホーツク」は札幌駅 - 網走駅間の運転
- 2号が美唄駅・砂川駅を通過するほかは、全列車が記載駅全てに停車する。
- 「大雪」は旭川駅 - 網走駅間の運転。旭川駅で「ライラック」と接続(特急料金は通算)する。
- 白滝駅は4号のみ停車
- 丸瀬布駅は4号のみ通過
使用車両・編成
オホーツク・大雪 | ||||||
← 遠軽 札幌・旭川・網走 →
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苗穂運転所に所属するキハ283系気動車を使用している[報道 2]。3両編成での運転を基本とし、グリーン車は連結しない(詳細は後述)[報道 2]。
2023年3月17日まではキハ183系気動車が使用されていた。4両編成での運転を基本としており、2号車がグリーン車指定席、1号車と3号車1番 - 9番(旭川駅基準で遠軽方に当たる客室内半分)と4号車17番A席・B席が普通車指定席、3号車10番 - 17番と4号車17番A席・B席以外(4号車のほぼ全席)が普通車自由席となっていた。なお、普通車指定席のうち、1号車17番A席・B席、4号車17番A席・B席は乗務員室真後ろかつ車掌側にあるため北海道内定期特急列車の中で唯一前面展望(後面展望)が楽しめることから「かぶりつきシート」と称していた(4号車17番A席・B席は2022年7月1日より指定席化。料金は他の普通車指定席と同額)[5][報道 3]。
長らく基本番台を中心とする初期型の車両およびその改造車を中心に運転されており、3号車にはグリーン席・普通席合造車のキロハ182形が充当された。ただし、検査時に予備車である全室グリーン車のキロ182形(キロ182-9)が連結される場合があり、この時は無くなる3号車の普通指定席の代替として、2号車と3号車の間に増3号車が連結されていた。
2009年(平成21年)10月1日以降は「とかち」から捻出された後期型の車両(500・1500番台と550・1550番台およびその改造車、いわゆるN・NN183系)が投入されるようになり、「大雪」が設定された2017年(平成29年)3月4日以降は、同じ苗穂運転所に所属する旧「サロベツ」用や、元函館運輸所のN・NN183系も投入されている。2018年(平成30年)3月17日にはキロハ182形を除く基本番台・200番台の運用が終了[報道 4][報道 5]、同年7月1日にはキロハ182形とキロ182形0番台の運用が終了し、合わせて従来旭川駅基準で遠軽方に配置していた自由席が「ライラック」や「宗谷」と同様、旭川駅基準で札幌方に変更された [報道 6]。 かつて7550番台グループと1550番台グループは、機構の違いから異なるグループとの編成を組むことができなかった。2019年(令和元年)6月には、この違いが解消され、混合編成を組むことができるようになった。これにより過剰となった波動輸送用の車両や、老朽化した車両の廃車・解体が進んでいる。
2020年(令和2年)10月24日・25日には、キハ261系5000番台「はまなす編成」のデビューと北海道鉄道140周年記念に伴い、「オホーツク」1号と「大雪」4号に同車が運用に充当された[報道 7]。指定席3両、自由席1両で運用され、1号車はフリースペースのはまなすラウンジ(特急オホーツク1号運用時は遠軽駅 - 網走駅間はダイニングカープランの予約客のみ利用可能)、2 - 4号車は普通指定席、5号車は普通自由席であった[報道 7]。
2021年(令和3年)5月15日・16日には、キハ261系5000番台「ラベンダー編成」のデビューに伴い、「オホーツク」1号と「大雪」4号に対し、北海道推進のキャッチコピー「HOKKAIDO LOVE!」を掲げ、同車を使用した「HOKKAIDO LOVE! オホーツク」1号と「HOKKAIDO LOVE! 大雪4号」が運行された[報道 8][報道 9]。指定席3両、自由席1両で運転され、1号車はフリースペース、2 - 4号車は普通指定席、5号車は普通自由席であった[報道 9]。2022年(令和4年)1月18日から2月26日にかけて、一部のオホーツク・大雪にキハ261系5000番台「ラベンダー編成」が充当された。
- 初期型のキハ183系による特急「オホーツク」(1985年8月 網走駅)
過去の使用車両
- キハ80系特急「オホーツク」(1986年)
- 「オホーツク」に連結されていた14系寝台車(2008年)
臨時列車
冬季の流氷観光シーズンには、2015年までリゾート車両による臨時特急「オホーツク流氷」、「流氷特急オホーツクの風」などが札幌駅 - 網走駅間で1往復運行されていた。車両は苗穂運転所に所属するキハ183系5200番台「ノースレインボーエクスプレス」が使用され、同編成が検査に入った場合にはオホーツク用の183系気動車が充当される。停車駅は「オホーツク」と同じ。
石北本線優等列車沿革
あばしり
1964年(昭和39年)10月のダイヤ改正で旭川駅 - 網走駅間の準急列車として登場。1966年(昭和41年)3月に急行列車に格上げされ、1968年(昭和43年)10月に「大雪」に統合される形で列車名は消滅した。1990年(平成2年)9月に登場した遠軽駅 - 網走駅間の快速列車として列車名が復活するも、1995年(平成7年)3月に列車は廃止された。列車名は目的地である旧網走支庁や網走市が由来となっている。
おおとり
1964年(昭和39年)10月に函館駅 - 網走駅・釧路駅間(滝川駅で分割併合)の特急列車として登場。1970年(昭和45年)10月からは釧路駅発着編成を特急「おおぞら」に分離し、函館駅 - 網走駅間単独の運行となる。1988年(昭和63年)3月のダイヤ改正で札幌駅 - 網走駅間が「オホーツク」、函館駅 - 札幌駅間が「北斗」に分割されて列車名は消滅した。登場から廃止まで1日1往復体制を維持し続けた。列車名の由来は、いわゆる鳳凰など架空の大きい鳥類を意味する言葉であり、列車愛称の制定時に存在した「特別急行列車は鳥類にちなむ」という国鉄の規定による。なお、「おおぞら」に続く北海道内第二の特別急行列車であり、「雄大さ」という点は共通するものの、当初は東京駅 - 名古屋駅間特別急行列車の列車名に用いられていた。そのため、列車名としては2代目である。なお、東京駅 - 名古屋駅間の特急「おおとり」は1964年(昭和39年)10月の東海道新幹線開業を受けて廃止されているため、「おおとり」の列車名は一夜にして東海道から北海道へ引き継がれたことになる。
石北
1958年(昭和33年)10月、函館駅 - 網走駅間(小樽駅経由、函館駅 - 札幌駅間および北見駅 - 網走駅間は普通列車)の夜行準急列車に命名された。前身となる夜行準急列車(503・504列車)は1949年(昭和24年)9月から運行されていたものである。「大雪」およびその前身となる急行列車は石北本線内では普通列車として運行されていたため、503・504列車が石北本線初の優等列車である。1961年(昭和36年)10月に運行区間が札幌駅 - 網走駅間に変更される。1966年(昭和41年)3月に急行への格上げとともに函館駅乗り入れが復活(小樽駅経由、函館駅 - 札幌駅間は普通列車)。1968年(昭和43年)10月に「大雪」に統合されて列車名は消滅したが、「石北」に始まる石北本線系統夜行列車は急行「大雪」、特急「オホーツク」へと引き継がれ、2006年(平成18年)3月まで存続した。列車名は経由路線である石北本線にちなんだもので、沿線地域の旧国名「石狩国」と「北見国」が由来となっている。
天都
1962年(昭和37年)5月に興部駅 - 網走駅間の準急列車(名寄本線・石北本線経由)として登場。1966年(昭和41年)3月に急行への格上げと同時に網走行き列車が名寄駅発に延長(名寄駅 - 興部駅間は普通列車)。1980年(昭和55年)10月に廃止。列車名は網走市内にそびえる天都山が由来となっている。
はまなす
函館駅 - 網走駅間(小樽駅経由、北見駅 - 網走駅間は普通列車)の夜行準急列車(509・510列車)に命名されたのが始まりである。1961年(昭和36年)10月に札幌駅 - 網走駅間1往復、旭川駅 - 網走駅間1往復の急行列車に変更される。1962年(昭和37年)5月に旭川駅発着列車が札幌駅発着となり、札幌駅 - 網走駅間2往復体制となる。1963年(昭和38年)6月に小樽駅 - 網走駅間1往復となり、1968年(昭和43年)10月には「大雪」に統合されて列車名は消滅した。列車名は本州中部以北の海岸に自生するバラ科の落葉低木「ハマナス」が由来となっている。なお、この名称はのちに青森駅 - 札幌駅間を結ぶ夜行急行列車の愛称として使用された。こちらの列車についてははまなす (列車)を参照のこと。
準急・急行「オホーツク」として
- 1949年(昭和24年)9月:函館駅 - 旭川駅間の夜行急行列車である1・2列車の運行区間を石北本線網走駅まで延長。旭川駅以東は普通列車とした。また、函館駅 - 網走駅間に夜行準急列車 503・504列車が運行開始。この503・504列車は当初夜行区間となる札幌駅 - 北見駅のみが準急列車として運行された(石北本線初の優等列車)。
- 1951年(昭和26年)4月:1・2列車に「大雪」(たいせつ)の列車愛称が与えられる。
- 1955年(昭和30年)6月:函館駅 - 網走駅間(小樽駅経由、北見駅 - 網走駅間は普通列車)を運行する夜行準急列車が運行開始(509・510列車)。これに伴い、「大雪」は旭川駅 - 網走駅間を分離し、函館駅 - 旭川駅間の運行になる。
- 1956年(昭和31年)11月:「大雪」の運行区間を再び函館駅 - 網走駅間に変更。ただし、石北本線内は普通列車として運行。
- 1958年(昭和33年)10月:503・504列車に「石北(せきほく)」、509・510列車に「はまなす」の列車名を与える。
- 1959年(昭和34年)9月:旭川駅 - 網走駅間で準急「オホーツク」が運行開始。「大雪」の旭川駅以東乗り入れを廃止。
- 1960年(昭和35年)7月:「オホーツク」が札幌駅発着になる。なお、札幌駅 - 旭川駅間は稚内駅発着の「宗谷」と併結していた。
- 1961年(昭和36年)10月:ダイヤ改正により以下のように変更。
- 1962年(昭和37年)5月:「はまなす」の旭川駅発着列車を札幌駅発着に延長。2往復とも札幌駅発着の単独運行になる。
- 1963年(昭和38年)6月:「はまなす」の1往復を小樽駅発着とし、札幌駅発着の1往復を「大雪」(たいせつ)に変更。
- 1964年(昭和39年)10月1日:ダイヤ改正に伴い、以下のように変更される。
- 1965年(昭和40年):「石北」の下り列車始発駅を函館駅に変更。
- 1966年(昭和41年)3月:準急列車制度廃止に伴い、「あばしり」・「石北」が急行列車に変更。
- 1968年(昭和43年)10月1日:ダイヤ改正に伴い、石北本線経由の急行「大雪」・「石北」・「あばしり」・「はまなす」・「オホーツク」が「大雪」に統合。「オホーツク」は名寄本線経由(旭川駅 - 遠軽駅 - 興部駅 - 名寄駅間)の急行列車(興部駅 - 名寄駅間は普通列車)になる。
- 1970年(昭和45年)10月1日:ダイヤ改正により次のように変更。
- 「おおとり」の釧路駅発着編成を「おおぞら」に分離し、函館駅 - 網走駅間の運行になる。
- 急行「オホーツク」の名寄本線内は普通列車となる。
「オホーツク」の特急列車化
- 1972年(昭和47年)
- 1980年(昭和55年)10月1日:旭川発釧路行きと網走発旭川行きの「大雪」1往復が廃止。網走駅 - 釧路駅間は「しれとこ」に編入。
- 1981年(昭和56年)10月1日:札幌駅 - 釧路駅間(釧網本線経由)の「大雪」1往復が廃止され、「オホーツク」に格上げ。網走駅 - 釧路駅間は「しれとこ」に変更。
- 1982年(昭和57年)11月15日:夜行「大雪」の使用客車を14系客車に変更。当初は座席車のみの置き換えで、寝台車はオロハネ10を含む10系客車のままだったが、1983年(昭和58年)7月20日から寝台車も14系客車となり、A寝台廃止。
- 1985年(昭和60年)3月14日:「大雪」の1往復が「オホーツク」に格上げ。「大雪」は名寄本線経由の1・2号、夜行の3・4号の2往復となる。
- 1986年(昭和61年)
- 9月14日:夜行列車「大雪」の3段寝台が2段化される[新聞 3]。
- 11月1日:国鉄最後のダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
- 夜行列車を除く「大雪」が「オホーツク」に格上げされ、「大雪」は夜行列車のみになる[6]。
- 「おおとり」「オホーツク」の食堂車連結が終了。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により各列車をJR北海道に引き継ぎ。
- 1988年(昭和63年)3月13日:青函トンネル開通に伴う大幅なダイヤ改正に伴い「おおとり」は札幌駅を境に系統分割され、札幌駅 - 網走駅間を「オホーツク」、函館駅 - 札幌駅間を「北斗」とする。これにより函館駅発着で札幌駅より遠方へ直通する定期列車は姿を消した。なお、同時に当列車の補完列車として、特別快速「きたみ」が設定された。
- 1989年(平成元年)6月10日 - 10月10日[7]・1990年(平成2年):札幌駅 - 北見駅間でキハ59系の臨時特急「ペパーミントエクスプレス」運行[7]。
おおとり | |||||||||||||||||||||||||||
← 遠軽 函館・網走 →
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- 1990年(平成2年)9月1日:遠軽駅 - 網走駅間で快速「あばしり」が運行開始。
- 1992年(平成4年)3月14日:夜行急行列車「大雪」を「オホーツク」に編入[2]。「大雪」が廃止。
- 1995年(平成7年)3月16日:快速「あばしり」が廃止。
- 1996年(平成8年)5月18日 - 8月9日:函館本線納内駅 - 伊納駅間の神居トンネル内の軌道修繕工事のため、同日発車の下り夜行「オホーツク9号」の滝川駅 - 旭川駅間を根室本線及び富良野線に迂回運行。通過する深川駅の利用者は列車代行バスで輸送[8]。
- 1998年(平成10年):臨時列車「オホーツク流氷号」・「オホーツク夏休み号」が運行開始。
- 冬季はノースレインボー車両、夏季はサロン付き車両を連結した編成を使用し、2004年まで運行された。
2000年代の動き
オホーツク | ||||||||||||
← 遠軽 札幌・網走 →
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- 2001年(平成13年)8月31日 - 9月2日:札幌発函館行きで特急「おおとり」(キハ183系JR北海道色)の復活運行が行われる。
- 2002年(平成14年)12月1日:「オホーツク」の全列車が生田原駅・女満別駅に停車するようになる。また、1往復(2・7号)が美唄駅・砂川駅に停車するようになる[報道 10]。
- 2005年(平成17年)2月5日:冬季の臨時列車の名称を、流氷特急「オホーツクの風」に変更[報道 11]。
- 2006年(平成18年)
- 2008年(平成20年)3月17日:3月15日に実施されたダイヤ改正により、「オホーツク」の夜行列車が廃止。82号は3月16日発、81号は3月15日発が最後の運転であった[報道 14]。
- 2009年(平成21年)
2010年代の動き
オホーツク・大雪 | ||||||||||||
← 遠軽 札幌・旭川・網走 →
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- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)3月4日:ダイヤ改正により以下の運用に変更[報道 1]。
- 2017年(平成29年)12月16日 - 2018年(平成30年)2月4日:特急「オホーツク1号」の遠軽駅 - 網走駅間、特急「大雪4号」の遠軽駅 - 美幌駅間にて、年末年始を除く土曜・日曜・祝日限定で、沿線自治体などによる特産品販売を実施[報道 20]。
- 2018年(平成30年)
- 2月24日 - 3月25日:特急「大雪1・2号」の上川駅 - 遠軽駅間にて、土曜・日曜・祝日限定で、沿線自治体などによる特産品販売を実施[報道 21]。
- 3月17日:同日のダイヤ改正に伴い、特急「オホーツク」・「大雪」に使用するキハ183系0番台(キハ183形200番台・キハ182形0番台)を順次廃車[報道 4]。キロハ182形は引き続き運用に入る[報道 5]。
- 7月1日:キロハ182形の運用終了に伴い、特急「オホーツク」・「大雪」の編成を変更[注 8][報道 6]。これにより使用車両がキハ183系の後期型車両に統一される[9]。
- 7月1日 - 12月23日:土曜・日曜・祝日限定で、沿線自治体などによる特産品販売を実施。日によって、販売を実施する列車や区間が異なる[報道 22]月[報道 23]。
- 2019年(平成31年・令和元年)
2020年代の動き
- 2020年(令和2年)
- 1月1日 - 2月29日:土曜・日曜・祝日限定で、沿線自治体などによる特産品販売を実施。日によって、販売を実施する列車や区間が異なる[報道 27]。
- 5月20日:JR北海道が、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19と表記)の影響により、同年6月14日より当面の間、以下の措置を実施することを発表[報道 28]。
- 「大雪」全便運休。
- 「オホーツク1号」が丸瀬布駅、「オホーツク4号」が白滝駅に臨時停車。
- 6月10日:JR北海道が、同年5月25日の国の「緊急事態宣言」解除以降、ビジネス利用を中心に利用が回復傾向であること、「3密状態」を回避することを理由に、以下の措置を実施することを発表[報道 29]。
- 「大雪」全便運休は、発表通り、6月14日より実施。
- 同年7月1日以降は、「大雪」全便が運転再開。
- 7月23日 - 11月15日:土曜・日曜・祝日限定で、沿線自治体などによる特産品販売を実施。日によって、販売を実施する列車や区間が異なる[報道 30][報道 31]。
- 10月14日:JR北海道が、COVID-19の影響で、2021年春に、現行の「大雪」全便を臨時列車としての運行を検討していることを発表[報道 35]。
- 10月24日・10月25日:北海道鉄道140年記念として、キハ261形5000番台「はまなす」編成が「オホーツク1号」と「大雪4号」の運転に充当[報道 7][報道 36][報道 37]。
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)
- 2023年(令和5年)
- 「オホーツク夏休み号」(1998年)
- 「オホーツク50周年号」記念ヘッドマーク(2009年)
- キハ183系団体臨時特急「おおとり」(2009年10月 網走駅)
商標
「オホーツク」「大雪」は、北海道旅客鉄道が商標として登録している[11][12]。
登録項目等 | 内容等 |
---|---|
商標 | オホーツク |
称呼 | オホーツク |
出願番号 | 商願平04-270860 |
出願日 | 1992年(平成4年)9月29日 |
登録番号 | 第3124808号 |
登録日 | 1996年(平成8年)2月29日 |
権利者 | 北海道旅客鉄道株式会社 |
役務等区分 | 39類(旅客車による輸送) |
登録項目等 | 内容等 |
---|---|
商標 | 大雪 |
称呼 | オーユキ,タイセツ,ダイセツ |
出願番号 | 商願2016-139821 |
出願日 | 2016年(平成28年)12月13日 |
登録番号 | 第5948545号 |
登録日 | 2017年(平成29年)5月19日 |
権利者 | 北海道旅客鉄道株式会社 |
役務等区分 | 39類(鉄道による輸送) |
脚注
注釈
- ただし、気動車を使用。
- ただし、ロシア語で「オホーツク」といった場合、厳密にはオホーツク町を指す。
- 2016年(平成28年)3月25日までは10D+号数。
- 2021年(令和3年)3月12日までは80D+号数。
- 「おおとり」は「おおぞら」の増発を兼ねており、編成の半数を滝川駅で分割し、根室本線釧路駅まで直通していた。また、食堂車は釧路駅発着編成に連結された。
- 臨時列車運行時はそれまで停車した江別駅・美唄駅・砂川駅が通過となり、当麻駅は定期優等列車通過駅となった。
- なお、同日より、特急「スーパー北斗」「北斗」(上下24本)の列車番号が「5000D+号数」から「D+号数」へ変更された。
- ただし、「大雪3号」と「オホーツク3号」は運用の都合で6月30日から変更後の編成による運転を開始した。
出典
- “R北海道、11月にダイヤ改正…減便減速でメンテナンス体制を強化”. レスポンス(イード) (2013年9月5日). 2021年10月13日閲覧。
- 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '92年版』ジェー・アール・アール、1992年7月1日、180頁。ISBN 4-88283-113-9。
- “特急「大雪」の一部運休始まる 沿線自治体はJR離れを懸念”. 日本放送協会. (2021年4月13日). オリジナルの2021年4月13日時点におけるアーカイブ。
- 『JR時刻表』 2016年4月号
- “特急オホーツク(183系)”. 北海道旅客鉄道 (2022年7月1日). 2022年7月13日閲覧。
- 『鉄道ジャーナル』通巻241号 p.48
- 「JR年表」『JR気動車客車編成表 90年版』ジェー・アール・アール、1990年8月1日、168頁。ISBN 4-88283-111-2。
- 『鉄道ファン』通巻423号 p.167
- “キロハ182形の定期運用が終了”. railf.jp(交友社) (2018年7月1日). 2019年8月11日閲覧。
- 『北海道時刻表』2021年3月号 pp.66-68
- “商標「オホーツク」の詳細情報”. Toreru商標検索. 株式会Toreru. 2022年8月2日閲覧。
- “商標「大雪」の詳細情報”. Toreru商標検索. 株式会社Toreru. 2022年8月2日閲覧。
報道発表資料
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新聞記事
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- “JR利用者「不便」「路線の将来不安」 ダイヤ改正” (日本語). 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(社会) (北海道新聞社). (2016年12月17日). オリジナルの2016年12月17日時点におけるアーカイブ。 2016年12月17日閲覧。
- “一部特急、区間を短縮 来春ダイヤ、10無人駅廃止” (日本語). 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(経済) (北海道新聞社). (2016年12月17日). オリジナルの2016年12月17日時点におけるアーカイブ。 2016年12月17日閲覧。
- “「大雪」「ライラック」復活検討 旭川―網走など JR北海道” (日本語). 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(経済) (北海道新聞社). (2016年12月14日). オリジナルの2016年12月14日時点におけるアーカイブ。 2016年12月14日閲覧。
参考文献
- 『鉄道ピクトリアル』電気車研究会 2006年2月号 No.772 特集:キハ181・183・185系
- 『鉄道ファン』交友社 2007年8月号 No.556 p.94 - p.103 「- 激動の時代の風雲児 - キハ183系特急形気動車」
- 『JR時刻表』、交通新聞社、2016年3月19日。
- 寺本光照『国鉄・JR列車名大事典』中央書院 2001年 ISBN 4-88732-093-0
- 『鉄道ジャーナル』第21巻第1号(通巻241号)、鉄道ジャーナル社、1987年1月、48頁、ISSN 0288-2337。
- 「函館本線で夜行列車を一部う回運転(RAIL NEWS)」『鉄道ファン』第36巻第7号(通巻423号)、交友社、1996年7月1日。
- 『北海道時刻表』第62巻第3号(通巻735号)、交通新聞社、2021年2月25日、pp.66-68。
関連項目
外部リンク
- “列車ガイド 特急オホーツク”. 北海道旅客鉄道. 2018年8月15日閲覧。
- “列車ガイド 特急大雪”. 北海道旅客鉄道. 2018年8月15日閲覧。